術後の視力の回復 | 佐藤裕也眼科医院のブログ

佐藤裕也眼科医院のブログ

ブログの説明を入力します。

眼内レンズ手術後の視力は、角膜や網膜に病気がなければ、翌日から矯正視力が1.0に到達するとされています。実際に多くの患者さんで、手術翌日にはそのような結果が得られています。

私の場合、術前検査で手術予定の目に「正常眼圧緑内障」ありと診断されて(自覚症状は一切なし、ハンフリー視野計の検査で検出)その対策として白内障手術時に「アイステント」という極少のデバイスを挿入することをすすめられました。「緑内障手術、水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」が正式な術式名です。

手術の翌日ですが、アイステント挿入による前房出血で、視力が妨げられて、到底「快適な見え方」とは言えず、視力表のターゲットはくしゃくしゃした塊にしか見えず、それでもランドルド環の切れ目の判別で、0.8の裸眼視力でした。自身の評価では、0.3位か。出血は硝子体内にも及んだらしく、1週間過ぎても芳しくありません。その後、見え方はわずかずつ改善。1ヶ月目でほぼ消失しました。

得られた教訓です。➀白内障手術後の視力の評価は3ヶ月後に、と昔から言われていましたが、技術の進んだ現在でも、全くその通りに考えるべきである。➁術後の視力検査は「見え方の質」をほとんど取り上げていないので気をつけるべき。今回の経験で得られた結論でした。