授業経営力
昨日は上京し,某大学の某講義でGuest Talkをさせていただきました。いつもお世話になっているA先生との関係性の中で成立している話なので,あくまで「もぐり」(笑)。ですから,どこの大学でどんな講義をしたかは,伏せさせていただきます。って言うまでもなく,そもそもこのブログは匿名で書いているので,常にほとんどの人には何も分からないわけですが(;^_^A。ちなみにその講義,女子大でもないのに受講者は女性ばかりでした。僕からすれば非常に話しやすい雰囲気。役目を十分に果たせたかどうかはともかく,楽しく実施できました。ところで,そういう楽しく前向きな雰囲気の中で授業ができるのは,僕の話が上手だから,ではないのです。この講義を担当しているA先生の「授業経営力」があってのこと。今日も僕が講義をするにあたっての「お膳立て」がしっかりしてあったから,彼女たちは良い雰囲気で臨んでくれたのです。僕がA先生の講義でGuest Talkをするのは,これで3回目です。過去2度は某国立大でした。夏季の集中講義1回と前期夜間の講義1回。A先生にとってはどちらも「客員」での開講で,しかも「学際的な」立ち位置の講義だったので,社会人大学院生を含め多種多様な方々がいらっしゃいました。僕なんか圧倒されるような「凄い人」もわんさか。それは「能力が高い人たち」とも言えるわけで,A先生もそのつもりで授業経営をされていたのだと思います。それに比べて昨日は学部生対象の講義。しかも1年生もいる。A先生からは「ゆっくりていねいにやってください。」と,前もって連絡を受けていました。それでも用意した演習っぽい内容は8割程度しか実施できず,途中間引きながら進めたんだけど…。もしA先生が事前に,僕へそのことを伝えてくださっていなかったら,学生にとってはもっと消化不良な講義になったかも知れません。終わってからA先生にお聞きすると,「あと2,3回やっていると,学生はもっと自分から動くようになる。」と,「授業経営」の計画・見通しを教えてくださいました。後期は始まったばかりで,しかも講義は今日で2回目。まだまだA先生の理念や哲学は伝えられていないわけです。だけど,A先生のマネジメントを持ってすれば,回を追うごとに学生達の動きは前向き・積極的な方向へ「自動化」してくると予測できます。これは今までのA先生の指導を思い起こせば,決して難くない想像です。とにかくA先生の「授業経営力」はすばらしくて,語り尽くせないほど見習うべき点があります。何よりも,発言・指示がシンプルで明確なこと。学生一人一人に対する洞察がすばらしく,機を的確にとらえて声を掛けたり意図的・効果的に指名したりすること。…。A先生の授業経営計画に乗って,彼女たちもすぐにもっともっと変わっていくのだろうな,と思うわけです。そういう意味で,2ヶ月後くらいにもう一度あの講義室を覗いてみたい気もします。半年間・週1回のつきあいでも,どこまで学生の成長のために本気で取り組むか。大学の先生にとって,こういう姿勢は「生命線」じゃないかと思うのです。でも考えてみると,自分の学生時代,半年間のつきあいでしかない学生に対しては名前すら覚えようとしない先生も,たくさんいらっしゃいました。A先生を基準にしたら,信じられない格差です。でも結局そういうことって,「授業経営力」の違いなんだろうなと思います。きっと今の時代は「淡々と自分のしゃべりたいことだけしゃべっておしまい」みたいな先生は,申し訳ないけど淘汰されていくのかなとも感じています。じゃないと,このA先生のように学生のことを考えている先生とのギャップが大きすぎます。もっと言えば,同じ給料をもらっていることが信じられない,とさえ思いますよ。 #大学の先生の仕事は「講義」だけじゃないと分かっていながら,あえて言わせていただきました。