の続き
それから数日後、友人のmatsuと一緒にまた真ホワイトハウス探しに出掛けました。
前回は角田山を登山して調べたので、今回は隣の弥彦山に行くことにしました。
情報によると真ホワイトハウスのある場所は、電波塔が建ち並んでいる辺りにある、または弥彦スカイラインの脇のトンネルの奥にある、西生寺とブラックハウスの近くにあるなどという情報がありました。
さっそく間瀬峠から弥彦山スカイラインを上がっていき、怪しい建物が無いかよーく目を凝らしながら車を走らせました。
しかし走りはじめて数十分、暫くスカイラインを走らせましたが、一向にそれらしき建物は見当たりません。
そしていつの間にか車はスカイラインの頂上付近まで来ていました。
弥彦山の頂上には、越後平野を見渡せるパノラマタワー(展望台)やレストラン、ロープウェイ、山頂公園などがあります。
運転していたmatsuは少し疲れたと言うので、休憩も兼ねて少し寄っていこうという事になりました。
駐車場に車を停めると、matsuはすぐにトイレに行ったので、自分は自販機でジュースを買って飲んで待っていました。
matsu『うわー、あのトイレ超汚ねーよ』
とトイレから戻ってきたmatsuが言いました。
yuki☆『マジで?』
matsu『うん、それにちょっと暗くて怖い…』
そのmatsuの言葉が気になり見てこようかと一瞬思ったのですが、汚いのが嫌なのでやっぱりやめておきました(笑)
山頂は沢山の人で賑わっており、そこから眺める日本海も綺麗でとてもいい眺めでした。
するとこの時、
真ホワイトハウスは電波塔が建ち並んでいる辺りにある
という事をふと思い出し、ついでに山を上って山頂公園まで登ってみる事にしました。
急な山道を少し登ると、展望レストランに着きました。
そこからレストラン裏の山々を望める場所まで来ると、山の上に鉄塔が見えました。
それはテレビの電波塔やラジオの電波塔らしく、無数に建ち並んでいました。
matsu『とりあえず、ちょっと登って見てこようよ』
yuki☆『そうだね』
急な階段を上り山道を登っていくと、道の所々にテレビ局の電波塔がそれぞれ建っていました。
yuki☆『これ全部新潟のテレビの電波塔みたいだね』
matsu『そうみたいだね』
そしてひたすら山道を登っていくと、途中で一人の男性が前方から走ってきました。
どうやらこの男性は急いでいるらしく、かなり疲れているようでした。
そして自分らの前に来て止まると、
男性『ハァッ、ハァッ、すいません、山頂の展望台のある方ってどっちですか?ハァッ、ハァッ』
yuki☆『えっ?あっちの方に行けばありますよ?』
男性『ハァッ、ハァッありがとうございます!』
そう言うと男性は自分らが歩いてきた山道に向かって再び走っていきました。
yuki☆『なんだあの人?何か急いでるみたいだったけど…。』
matsu『ちょっと変な人だったね』
その後も暫く山道を登っていきましたが、特に何もなさそうだったので引き返すことにしました。
来た道を引き返し、先程の展望レストランのある所に戻ってきました。
そしてもう一度そこから電波塔が建ち並んでいるいる山々を見渡しました。
すると、先程は気付かなかった無数に建ち並んでいる電波塔近くの山の上に、薄汚れた感じの古い建物が見えました。
yuki☆『あれ?何だあの建物?』
不思議に思い、隣にいたmatsuに言ってみると、
matsu『ホントだ…、何だろうね』
yuki☆『さっきあったっけ?あんな建物?』
matsu『わからないけど…』
yuki☆『もしかして、あれが本物のホワイトハウスだったりして…』
matsu『いや、多分あれはテレビ電波塔か何かの建物だよ…』
とすぐにmatsuがそれを否定しました。
確かに電波塔が建ち並んでいる近くにあるのでその可能性もありましたが、自分はどこかその建物に違和感を感じていました。
しかもよく見てみると、その建物はまるで教会のような洋風の建物の感じに見え、何故かその建物だけが『ポツン』と一軒だけ離れた山の上に建っており、一体どうやってあそこまで行くのかわからないような感じでした。
yuki☆『あそこまでどうやって行くんだ?』
その謎の建物がとても気になりましたが、日も暮れはじめてきたので、今回は諦めて帰る事にしました。
そして数日後、また友人のmatsuと一緒に真ホワイトハウス探しに弥彦山へ行きました。
今度は前回とは違うエリアを探そうと思い、西生寺というお寺の近くにあるという、精神病院の廃墟を探すため、寺泊野積側から調査を開始しました。
(実は真ホワイトハウスは精神病院の廃墟という説もあります)
集落を過ぎて山の方に向かうと、突然目の前に『西生寺 弘智法印霊場』と書かれた看板があり、道が分かれた分岐の所に来ました。
真っ直ぐが西生寺右の道がスカイライン方面。
この西生寺は、日本最古のミイラ(弘智法印即身仏)が安置されているという歴史のある寺です。
噂によるとこの近くに精神病院の廃墟があるという事なのですが…。
取り敢えず西生寺の方(真っ直ぐ)には行かず、右折してスカイラインの道をそのまま進みました。
すると途中道路の左側に、怪しい脇道を発見しました。
yuki☆『あっ!ここなんか怪しくね?』
matsu『そうだね、ちょっと見てくるか』
スカイラインの国道から車を左折させ、怪しい脇道の方に走らせました。
するとはじめはアスファルトだった道が、途中から整備されていないオフロードの道に変わりました。
道は段々鬱蒼とした深い森の中に入っていきます。
yuki☆『ここ何かありそうだな』
matsu『うん…』
この道はいかにも何かがありそうな不気味な雰囲気がしました。
そして暫く車を走らせていると、何故か突然、道は行き止まりになっていました。
yuki☆『あれ?これ以上はいけないみたいだな』
matsu『そうみたいだね』
どうやら道は行き止まりになっていて、残念ながらここには廃病院のような怪しい建物は見つかりませんでした。
仕方なく狭い道をなんとか車を切り返してUターンし、来た道を引き返しました。
そして再び車を走らせていると、前方に前回行ったブラックハウス(自殺電波塔)の建物が見えて来ました。
山の上に建つ錆びた鉄塔と白い廃墟はやはりかなり不気味でした。
そのブラックハウスを過ぎて更に山頂の方へ車を走らせると、今度は右側にこれまた怪しい感じの脇道を見つけました。
しかもよく見ると入り口にゲートのようなものと、立入禁止の看板がありました。
yuki☆『何だここ?ちょっと怪しくね?』
matsu『確かに怪しいね。見てみるか』
そう言うと立入禁止の看板を無視して、山の上に続いている怪しい道を行ってみる事にしました。
yuki☆『もしかしたらこの先に真ホワイトハウスがあるかもよ!』
と期待に胸を膨らませ、急な坂になっている山道を暫く車で上って行くと、突然道が開けた頂上に来ました。
そこには現役で使われているらしき大きな電波塔が建っているだけでした。
matsu『これ普通に使われてるただの電波塔じゃん😅』
yuki☆『なーんだ、期待したのにな…。』
またしても期待外れに終わってしまい、落胆しました。
その後も何度かあの辺り周辺を調べましたが、結局それらしいものは発見できませんでした。
yuki☆『やっぱり真ホワイトハウスの噂はガセだったのかな…』
と半ば諦めかかり、とりあえず真ホワイトハウス探しは一旦調査は打ち切ることになりました。
それから数日後、この日は家族で初詣に行くため
彌彦神社に向かって車を走らせていました。
すると岩室温泉辺りに差し掛かった時、何となく弥彦山の頂上方向に目をやると、斜面ギリギリに建つ、ボロボロに朽ち果てた電波塔の建物が目に入りました。
yuki☆『あれってもしかして、あの時山頂で見えた謎の建物かな…?』
気になった自分はまた日を改めて確かめに行こうと思いました。
しかし、その間に色々と他の心霊スポットや廃墟など行ってる間に、いつの間にか真ホワイトハウス探しは忘れ去られていました。
そしてそれからまた暫く経ったある日、テレビ番組で弥彦山の展望レストランでツリーパフェ🍨🍦という、東京スカイツリーにあやかったパフェがあることを知り、それがとても食べてみたいと思ったのがきっかけで、今度は父親と一緒に再び弥彦山頂に訪れることになりました。
そしてこの時、
yuki☆『あっ、そういえばあの建物まだあるかな…?』
ふとあの建物の事を思い出し、長い階段を上がって早速電波塔が建ち並ぶ山々を見渡してみると、その光景に思わず驚きました。
なんと、以前に見たはずの謎の洋風の建物がどこにも見当たらないのです
yuki☆『あれ?おかしいな…。確かにあの辺にあったはずなんだけど…。』
不思議に思い何度も目を凝らして確認しましたが、やはりそこにはあの建物はありませんでした。
果たしてあの時に見えた謎の建物は何だったのか?
結局、真ホワイトハウスも山頂で見えた謎の洋風の建物も一切何もわからず終いに終わりました。
そしてそれから数年後、突如それは自分らの前に姿を現し、真ホワイトハウスに纏わるある真相に近づくことになるのです…。
次回の《シーサイドの七不思議 その⑪ 真ホワイトハウスの真相》編に続きます。