これは数年前、当時付き合っていた彼女(O)と体験した時の話です。
その日自分らは、以前コンビニで買っておいた県内のラブホが特集された情報誌を見ていました。
当時、自分らは観光気分でたまにホテル巡りをしていました。
(決してイヤらしいことが目的ではありません(笑))
すると色んなホテルを見ていく内に、ある一つのホテルが目に入りました。
そのホテルとは『20○と○ら』という名前のホテルで、内装もお洒落で中々いい感じの雰囲気のホテルでした。
自分『ねえ、このホテルなんか良さげな感じじゃない?』
O『そうだね。今度行ってみようよ』
自分もOもそのホテルが気になり、日を改めて行ってみることになりました。
そして数日後の夕方、早速そのホテルへ向かいました。
地元の新津から116号線を暫く車を走らせ、ようやく目的地であるそのホテルにたどり着きました。
ホテル入り口にある部屋番号と写真が映ったパネルを見ながら、
自分『えーっと、どの部屋にしようか?』
O『16号室が空いてるみたいだし、そこでいいんじゃない?』
と適当に部屋を決め、その16号室に入ることにしました。
車をガレージの車庫内に停め、部屋の入り口に向かいました。
そしてドアを開けると、薄暗い殺風景な通路が続いていました。
するとそれを見たOは、
『あっ』
と言いました。
その言葉が気になり、
自分『どうかした?』
とOに聞いてみると、
O『うん…。ねえここさ、もしかすると昔元旦那と来たことあるかも…』
と言いました。
実はOは自分より9つ年上のバツイチで離婚しており、当時その元旦那と付き合っていた頃にこのホテルに来たことがあったそうなのです。
名前が当時と変わっていたため、初めは気付かなかったそうです。
それを聞いた自分は少し複雑な気持ちでしたが、元々バツイチと知っていて付き合いはじめたので、その辺はもう割り切っていました。
ですが何故かこの時のOは、どこか浮かない表情をしている気がしました。
(まるで何かに怯えているような)
とりあえず通路を歩いて奥にある部屋の中に入ってみると、室内はどこかカビ臭く、暫く人が入っていないような感じがしました。
自分『なんかこの部屋おかしくない?空気も悪いみたいだし…』
O『うん…。あと見てこれ、埃がすごい積もってる。ここもしかして暫く使ってないんじゃない?』
この時自分は、すぐにこの部屋がどこかおかしいことに気がつきました。
そしてOの様子も…。
空気が悪いというか、どこか落ち着かないのです。
まるで何かに見られているような感覚。
もしやこの部屋は曰く付きなのでは?と思いはじめ、どこかにお札でも貼られていないかチェックしてみることにしました。
すると何となく壁際の辺りを見てみると、壁紙に何か黒っぽい液体が飛び散ったような跡があることに気がつきました。
自分『うわっ、なんだこれ?これもしかしてさ、血が飛び散った跡だったりして…』
O『もうやめてよ!私怖くなってきた。早く出ようよ…』
まだ部屋に入って5分程しか経っていないにも関わらず、すぐにこの部屋から出たいという衝動に駆られました。
しかし一応お金は払わなければいけないので、せっかくなので用意されたお菓子やジュースなどを飲み食いして少し休憩を取ると、最後にお風呂に入ろうということになりました。
Oは先に浴室に入り、続いて自分が後から浴室に入りました。
Oはシャワーを浴びて髪を洗っていましたが、その時自分は、ふと何故か脱衣場の方が気になり、後ろを振り返り浴室の扉の奥にある脱衣場の方に目をやりました。
すると恐ろしいことに、なんとそこにはいるはずのない女性らしき人影がすりガラス越しに立っているように見えたのです。
しかもその女性らしき人影は、赤い血のようなものを垂れ流し、こちらの方を見ているように見えたのです。
自分『えっ?!うそ…?あれって人だよな…』
その瞬間血の気が引き、やはりこの部屋はヤバイと確信したのです。
しかしそれを今Oに言ってしまうとパニックになり怖がらせてしまう可能性があったため、この事は黙っていました。
(自分も怖くて後ろを振り返れませんでした)
しかし、気が付くといつの間にかその人影らしきものは消えていて、脱衣場と洗面台の鏡があるだけでした。
とにかく怖かったのでさっさと体を洗って風呂から上がると、逃げるようにこのホテルを後にしました。
しかしこの後、恐ろしい事を知ることになったのです。
車に戻りさっき見た人影の事を話すと、Oがこう言いました。
O『ねえ、前に私が元旦那とホテルで怖い体験した時の話、覚えてる?』
自分『うん、覚えてるけど』
O『さっき行ったホテルさ、多分そのホテルだと思う…』
自分『マジで?!』
O『うん…。だってホテルの場所もあそこだった気がするし、名前変わってたから最初はわからなかったけど…』
ちなみにこれが以前Oから聞いた、Oが元旦那と体験したという怖い話です↓
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今から数年前、Oは元旦那と交際しており、ドライブ途中に116号線沿いにある○船というホテルに泊まりました。
そこは見た目も古いホテルで、少し嫌な感じがしたそうです。
部屋も適当に決めて中に入ると、その光景に思わず言葉を失ったそうです。
なんと部屋の中には、無数の日本人形が至るところに置かれていたそうです。
Oは怖くなり部屋を出たいと言ったそうですが、元旦那はこの手の話しは好きだったらしく、逆に面白がりそのまま泊まることにしたそうです。
(元旦那は少し霊感があったそうです)
そして夜中寝ている時、ふとOは視線を感じて目が覚めたそうです。
真っ暗な部屋の中、Oは目を凝らしてよく見てみました。
するとなんと周囲に置いてあった無数の日本人形が一斉にOの方を見ていたそうです
恐怖のあまり体を動かそうとしますが、金縛りにかかりいうことを利きません。
隣で寝ている元旦那に助けを求めようと目をやると、なんと元旦那も同じく金縛りに遭っているようでなにやら呟いていたそうです。
何を言っているのか聞き取れなかったそうですが、かすかに
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…
と唱えていたように聞こえたそうです。
そしてそのままフッと眠ってしまい、気が付くと朝になっていたそうです。
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以上が数年前にOが元旦那と体験したという怖い話です。
その恐怖体験をしたホテルが、なんと今回自分らが立ち寄った場所と同じだったようなのです。
そして更に恐ろしいことに、なんと適当に選んで入った16号室の部屋も、以前Oが元旦那と恐怖の体験した部屋と偶然同じ部屋に入ってしまっていたのです。
Oがあの部屋に入った途端、様子がおかしかった理由がこの時わかったのです。
自分『ねえ、これってちょっと偶然にしては気持ち悪くない?もしかして呼ばれてたんじゃない?』
O『うん…呼ばれてたのかもね…。私、鳥肌立ってきた…』
数年前にOが元旦那と体験したという怖い話、そしてまるで呼ばれるかのように自分とOが偶然同じホテルの同じ16号室の部屋に入り、見つけた血痕らしき染みと女性の人影…。
果たしてあの16号室の部屋で過去に一体何があったのでしょうか?
そのホテルは現在も名前を変え営業しています。
名前は出せませんがくれぐれも気をつけて下さい。
決して16号室には泊まらないように…。