前回続き》


あの廃墟(川○さんの家)での恐ろしい体験から暫く経ったある日、自分は従兄弟のMと会うため、友人Aと一緒に新潟市某町に向かいました。

(この当時、自分とAは確か25才、従兄弟のMは21才位だったと思います。)


待ち合わせの場所に着くと、暫くして従兄弟が歩いて車に乗ってきました。



久しぶり!元気だった?



うん、まあね



久しぶりに会ったという事もあって、暫く車内で他愛もない話をしていました。


すると、Mが突然恐ろしい事を言い出しました。



そういえばさ、あそこ知ってる?やすらぎ堤のとこの廃墟…



それを聞いた瞬間、自分は反射的に、



うわっ!やめろって!あそこの話は…



と思わず大きな声を上げてしまいました。

そのMが言おうとしている事が、すぐにあそこの廃墟(川○さんの家)の事だとわかったのです。


Mは自分の反応に驚いていました。



どうしたの?なんかあった?



Mが不思議そうに自分に訊ねてきたので、以前にあの廃墟で体験した恐ろしい出来事と、その後体調不良になった事を話しました。



うそ?それマジ?…実はあの廃墟さ、俺の友達の知り合いが住んでたんだよね



それを聞いた自分はかなり驚きました。
確かにMの住んでいる地域は、あの廃墟から少し近い場所でした。




え?そうなん?友達の?




うん、あそこ父親が狂って家族殺して…



それ以上はあまり聞きたくありませんでしたが、どうやらMの話だと、あそこで殺人事件が起きたというのは間違いないようでした。



あそこだけは行くなよ…本気でヤバいから



とMに忠告すると、信じられない言葉が返ってきました。



いや、あそこ(廃墟)前に仲間と行った事あるよ




うそ?!行ったのあそこ?




うん…まあ



なんとMは、既にあの恐ろしい廃墟(川○さんの家)に行った事があると言うのです…。




そしてMは、その時に起きた恐ろしい出来事を話してくれました。

       ⬇


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ある日Mは、友人ら数人と一緒に肝試しをするため、この殺人事件のあった廃墟(川○さんの家)に来ました。

早速廃墟の内部に潜入し、探検を開始しました。

この友人らの一人にT君という人がいたのですが、T君はとても霊感が強く、一人だけ廃墟の中には入らずに、外でMと友人らの様子を見ていたそうです。


Mと友人らは暫く廃墟の中を見てまわっていると、外で待っていたTが、突然叫び出しました。




『おい!もうやめろって!ヤバいぞ!』



そのTの声を聞いたMと友人らは、突然の事に驚きました。




『あいつ、どうしたんだ?急に怒鳴ったりして…』




なおも無視して探索を続けていると、またしてもTが、




『おい!本気でやめとけって!早く戻ってこい!』




あんまりにも真剣に言うので、




『どうした?』




と外にいるTに聞いてみると、




『見てるから…そこの家の人達が…見てるから…』




Tが恐ろしい事を言いました。
しかもよく見るとTはガタガタ震えています。


そのTの様子を見たMと友人らは、ようやく事態の重さに気づき、急いで廃墟から脱出しました。




廃墟から出ると、Tは何かに怯えるように泣きながらガタガタ震えていたそうです。




後日、この時起きた事をTに聞いてみたそうです。



Tの話によると、あの時廃墟の内部を探索しているMと友人らを暫く外から見ていると、その廃墟の住人らしき家族の霊が、勝手に家の中を歩き回るM達を睨みつけるようにジーっと見ていたんだそうです(;゜∇゜)




この話を聞いた自分はゾッとしました。
自分も以前、あの廃墟で白い人影を見た事を思い出してしまいました。 




まさかあの人影も自分を見ていたのか?




そう考えるとまた恐ろしくなりました(°Д°)




そしてこれは後で知った事なのですが、あの廃墟では昔、父親が息子を拳銃で射殺し、その後父親も自殺したというのが真相らしいです。
その殺人事件が起きたのはあの廃墟ではなく、その手前にあるやすらぎ堤だったそうです。
これは当時、全国ニュースにも流れたとの事です。



しかもその殺人現場は、偶然にもあの時に自分が海を眺めていた、あの場所(やすらぎ堤)だったのです…(怖)



あのサイトに書いてあった気味の悪い書き込みは、一体どんな目的で誰が書いたのでしょうか?
もしかしたら『タチの悪いただのいたずら』だったのかも知れません。
しかしその書き込みのせいで自分は、半年間も体調不良に見舞われました。
恐らくあの廃墟に行かなければ、半年間も体調不良になることもなかったでしょう。
勿論、廃墟に行かなくても死ぬ事は無かったと思いますが…。



数年経った現在、その廃墟は取り壊されて高層マンションになっているため存在しませんが、もしかしたらこの廃墟(川○さんの家)は、今まで行った中で1番恐ろしかった心霊スポットだったかもしれません。

たまにこの廃墟のあった付近を通る時があるのですが、昔の事を思い出してしまい、未だに恐ろしくなります。