世界で一番可愛いのは自分だと思う。子供ができたら変わるかもしれないけど、その予定はまだない。自分が一番可愛いから一流にならないといけない。自分を愛せない人は他人も愛せないから。

 この本は名門大学に通う学生に自身が親から受けた教育や実施してほしかった指導をアンケート調査し、一流の育て方を考察した一冊だ。

 教育というと、まずは「放任」と「強制」が思い浮かぶ。私は放任の方が現代に適していると感じるが、みなさんはどうだろうか。人は親元を離れて過ごす時間の方が長い。誰かの強制の元でしか生きられない人は苦しい思いをするだろう。しかし放任にも三つ注意点がある。一つは放置と混同しないこと。零という数が存在するように、放任という教育法が存在するのだ。次に親が現代社会を勉強すること。親と子で二十年以上も生きる時代が違う。目まぐるしく変化する世の中で、一世代前の価値観が適さなくても驚かない。最後に子供の性格や能力から最終目標を思い描くこと。理想が見えると方向を示すことができ、すると放任でも大きく道を外すことは少なくなるだろう。

 教育と学校は切っても切り離せない存在だ。昔、徒競走で順位をつけることは教育上良くないと言う人がいた。たしかに相手を蹴落として上がっていくことははしたなく見える。しかし受験や出世など、この先の諸々をどうやって乗り越えるのだろうか。

 学校で学ばないことは家で学べばいいと思う。徒競走にしろ道徳教育にしろ、放課後や休日に子供と接して学びの機会を与えれば良い。

 ちなみに今の学校ではコミュニケーション能力向上の指導が少ないと思う。コミュニケーション能力とは、単に仲の良い友達を増やしたりグループ活動で発言する力ではない。相手を思いやり感謝する力だ。良い対人関係を築くにはこれらの心遣いが必須になるだろう。実るほど頭を垂れる稲穂かなという言葉がある。実りの目的は頭を垂らすことかもしれない。

 

 

 

 

子供が読んでも良いと思います

 

「一流の育て方」著:ムーギー・キム,ミセス・パンプキン