闘将・星野仙一監督の「知られざる一面」とは?楽天イーグルス元社長が明かす“人間としてのすごさ” | ☆SnowManさんと今田美桜さんが大好きで応援してる夫婦のBLOG☆

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東北楽天ゴールデンイーグルスの社長として、「球団史上初の日本一」と「収益拡大」をW達成した立花陽三さん。自身の成功と失敗を赤裸々に明かしつつ、成果を出すリーダーの思考法をあますことなく語った初の著書『リーダーは偉くない。』では、2013年の初優勝の立役者である故・星野仙一監督の“人間としてのすごさ”についても述べている。日本中、とりわけ東北に多くの感動を与えた優勝の裏側に、星野監督のどんなリーダーシップがあったのか。立花さんに伺った。 (聞き手は、『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者・安達裕哉氏) 

 

● 星野監督は“優れた脚本家”だった  

 

――立花さんのご経験上、リーダーとして大事なことは何だと思いますか。  

 

立花陽三(以下、立花) さまざまな要素がありますが、「ストーリー」を積み上げて「人の心を動かす」ことが最も大切だと考えています。  

 

そのことを僕に実感させてくれたのが、星野仙一監督でした。  

 

星野さんといえば「闘将」というイメージがあるかと思いますが、それとは裏腹に、ファンに喜んでもらい、球界を盛り上げるための「ストーリー」を自ら描くことができる“優れた脚本家”でもありました。  

 

ご本人から直接聞いたわけではないですが、球団の社長として一緒に伴走した僕の実感では、東北楽天ゴールデンイーグルス(以下、楽天野球団)が優勝した2013年、星野さんは次のような「ストーリー」を頭に浮かべていたと確信しています。  

 

「今季は田中将大投手のシーズンだから、田中投手が勝って胴上げ投手にならなければいけないし、最後のウイニングボールは田中投手が投げないといけない」  

 

これが、どんなふうに優勝すれば最も感動を与えられるか、そして野球を通じて「東北の復興」にどうやって貢献するかを常に意識していた星野さんの描いたストーリーです。  

 

なにせ、田中投手はその年、リーグ戦無敗の24連勝。球史に残る活躍をしていました。その彼をストーリーの中心に据えて優勝すれば、絶対に東北が盛り上がる。そう考えたんです。  

 

実際、パ・リーグ制覇を決めた西武ライオンズ戦や日本シリーズ第7戦の巨人戦では、田中投手が9回のマウンドに上がり、試合を締めました。最後の打者を抑えたときの球場全体の熱気や興奮の渦は、言葉では言い表せないほどすごいものでした。  

 

 

――星野さんが思い描いた通りの幕切れになったわけですね。  

 

立花 もしかすると、想像以上に劇的な展開だったといえるかもしれません。  

 

日本一を成し遂げたとき、東北は本当にとてつもない盛り上がりをみせました。それは、星野さんが、「楽天野球団は『東北のチーム』だ」  

 

そもそも、プロスポーツというのは真剣勝負であるとともに、ショービジネスの側面も持っています。なので、ただ単に結果を残すだけでなく「感動を与える」ことが非常に重要なんです。  

 

それを最高の形で成し遂げたのが星野さんの監督としてのすごさだし、リーダーとしてのすごさです。だからこそ、あの優勝がいまだに語り継がれるんだと思います。

 

 

● 歴史に名を刻むリーダーは「生き様で人を動かす」  

 

立花 星野さんは、ご自身がガンだとわかってすぐ、僕と三木谷浩史オーナーに連絡をくださいましたが、そのほかの球団関係者には一切打ち明けなかったんです。亡くなるまでの間、どんなに辛くても、人前ではいつも通りに振る舞っておられました。  

 

そこはやはり、「闘将」というキャラクターとストーリーを貫き通す“卓越した精神力”がそうさせたんだ、と僕は考えています。  

「こうやって生きるんだ」と口で言うのは簡単ですが、その生き方を最後まで体現するのは難しいですよね。星野さんは、それをやりきった。人間として本当にすごいと思います。  

 

 

――本当に立派なリーダーは、生き様で人を動かすんですね。  

 

立花 その通りです。スポーツに限らず、どんな組織・チームのリーダーであっても、志が高くないと、自分の人生・キャリアとして面白くないはずです。しかも、それを周りで見ている人にとっては、もっとつまらない。  

 

そういう意味でも、リーダーはスケールの小さい目標ではなく、「日本をよりよくしたい」というような壮大な夢を掲げて努力すべきです。そうすれば、メンバーたちがそれを見て、「この人についていきたい」と自然に慕うようになるのではないでしょうか。  

 

星野さんはまさにそういう人でしたし、本書ではそういったエピソードを他にもいくつか書きました。星野さんと伴走した日々は、僕にとってかけがえのない宝物です。  

 

(本稿は、『リーダーは偉くない。』の著者・立花陽三さんへのインタビューをもとに構成しました) 

 

立花陽三さん(たちばな・ようぞう) 1971年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、新卒でソロモン・ブラザーズ証券(現シティグループ証券)に入社。1999年に転職したゴールドマン・サックス証券で実績を上げ、マネージング・ディレクターになる。その後、メリルリンチ日本証券(現BofA証券)を経て、2012年、東北楽天ゴールデンイーグルス社長に就任。星野仙一監督をサポートして、2013年に球団初のリーグ優勝、日本シリーズ制覇を達成。2017年には楽天ヴィッセル神戸社長も兼務することとなり、2020年に天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会で優勝した。2021年に楽天グループの全役職を退任したのち、宮城県塩釜市の廻鮮寿司「塩釜港」の創業者・鎌田秀也氏から相談を受け、同社社長に就任。著書に『リーダーは偉くない。』(ダイヤモンド社)がある。ということを常に念頭に置いて、采配を振るっていたからです。