現金に手を出すな [ギャバン?適役は某・汚沢豚だろ]
【映画鑑賞日記 No.010】
『現金に手を出すな』
…1954年 【フランス】
[原題: TOUCHEZ PAS AU GRISBI ]
<ギャングもの?いや、男の友情物語>
鑑賞前に頭脳戦・心理戦を主体にした「ギャング映画」とのイメージがあったが、
当てがハズレて主体は「男同士の友情・義理」を描いた映画であった。
引退を考えていたギャング(主人公はマックス)が、5千万フランの金塊強奪に成功する。
しかし一味の男一人(リトン)がクラブで情夫持ちのある女にその旨を喋ってしまう。
その情夫が新興ギャングの麻薬密売のボス(アンジェロ)で2組のギャングの闘争が開始される。
「リトン」はその新興ギャングに押さえられ、盗んだ5千万フランと引き換えに身柄を渡すという条件の電話が「マックス」にかかって来る。
『金vs友情の第1R』・・・「マックス」は大金を捨て、友人「リトン」を救う決心をする。
指定された金塊と身柄の引渡し場所でギャング同士の銃撃戦が始り、「マックス」達は
新興ギャングの一掃に成功し、金塊取り戻しにも成功する。
『金vs友情の第2R』・・・しかし「リトン」は重症を負い、警官隊の追跡に会って再度、「マックス」は金塊を捨てるか、『友人=リトン』を救うかの選択に迫られ・・・
ここでも友情を選択する「マックス」。しかし、救出された「リトン」の命は・・・
<迫力が無く・・・光る「老醜」のギャグ>
平坦なストーリーでギャング同士の射撃戦のシーンも迫力が無い。終わり方もあっけない。
哀愁が漂わせて終わっているだろ、と反論されればそれまでだが・・・
しかも、マックス率いるギャングが「5千万フランの金塊強奪」に成功する場面は、全く描写せず。
そのくせ、無駄と思える場面が多いが、シーン・シーンでは「ある意味」で楽しませてくれる。
出だしから、マックスが隠居生活・老いの自覚を口にするなど、黄昏た「老臭」を漂わせている。
マックスが我々の顔は「キャベツ(=皺だらけ)」だ!・・・と言ったシーンに大爆笑。
凡庸な会話の中で放たれた、「老醜」のギャグに拍手!
「ラスク」の食べ方も話題になっているようだが、音楽が素晴らしかった事には同意。
主題歌=「グリスビーのブルース(LE GRISBI)」のハーモニカの音色・旋律は印象に残った。
<老害か? もし、汚沢豚だったら・・・>
しかし、初めの老化自覚→引退のセリフを引きづるられた為か、暴力シーンまでも迫力がなかった。
連続ビンタは猪木の闘魂注入ビンタ一発の方がよほど迫力があるし、
何よりもギャング映画の範疇に入れるのであれば、主役の適役は他にいるだろう。
ジャン・ギャバンより現政界の某・民主党、某・汚沢豚を主役にした方が遥かにギャングっぽいし
(いやそのものか?)、ルックスいいし、胡散臭い現金(げんなま)いっぱい持ってるし、
迫力ある豪顔だし、老いても、未だに求心力もあるもんね・・・本当、ピッタリだな。
あっ、この製作年度では彼はまだ・・・出演は無理か。
<あとがき --- 豆知識>
「げんなま」の正しい漢字の当て字は「現生」らしい。
「現金」=「げんなま」はヤクザ絡みのスラングらしい・・・定かでない。
映画の原作はパリの暗黒街出身のアルベール・シモナン著で映画と同タイトル。
日本語訳書籍も出ているとのこと。映画は原作と比して相当、省いた箇所が多いとのことだが・・・