前回、リハビリ打ち切りについての投稿でも少しふれましたが、診療報酬の改定はどうにかならないものかと思います。
また、お年寄りや長期療養患者が入院する療養病床を
現在38万床から23万床も減らす
という法案もたいへん気になるものです。
その内容は、
介護型 13万床→全廃
医療型 25万床→15万床
にしてしまうというもの。
しかも。
医療の必要度を分類する「医療区分」を導入。
最も医療の必要性がないと判断される「医療区分1」の場合、病院の報酬は激減します。
医療区分は3つに分けられますが、患者の半数がもっとも軽い区分1と見込まれています。
区分1の患者が多いと、病院は経営困難になるとも考えられ、入院できなくなる可能性もあります。
区分1でも酸素の吸入が必要な患者だと、介護施設では医療体制が薄いため受け入れてもらいにくいのが現状です。
結局、行き場を失う人がでてくるのではないでしょうか。
根室ではすでに病院が閉鎖!!
「経営への展望を失った」と閉院してしまいました。市内で唯一、療養病床75床(医療型32床・介護保険型43床)を持っていた根室隣保院附属病院です。長期入院のできる病院が、根室市になくなってしまいました。
同病院では閉院の理由としてほかに、(1)医師・看護師の欠員補充が困難、(2)昨年10月から介護型では食費・居住費が全額自己負担となったため、月3万円も患者負担が増え、経営が悪化したことをあげています。
http://min-iren.gr.jp/search/06press/genki/176/genki176-03.html
他の病院や施設に転院された人もいますが、行き先がなく自宅に帰らざるをえなかった人もいます。
現在でも特別養護老人ホームの待機者は38万5000人といわれています。
このままでは、行き場を失う人々が増えることは想像に難しくありません。
今回の療養病床削減と診療報酬の改定は、老人ホームにとっては新しいビジネスチャンスとなっていきそうです。
費用を抑えた有料ホームではベットの回転を速くしなくてはなりません。
結果、「たらいまわし」とされることも予想できます。
病院でもたとえ、報酬の高い区分2と3の患者さんを集めたとしても職員の人員不足は免れないという見方もあります。
これでは、20年以上も前の人手不足で患者がベットに縛り付けられたり床ずれを起こすなどの時代に逆戻りしそうで不安です。
厚労省は
「療養病床の入院患者のうち医師の対応がほとんど必要ない人が半数」と発表。
まぁ、確かに患者さんの中には入院の必要がない人もいるかもしれません。
でも、自宅で介護できる人が居ない場合はどうなるのでしょうか。
自宅での介護には限界があると思うのです。
重度の患者さんでも自宅介護可能な場合もありますが、ほとんど生活には支障はないけれど不可解な行動を起こすとか、時々トイレに失敗するだけでも、介護困難な場合もあります。
家族のとりまく環境や気持ちの受け皿の違いもそれぞれだと思います。
デイケアのお手伝いに参加していると、こんな悩みを抱えた人たちの話は切実なんだなといつも考えさせられます。
病院のスタッフは、自宅で介護する人たちを責められないと言います。
それは、介護する人をサポートする体制がととのっていないからだそうです。
今回の医療改革では、介護型療養病床が全廃となり、将来介護問題を抱えるであろう私たちの世代に重くのしかかってくる問題だと思います。
財政難を乗り切ろうとするあまり、医療費を減らすことだけに重きをおく改革は何とかならないものでしょうか。
家族の将来はもちろんですが、自分もいづれは介護が必要となるわけですから、真剣に高齢化社会を考える時がきたのだと思いました。
参考資料
ttp://ryouyo.jp/yobo060517.pdf
ttp://yatyabo.blog44.fc2.com/blog-entry-135.html
ttp://www.irouren.or.jp/jp/html/menu13/2006/20060430104326.html
ttp://www.eusekkei.co.jp/public_html/ryouyoh2012.html
ttp://www.urban.ne.jp/home/haruki3/shyakaikubun.html
ttp://www.urban.ne.jp/home/haruki3/iryoukubun.html