外交評論家の小池政行氏「北欧社会は比較的安定し、中でもノルウェーはイスラエルとパレスチナなどの国際紛争を積極的に仲介してきた。テロの脅威が世界で最も少ない国の一つとみられていただけに、事件は世界全体に衝撃を与え、ノルウェーもものすごい衝撃を受けていると思う。

 ただ北欧にテロの脅威がなかったわけではない。1980年代にはスウェーデンの首相暗殺などの事件が続いた。徴兵制などを背景に銃器の普及率が高く乱射事件も散発的に起こっている。

 最近の特徴はアフリカや中東の労働者が爆発的に流入していることだ。ノルウェーは歴史的にも国民のアイデンティティーを守りたい意識が強く、人種偏見や排外主義が若者を中心に高まっていた。事件はこうした不満が爆発したものである可能性がある」(