ノルウェーで起きた連続テロで、首都オスロの警察当局は、爆弾テロで大きな被害を受けた官庁街の封鎖を緩和、ロイター通信によると一部の閣僚が27日、執務室で業務を再開した。平和な日常を取り戻す努力が始まる一方で、国民の精神的な痛手はなお続きそうだ。

 オスロの官庁街は22日の爆弾テロ以降、広範囲で封鎖され、武装した軍兵士が警戒してきたが、26日までに首相府など一部を除き封鎖が解かれた。

 27日、官庁街にある執務室に姿を見せたリグモール・オースルード教会相は、「より通常に近い状態で仕事が再開できてうれしい」と述べた。同相のオフィスはほとんど無傷だったが、ストルテンベルグ首相は当面、市内の別の場所にある防衛省で執務し、閣議も市内にある中世に建てられた「要塞」で行われる。

 一方、27日朝には市内のバス車内で不審なスーツケースが見つかったと通報があり、警察が現場に急行するなど、市民の間では緊張も続いている。

 警察当局は26日、犠牲者76人の氏名の公表を開始、初日は23~61歳の4人の身元を明らかにした。地元紙は多数の犠牲者の顔写真などを掲載、ノルウェー皇太子妃の親族も犠牲になったことが判明した。

 連続テロの犯行を認めているアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)の担当弁護士は、「犯行状況全てが、彼の精神状態が正気でなかったことを示す」と述べたが、警察幹部は「(犯行は)計画されたもので残忍極まりない」と強調しており、今後は精神鑑定が行われる見通しだ。