世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長補代理は14日の記者会見で、新型インフルエンザウイルスが人為ミスにより発生した可能性があるとの説をオーストラリアの研究者が主張したことについて「ウイルスが自然発生したことを示す証拠がある」と述べ、研究者の「仮説」を否定した。

 フクダ氏によると、この研究者が信用できるウイルス専門家であることなどから「仮説」を受け取った先週末以降、日米欧などの5都市にあるWHOの「協力センター」や国連食糧農業機関(FAO)などの機関に、仮説に対する評価を依頼した。

 その結果、新型ウイルスが、ウイルス培養やワクチン製造に使われる鶏卵で人為ミスにより発生した可能性があるとする、仮説の根拠は乏しいとの結論が出たという。