新型インフルエンザの感染は4日も各国で拡大、感染者は21カ国・地域で計1000人を超え、死者はメキシコで26人に増加、米国の1人を含め計27人となった。ウイルスの解析も本格化、米国チームの解析で新型ウイルスは豚の2種類など少なくとも4種類のウイルスが混合して発生したことが判明。病原性については過去に大被害を出したスペイン風邪ほど強くないとの見方が出ている。

 一方、厚生労働省は国内での患者発生に備え、患者との接触者に自宅待機や薬の予防内服を求めるなどの早期対応策をまとめた。

 世界の感染者は4日までに、中米エルサルバドルとポルトガルで初めて確認されたほか、カナダの感染者が計101人となり、感染者100人以上の国がメキシコ、米国に加え計3カ国になった。

 感染者最多のメキシコのカルデロン大統領は、事態が落ち着きつつあるとの見解を表明。ただ感染者・地域とも依然広がりを見せており、世界保健機関(WHO)は警戒を続けている。

 ウイルスを解析した米コロンビア大などは、計8本あるインフルエンザウイルスの遺伝子のうち、6本は北米の豚ウイルスのもので、2本はアジアと欧州の豚ウイルス由来と突き止めた。

 北米豚のウイルスには、鳥と人に由来するウイルスの遺伝子も混じっていた。チームは過去の検出状況から、1998年ごろまでに北米豚の体内で、豚、鳥、人のウイルスが混合したのではないかとみている