オウム真理教の松本智津夫被告(51)の妻(47)名義の銀行口座に、教団が毎月、約40万円を振り込んでいることが、公安当局の調べでわかった。

 妻が描いた油絵の「著作料」名目とみられる。教団は現在、松本被告の妻を公安調査庁に提出している信者リストから外しているが、公安当局は、教団側が松本被告の権威を維持するため、妻の生活を実質的に支援しているとみている。

 公安当局によると、全国各地の道場などの教団施設には、信仰の対象としている「シバ神」などを描いた油絵が飾られている。松本被告の妻の作品とされ、一部の信者は、松本被告の肖像として受け止めているという。公安当局では、教団が毎月、約40万円を妻名義の銀行口座に振り込んでいることを確認しており、道場などに油絵を飾る対価の意味合いが強いとみている。

 松本被告の妻は、信者リンチ殺害事件に関与したとして懲役6年の実刑判決を受け、2002年10月に出所。この直後から、教団側が金銭的な支援を続けている可能性もあるという。