オウム真理教の松本智津夫死刑囚(51)の死刑確定を受けて行われた教団施設への一斉立ち入り検査について、公安調査庁は16日午後、検査結果を公表した。

 会見した北田幹直次長は、「事件に対して反省を示しておらず、松本死刑囚崇拝の実態も改めて確認された」と述べた。

 この日、立ち入り検査の対象となったのは16都道府県の計25施設。教団は現在、上祐史浩代表(43)を支持する「上祐派」と、「松本帰依」を強める「反上祐派」が内部分裂状態にあるが、両派の施設で、松本死刑囚の書いた著書や教典、マントラと呼ばれる呪文を録音したCDなどが見つかり、「二つの派に大きな違いは見られなかった」(同庁幹部)という。

 また、死刑が確定した15日、教団幹部が信者に後追い自殺や違法行為を行わないことを求めた文書も、複数の施設で見つかった。

 検査では、信者約200人に聞き取り調査も行ったが、「遺族は『カルマの法則』を知っていれば家族の死を理解できるはず」「ショックを受けた信徒もいるので、今後、影響があるかもしれない」などと回答した幹部もいたという。