ご挨拶が何となく苦手な君へ・・・立礼
久しぶりじゃのう。
元気だったかな?
この次期は梅雨といって、剣道するにはちと、都合が悪い時期だが、みんな頑張っておる。
なんで都合が悪いかというと、防具が乾きにくいんだよ。
その代わり暑いから、汗はもっとかく。
でも、これも修行じゃ。
文句は言えん。
最近、挨拶がうまく出来ない子どもが多いなぁ。
前回は礼の中でも丁寧な「座礼」について話した。
今回は、一般的な「立礼」を話そう。
みんなお父さんお母さんに、朝起きてから何て言うかな?
そうだね「おはようございます」だね。
その時は、お互いに立って言うことが多いかな??
「立礼」はそんな時の礼のしかたを言うんじゃ。
体の腰から首の後ろを意識して、背筋を伸ばしたまま前に傾けるんじゃよ。
あごだけ出したり、頭だけ下げてはいけん。
きちんと腰からその姿勢を表現するんじゃ。
そして、立礼には三種類あるんじゃ。
会釈・敬礼・最敬礼の三つじゃ。
会釈は、約15度の傾き。
試合お稽古のときに、相手から目を離さない状態でする礼のことじゃ。
敬礼は約30度の傾き。
道場への出入りの時の礼じゃな。
最敬礼は約45度の傾き。
相手に対して、最も敬意を表す礼の形じゃ。
ところで、余談だが、道場に礼をする時はどこでするかわかるかな?
敷居をまたぐ前に道場に礼をして入る。
敷居をまたぐ前に道場に礼をして出る。
これは細かいことじゃが、気を付けないといい加減でも出来ているように感じてしまう。
間違えると、全く出来ていない事になってしまう。
覚え方は・・
何かをする前に礼をするということじゃな。つまり、
道場に入る前に礼をして、道場る出る前に礼をするんじゃ。
日常のことでも、このように「何かをする前に」を気をつけると、
うまく出来たりするんじゃよ。
礼だけでもいろいろあるね。
適当にやってはいかん。
かえって、お相手に失礼になる。
お相手にも伝わる礼をちゃんとしなければいかんな。
礼
いきなりだが、剣道では、 「礼に始まり、礼に終わる」 と言うのじゃ。
それくらい、剣道では礼は大事なんじゃよ。
剣道だけでなく、毎日の生活でも一日何回も礼をする。
でも、最近は礼のしかたも知らない人が多いから、困ったことになる。
知っていてやらないのも良くないが、知らないから出来ないでは、全く話にならん。
今日は、礼の基本の一つ、「座礼」について話そうかのぅ。
道場での稽古の始めと終わりは、座礼をするのじゃ。
座礼は、
1.
まず、相手の目を見て、相手と同時に左手、右手の順番で両手をつくんじゃ。
両腕で正三角形の二辺を作るイメージじゃな。
(余談)
なぜ、左手を先につくかわかるかな?
その昔、お侍さんは刀を腰に差す時は、左腰に差したんじゃ。
座る時も、お侍さんは刀を左手のそばに置いたんじゃ。
相手の目を見て、相手に少しでも自分に掛かってくる気配があれば、右手で刀をぬくんじゃよ。
その為に、右手を最後まで自由にしておくんじゃ。
また、初めての相手と礼(座礼)をする時も、深く頭は下げない。
相手の気配を常に感じながら、頭を下げるんじゃよ。
体で一番大事な頭をさげるんだから、このくらいの注意が必要じゃ。
逆に、上座(神前)に礼をする時、逆に両手を一緒につくんじゃ。
それも、少し深く頭を下げるんじゃな。
これは、相手(上座)に対して、「私は、全く疑いも警戒もしていません」という心の現れなんじゃ。
(モトイ、余談が長くのうてしもうた。)
2.
この後、両手の手の甲と額を近づけのだが、頭を下げすぎてもいけない。
おしりも上がらないように、背筋が水平になるのを意識して、約3秒間続けるんじゃ。
3.
頭を上げる時には、両手をついたまま、両手が伸びきるまで頭をあげるんじゃ。
その後、目上の人が完全に頭をあげてから、自分も頭をあげるんじゃ。
そして、両手を膝の上に置くんじゃ。
目上の人よりも先に頭を上げない、これも大事なポイントじゃ。
剣道でも師の位が先に動き、弟子はその後に続き動作を起こす。
とても細かいことじゃが、ここに剣道の精神があるんじゃよ。
礼儀の作法も細かく学ぼうとすると、難しいんじゃよ。
ひとつ一つを丁寧にすると、そのうちにいろいろな点が結ばれて、一つの大きな人間になるんじゃなぁ。
子ども達には、この一つひとつをしっかり学んでほしいものじゃ。
今日は礼の中の「座礼」について話した。
次回は「立礼」について、話てみようかのう。
剣道とは、自己表現の手段じゃ。
座礼もうまくできないと、表現不足になってしまうんじゃな。
これも稽古、修行じゃよ。
では、また