77歳道場師範が語る剣の道
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ご挨拶が何となく苦手な君へ・・・立礼

久しぶりじゃのう。

元気だったかな?

この次期は梅雨といって、剣道するにはちと、都合が悪い時期だが、みんな頑張っておる。

なんで都合が悪いかというと、防具が乾きにくいんだよ。

その代わり暑いから、汗はもっとかく。

でも、これも修行じゃ。

文句は言えん。


77歳道場師範が語る剣の道

最近、挨拶がうまく出来ない子どもが多いなぁ。

前回は礼の中でも丁寧な「座礼」について話した。

今回は、一般的な「立礼」を話そう。

みんなお父さんお母さんに、朝起きてから何て言うかな?

そうだね「おはようございます」だね。

その時は、お互いに立って言うことが多いかな??

「立礼」はそんな時の礼のしかたを言うんじゃ。


体の腰から首の後ろを意識して、背筋を伸ばしたまま前に傾けるんじゃよ。

あごだけ出したり、頭だけ下げてはいけん。

きちんと腰からその姿勢を表現するんじゃ。


そして、立礼には三種類あるんじゃ。

会釈・敬礼・最敬礼の三つじゃ。


会釈は、約15度の傾き。

試合お稽古のときに、相手から目を離さない状態でする礼のことじゃ。


敬礼は約30度の傾き。

道場への出入りの時の礼じゃな。


最敬礼は約45度の傾き。

相手に対して、最も敬意を表す礼の形じゃ。


ところで、余談だが、道場に礼をする時はどこでするかわかるかな?

敷居をまたぐ前に道場に礼をして入る。

敷居をまたぐ前に道場に礼をして出る。

これは細かいことじゃが、気を付けないといい加減でも出来ているように感じてしまう。

間違えると、全く出来ていない事になってしまう。


覚え方は・・


何かをする前に礼をするということじゃな。つまり、

道場に入る前に礼をして、道場る出る前に礼をするんじゃ。


日常のことでも、このように「何かをする前に」を気をつけると、

うまく出来たりするんじゃよ。



礼だけでもいろいろあるね。

適当にやってはいかん。

かえって、お相手に失礼になる。

お相手にも伝わる礼をちゃんとしなければいかんな。







いきなりだが、剣道では、 「礼に始まり、礼に終わる」 と言うのじゃ。

それくらい、剣道では礼は大事なんじゃよ。


剣道だけでなく、毎日の生活でも一日何回も礼をする。

でも、最近は礼のしかたも知らない人が多いから、困ったことになる。

知っていてやらないのも良くないが、知らないから出来ないでは、全く話にならん。


今日は、礼の基本の一つ、「座礼」について話そうかのぅ。


77歳道場師範が語る剣の道
(わしの道場と、わしの防具じゃ。。)


道場での稽古の始めと終わりは、座礼をするのじゃ。


座礼は、

1.

まず、相手の目を見て、相手と同時に左手、右手の順番で両手をつくんじゃ。

両腕で正三角形の二辺を作るイメージじゃな。


(余談)

なぜ、左手を先につくかわかるかな?

その昔、お侍さんは刀を腰に差す時は、左腰に差したんじゃ。

座る時も、お侍さんは刀を左手のそばに置いたんじゃ。

相手の目を見て、相手に少しでも自分に掛かってくる気配があれば、右手で刀をぬくんじゃよ。

その為に、右手を最後まで自由にしておくんじゃ。

また、初めての相手と礼(座礼)をする時も、深く頭は下げない。

相手の気配を常に感じながら、頭を下げるんじゃよ。

体で一番大事な頭をさげるんだから、このくらいの注意が必要じゃ。

逆に、上座(神前)に礼をする時、逆に両手を一緒につくんじゃ。

それも、少し深く頭を下げるんじゃな。

これは、相手(上座)に対して、「私は、全く疑いも警戒もしていません」という心の現れなんじゃ。

(モトイ、余談が長くのうてしもうた。)


2.

この後、両手の手の甲と額を近づけのだが、頭を下げすぎてもいけない。

おしりも上がらないように、背筋が水平になるのを意識して、約3秒間続けるんじゃ。


3.

頭を上げる時には、両手をついたまま、両手が伸びきるまで頭をあげるんじゃ。

その後、目上の人が完全に頭をあげてから、自分も頭をあげるんじゃ。

そして、両手を膝の上に置くんじゃ。


目上の人よりも先に頭を上げない、これも大事なポイントじゃ。


剣道でも師の位が先に動き、弟子はその後に続き動作を起こす。

とても細かいことじゃが、ここに剣道の精神があるんじゃよ。

礼儀の作法も細かく学ぼうとすると、難しいんじゃよ。


ひとつ一つを丁寧にすると、そのうちにいろいろな点が結ばれて、一つの大きな人間になるんじゃなぁ。

子ども達には、この一つひとつをしっかり学んでほしいものじゃ。

今日は礼の中の「座礼」について話した。

次回は「立礼」について、話てみようかのう。



剣道とは、自己表現の手段じゃ。

座礼もうまくできないと、表現不足になってしまうんじゃな。

これも稽古、修行じゃよ。

ペタしてね


では、また