イマキュレー・イリバギザ著『生かされて』 | 大西祐介のブログ

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1994年、ルワンダ。

貴族階級ツチ族に対するフツ族による100日間で100万人のホロコーストが行われた。映画『ホテル ルワンダ』でも描写される大虐殺を奇跡的に生き延びたイマキュレーの回想録。

一女子大学生に過ぎない著者が如何に過酷な状況を生き延びたかの要諦は偏に神への信仰に存するという。信仰は虐殺の被害者の中にもあったのではないかと問う方もいるだろう。確かに、神を愛することは誰しもできる。しかし、イマキュレーは無慈悲な状況そのものをも愛し、自分以外の家族を虐殺した加害者たるフツ族をも赦すことで、そこに初めてキリストからのご加護を確信することができたという。実際に彼女は、ありえない程の凄惨な運命を信仰の力で切り拓いたのだ。

平凡な日常に埋没し、日々の雑多な出来事にすら不満を申し立てる我々にこそ、実は、信仰が剥奪された神から遠い憐憫を感じ取るべきかも知れない。

この著に感謝。