彼は子供ができない人。


できる可能性があったとしても限りなく低い人。


彼がソレを知ったのは、入院した時。

ずっと気になっていたらしい。妊娠しないこと。

周りはできたかもって大騒ぎする事が多い中

彼はいろんな彼女と付き合っても

一度もそんな危機も不安も訪れなかった。

ずっと心にソレが引っかかってて、入院した時

ついでに検査をしてもらった結果、知ったらしい。


私は付き合って最初のほうでそれを告白された。


ショックはなかった。

私にはもう子供がいたし、もう欲しくなかったし

正直な話、初めての子供が障害をもって生まれて

もう一人産める勇気は私にはなかった。

また障害だったら・・・?そう思うと怖かった。

ショックとかそんなことより、あの時は嫉妬してた。

不妊かもって悩むような状況の彼女が居たこと。

だって悩むには、避妊なしでエッチする相手がいる。

子供が出来るって事を考える相手がいたって事。

そういう彼の過去に、嫉妬するだけだった。


でも、彼と付き合って1年少したった今、子供が欲しい。


彼と身体を重ねて、肌を合わせて

毎月かわらず訪れる生理に肩を降ろす私が居る。

安堵じゃなく、残念で。

あー、また、きちゃったなって、そう思う。

子供が出来てもやっていけないことも

二人が絶対幸せになれないこともしってるけど

女の本能なんだろうね。好きな人の子供が欲しいのは。


この前の長電話の時、私はいってしまった。

親孝行がしたいんだって彼があんまり言うから

孫を抱かせるのが手っ取り早いんじゃない?って。

私みたいなのじゃなくて、普通の女性と結婚して

可愛い孫を抱かせて貰うのがご両親の希望だったから。

つい、いじけてそういってしまった。

彼の気持ちも考えずに。


世間的に考えたら、ソレが一番いい親孝行なんだろう。

でもさ、君じゃなくて、普通の女性と結婚したとしても

俺には子供が出来ないんだよ。

それを両親は知らない。

知らないから、出来なかったら、女性が責められる。

そういうことがさ、ずっと気に掛かってたんだよ。


そんな彼の言葉を聴いてその時初めて思い出した。

ああ、子供が出来ない体だったんだって。

可能性は0じゃないかもしれない。

でも、彼に言われてる可能性は、限りなく0にちかい。


最近は気にしてないんだよ。

自分が子供できない体ってことも負い目じゃない。

俺は君と結婚したら自然に息子できるしね。


この前、私が妊娠したかもしれないってなった時

彼はどんな気持ちでいたんだろう。

できないって知っているけど

でももし出来てたら?って考えたんだろうか。

なんかとても申し訳なく感じた。


あの時彼はいってくれた。


子供が出来てたら、すぐ結婚して家族になろう。

子供が出来ていなかったら

あせらずに、もう少し二人で仲良くしてよう。

どっちの道に繋がっても、俺たちは変わらないよ。


そういってくれた彼の気持ちを今考える。

辛かったのは、私だけじゃなかったね。

同じように、一緒に辛かったんだよね。


いろんな事を一人で苦しんで耐えてるつもりだけど

私が私なりに悩み苦しむように

彼も彼なりに悩み苦しんでいることを

ちゃんときづいてあげれる人間になりたいな。