この乱世を生き抜くために、家族と人との和を大切にしよう No.381 1月9日発

　コロナのパンデミックと気象異常、それに戦争勃発で不安な日々が続いています。しかし、わが国では、同じようなことが800年前にも起こっていたのです。その頃の記録は、乱世に生きた鴨長明の随筆『方丈記』に残されています。

　彼は、1155年に生まれ、平安末期から鎌倉初期を生き抜きました。

　当時は、中世温暖期で、異常気象が地球を覆い、わが国でも高温、乾燥の気候により「養和の大飢饉」と言われる食料難に襲われ、4万人以上の人が命を失いました。

　また、平家と源氏の「治承・寿永の乱」という戦いが続きました。

　その世相は、現代によく似ています。

　彼が、その世を憂い3m四方の方丈の間に閉じこもり、62歳で生涯を閉じるまで書き綴ったのが『方丈記』です。その一文は、令和に生きる我々にも警鐘を鳴らし、読む者の胸を打ちます。

「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」

＊この乱世を生き抜くために、今こそ和平の大切さを学ぼう

「平和」と「和平」は、表裏一体の言葉です。今はまさに戦争と核兵器の恐怖、食料難、そして天変地異への怖れなど、平安末期と同じです。

　しかし、この平和という人類にとって最も大切な文字の意味を、その語源から学び

直す必要がありそうです。

「平」という字は、川の流れと水草を表しています。自然の摂理に従って水章のように、川の流れに逆らわずに生きる。

「和」という文字は、米、麦、粟などの穀物を表します。生命を維持する食料を、みんなで分け合って生きる。

　この「平和」という文字を現代に生きる我々は噛みしめて、家族、社会のため、さらには医療のために、生かしていかなければならないと思います。

「病院にかかるお金がありません！最もかしこい医療費捻出の裏ワザ（幻冬舎）」

本の一部より