①家賃の負担は、年齢と共に大きくなる

　首都圏では、8万以下の家賃で健康的、文化的な住宅に住むことは、かなり困難です。

　地方へ行くと家賃には、かなり格差がありますが、反面収入が大都市で働くより低くなりがちですから、地方に住むのは痛し痒しというところではないかと思います。

②老後の生活の安定は、家賃の支払いにかかってくる

　家賃は、出来るだけ安いに越したことはありません。

　しかし、それも限度がありますから、やはり住宅は自己所有して、家賃を一切払わないのが理想だといえるかもしれません。

　次の例は実際に、ある老夫婦が考えた将来の生活プランです。

③65歳を目前にして、Aさん夫婦は賃貸マンション付きの住宅を建設

　Aさん夫婦の月の収入は

　　夫、23万円の厚生年金（役員待遇であったため若干高額）

　　妻、13万円（子育て期間、かなり休職していたこともあり、年金は少ない）

　それでも二人合わせると36万とかなりの額でした。

　しかし、万が一、夫が先に死亡した場合の妻の受け取り年金額は、先述した計算の通り次のようになります。

｛（230,000－65,000）×50％｝＋｛（130,000－65,000）×50％｝＋65,000＝180,000

④1/2に減少する年金受給額に夫婦は愕然

　月18万円の収入では妻が独りで家賃を払って余生を送るのは、容易なことではないことがわかった。

　約8万の家賃を払うと、残された妻は残り10万円でインフラ料金や食費、日用雑貨費などの工面をしなければならない。

　これでは、歳を重ねる度に経済的な圧迫で息が詰まりそうになります。

　そこで二人は、都心から離れた所に土地を求め、退職金や預金をはたいて家を新築しました。

　そして、2階には独身の若い人が安い賃料で住めるようなワンルームマンションを4つほど造りました。

　これだけの財産があれば、何とか生きていける、と夫は考えました。

　これは一つの生き方です。

　十分に考えるべき人生の設計プランだと考えられます。

　とにかくわが国では、賃料が老後の最大の負担になることを知っておきましょう。

今の日本では家さえあれば生きられる 賃料が老後の最大の負担になる No.340 9月27日発

今の日本では家さえあれば生きられる賃料が老後の最大の負担になる No.340 9月27日発