今日 ゆきが降り始めたのは何故
目覚めた時 時計の長い針が丁度の位置にいたのは何故
去年は降らなかったゆき
今日が終われば長く見ることができないゆき
それでもゆきが誰よりも好き
僕にとって貴重なゆき
僕にとってその日は大切な日
ゆきが降ると
何かが生まれる瞬間を感じる
僕の見つめる大気に
今という瞬間に
奥行きを感じる
これがどれほど大切な事なのか
どれだけの人が理解するだろうか
全てが輝きに覆われ
空から
宇宙から
無数の光が降ってくる
降ってくる光に触れれば
凄い速さで体の中へと消えてしまう
まるできせきみたいに空から光が降り積もる
まるできせきみたいに光が無防備なその姿をさらしている
まるできせきみたいに音も立てずに光が形になり始める
まるできせきみたいに冷たい大気で肺の形がわかる
まるできせきみたいにこの瞬間の広さがわかる
まるできせきみたいに心が広くなっていくのが分かる
僕ら皆んなの共感することの出来る
ささやかなきせき
このことがどれほど大切な事なのか
僕にはまだわからない