読書感想201 むかしむかしあるところに、死体がありました。(ミステリー・小説) | フリスビーの読書感想

フリスビーの読書感想

実際に読んだ本の感想を中心に、ゲームネタ、将棋ネタ、競馬予想などを載せています。

「むかしむかしあるところに、死体がありました。」

(青柳碧人著 双葉文庫)

 

 

昔話とミステリー、イメージ的に一致しないものですが、本書ではそれがうまく融合しました。

前々から興味があり、早速読んでみました。

 

 

今作で登場するお話は

 

・一寸法師

・花咲かじいさん

・鶴の恩返し

・浦島太郎

・桃太郎

 

の5つと、短編集的なかたちです。

元々のお話に近いものや全く違うものまでありますが、そのすべてで誰かが亡くなります。

そのあたりが本来のお話と違い、興味深いところでした。

 

 

本書はミステリーものでもありますが、元は昔話。

そういったこともあり、本来のミステリーものよりもほっこりする雰囲気がありました。

もちろんミステリーなので、ギスギスとした雰囲気は当然ながらありますが。

個人的には

「大人向けの昔話」

という感じに思えました。

一応死者が出るだけに、子供には読ませるのはちょっと…

と言えると思います。

ですが内容としては面白く、非常に興味深かったです。

短編集ということもあり、いずれもトリックは複雑ではありませんが、その点は昔話ということで…

と解釈できます。

中には強引なトリックもありましたから。

 

 

総合的には非常によかったです。

続編もあるようなので、安くなったらぜひ読んでみたい1冊でした。

 

 

最後になりますが今年1年、本当にお世話になりました。

皆様もよいお年をお迎えください。