読書感想113 将棋・名勝負の裏側(将棋・対談集) | フリスビーの読書感想

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「将棋・名勝負の裏側 棋士×棋士対談」

(週刊将棋編 日本将棋連盟)

 

本書では15組の棋士が対談し、将棋に対する考え方や修業時代の話などを載せている1冊となっています。

 

将棋の世界は狭いようですが、意外に奥が深いです。

将棋を始めて結構な歴になりますが、まだまだ知らないことがたくさんありました。

そしてそのあたりは非常に勉強になり、今後に生かしたいとも思いました。

 

その中で最も印象的だったのが、木村一基九段と野月浩貴八段の対談です。

そこで野月八段が

 

首にロープを掛けられたまま将棋を指すのが三段リーグ

まともな神経では戦えない

 

と三段リーグの過酷さを語ったところが、非常に印象に残っています。

 

一部例外はありますが、基本は半年に1回行われる三段リーグで上位2位にならないと、四段には上がれません。

原則、1年間にプロになれるのは4人だけです。

子供の頃からプロ棋士を夢見て、奨励会に入会する。

そして10数年将棋一筋で勉強をするも、四段になれずに強制退会となる人はたくさんいます。

今も昔も変わらず、三段リーグで夢破れ、プロになることができないと悟った瞬間、どんな気持ちになるのか。

僕は三段リーグは未経験なので感想は言えませんが、話を聞いているだけで「恐ろしいところ」という雰囲気は痛感できます。

なお、僕も「プロになることはできない」と認めざるを得ない瞬間には遭遇したことがあり、そのときはやはり複雑な気持ちでした。

ある棋士が

 

若い頃に戻りたいとは思うけど、三段には戻りたくない

 

という話も紹介されており、三段リーグの過酷さを物語っていました。

 

ここで紹介した話は過酷極まりないものでしたが、軽い気持ちで読めるところもたくさん紹介されています。

将棋に対する様々な視点を学ぶことができたので、読んでためになる1冊でした。