県歌から郷土愛を考える 後編 | へんぽこ家族の趣味と日常 ~悠々自適生活~

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アラフォー男の徒然なるブログです。

初期は父親目線の育児日誌と、男の育休体験記(^_^)

復職した現在はやりたい放題、自由に好き勝手書いています♪

今日は
今年の仕事納めでした。


最終週も今日を除いて
地獄の忙しさで残業連発でした。



さて、
今年の仕事は今年のうちに
ということで、

県歌『信濃の国』の
解説および考察も
ついに最終回です。





では、
5番の歌詞を見てみましょう。




【訳】

旭将軍と呼ばれた源義仲も、
仁科の五郎信盛も、
太宰春台先生も、
佐久間象山先生も、
皆、信濃の国の人であり、 
学問武芸に非常に秀でています。

その高名は山のように聳えて
人々が見上げるほどで、
川の流れのように尽きず
忘れ去られることは無いでしょう。



【解説・考察】

『信濃の国』では、
1番で全体の地理と自然の豊かさ、
2番で山と川、
3番で産業、
4番で名所
を紹介して来ました。


そして、
5番では信州に縁のある
偉人を紹介しています。


旭将軍(朝日将軍)とは、
源平合戦で活躍した源義仲
(みなもとの・よしなか)のこと。

木曽で育って挙兵したことから、
木曽義仲(きそ・よしなか)と
呼ばれることもあります。


仁科の五郎信盛とは、
甲斐の虎こと武田信玄(武田晴信)の
五男であり、
安曇野の仁科家を継承した
武将です。 


つまり、
武田四郎勝頼の
異母弟になります。


?
そんなに有名じゃない!?

僕もこの記事を
書くにあたって知りましたてへぺろ


しかし、
武田家の勢力拡大に
寄与した人物です。

後年
織田・徳川連合軍の猛攻で
武田側の裏切りや逃亡者が
続出する中、
最後まで高遠城に籠もって
徹底抗戦し、討ち死にしました。


太宰春台は、
南信の飯田出身で、
江戸時代の儒学者、政治・経済学者。
著名な書物を
幾つも残しているそうです。

文豪・太宰治との血縁関係はありません。
(太宰治の本名は津島修治)


佐久間象山は、
松代出身で、
江戸後期の儒学者、兵学者。

江戸に開いた砲術・兵学を教える私塾
『五月塾』には、
勝海舟、吉田松陰、坂本龍馬など
歴史好きでなくても
ほとんどの人が名前を知っている
幕末の英傑達が参加しており、
象山の兵学者としての
優秀さを表していると
言えるでしょう。



では、
ラスト6番


まず歌詞を見てみましょう下矢印




【訳】
「あぁ、我が妻よ!」と
日本武尊(ヤマトタケル)が嘆いた場所
とされる碓氷山。

その碓氷山を26本ものトンネルを作り、
汽車の線路を通して行き来できるように
なったのは夢のようなことです。


その汽車の道のように、
まっすぐ一筋に勉学に励めば
昔の人に劣ることがあるでしょうか?

古来より山河に秀でている国は
偉人を多く生み出して来たのです。


(「だから、我々信州人は一筋に学んで、
昔の人たちに劣らぬ偉人になりましょう!
的なニュアンス)



【解説・考察】

ヤマトタケルは
第12代の景行天皇の皇子で、
古事記にも日本書紀にも
登場する人物ですが、
そのエピソードには
神話的な側面がかなり強く、
実在性には疑問が残る人物です。


モデルとなる人物は実在したとしても
全てのエピソードが事実とするのは
ちょっと無理がある。


そんなヤマトタケルが、
東日本への遠征の帰路に、
碓氷峠にて東征の途中で
亡くなった妻を思い出し
嘆いたというエピソードがあります。

(妻は荒れ狂う海を鎮めるために
自ら生贄となって海に飛び込んだ)


その碓氷峠は、
長野県軽井沢と群馬県横川を
結ぶ中山道の難所。
徒歩で行くには険しい道でした。


道がしんどくて
弱気になったヤマトタケルが
妻を思い出したのかどうかは不明。


明治26年(1893年)、
その軽井沢と横川を結ぶ
鉄道が開通。
(後の1997年に廃線)


まさに夢のようなニュースであり、
『信濃の国』が完成した明治33年には
ホットな話題だったことでしょう。


だからこそ、
そんな汽車の道が如く
一筋に学んで、
これからも信州から
多数の偉人を輩出して
行きましょう!


というメッセージを込めて、
県歌『信濃の国』は
完結しています。



さて、
そんな『信濃の国』の作詞家
浅井洌さんは、
松本藩(現、松本市)出身。


筑摩県
(当ブログ記事『筑摩県を知っていますか?』
でも紹介)
の学校で教諭を務めた後に、
長野県師範学校の教諭になりました。


明治32年に『信濃の国』の作詞を行い、
翌年、同僚の
北村季晴(きたむら・すえはる)さんが
作曲して、『信濃の国』は完成
しています。



歌の解説はここまでですが、
最後に『信濃の国』出身の
現代の有名人を
考えてみましょう。


お笑い芸人だと
藤森慎吾さん(諏訪市)
島田秀平さん(長野市)
もう中学生さん(長野市)
鉄拳さん(大町市) 


歌手だと
King Gnuのツインボーカルの2名
常田大希さんと井口理さん(伊那市)
Reolさん(松本市)
GLIM SPANKYの2人は
飯田市と豊丘村出身


スポーツ選手だと
スケートの小平奈緒さん(茅野市)
スキーの上村愛子さん(白馬村)


声優だと
羽多野渉さん(朝日村)
白井悠介さん(佐久市)


文化人だと
久石譲さん(中野市)
新海誠さん(小海町)


知識人だと
池上彰さん(松本市)
北村晴男さん(千曲市)



などなど
たくさんいると思いますが、
思いつく感じでこんなところでニコニコ


『信濃の国』の作者が込めた
メッセージは信州人に
しっかり伝わったと言えるかも
しれません。



では
『信濃の国』考察を
これにて終わりますウインク