シリーズおくすり小話
第6回は麻黄湯です。
麻黄剤と呼ばれる
漢方薬の代表。
(ちなみに葛根湯も
麻黄剤です)
なんか強そうですが、
魔王湯ではありません。
風邪(感冒症状)に
用いられる漢方薬は
たくさんありますが、
その中で最強の薬。
なんと医療用は
インフルエンザにも効果があると
記載されています。
(一般用でも効果は期待
できますが、ルール上
「インフルエンザに効く」
とは書けません)
これは、
インフルエンザ治療に用いられる
ノイラミニダーゼ阻害薬
(タミフルとかイナビルなど)
と効果を比較した試験を行い、
同等の効果があったので、
堂々と効能として書けるのです。
これほどまでに
強力な麻黄湯ですが、
人を選ぶ薬です。
基本的に
体力が充実した方向けの薬です。
どんな人がいいか
具体的にイメージ
丸一日遊んでも、
仕事が忙しくても、
寝ればすっきりし、
疲れを翌日に持ち越さないタイプ。
大人になってから
インフルエンザになったことが無い。
子どものときもあったっけ
というくらい。
そんな人が
急な頭痛と寒気、
体の節々も痛く、
おでこを触ると熱い。
熱はもっと上がってきそうな
感覚がある
こんな人には
ほぼ確実に効きます。
体の中で
増え始めたウイルスを
両手持ちの大剣で
ぶった斬るような薬です。
(大剣を振るうのは自分自身)
他にも
気管支炎、
腰痛、
間接リウマチの痛み、
などに効果があります。
しかし、
間接リウマチの痛みに
単独で対処するには
ちょっとしんどい気がします。
風邪の引き始めにこそ
この薬の真のポテンシャルが
発揮できるのでは
ないかと思います
【配合生薬】
麻黄(マオウ)
桂皮(ケイヒ)
杏仁(キョウニン)
甘草(カンゾウ)
漢方薬は
食前か食間に白湯か
冷たくない水で飲むのが
おすすめです