恋に焦がれて沼に落ちる | へんぽこ家族の趣味と日常 ~悠々自適生活~

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アラフォー男の徒然なるブログです。

初期は父親目線の育児日誌と、男の育休体験記(^_^)

復職した現在はやりたい放題、自由に好き勝手書いています♪

令和一発目の
へんぽこ昔話談義。


今回は
日本五大昔話の一つ
『かちかち山』
を取り上げたいと
思います。


ちなみに
五大昔話の残り4つは
『桃から出たそなた』(桃太郎)
『振り返れば臼がいる』(猿かに合戦)
『花咲かせの爺たちへ』(花咲か爺)
『舌切り雀』
です。


現代の『かちかち山』
では、
タヌキの極悪非道ぶりが
オブラートに包まれている
ことが多くあります。


もともとは、
タヌキは自分を
見逃してくれようとした
お婆さんを撲殺し、
『婆汁』を作って
お爺さんに食べさせています。


鬼畜です。
犯罪係数オーバー700です。


絵本などでは
『婆汁』はたいていカットで、
(婆汁版はR-15指定だとか)
下手するとお婆さんを
殴ってケガさせただけ
とかになっています。


これでは
ウサギの敵討ちが
過剰報復にすら
映ります。


でも本来のタヌキの悪行を
考えたら、
まったく過剰報復とは
思えません。





しかし、
このタヌキ。

腐れ外道のわりに
ウサギにはずいぶん簡単に
騙されていると
思いませんか?


作家の太宰治は
この点に注目して、

ウサギを美少女、
タヌキはそんな美少女に
恋した中年男として
物語を再構築しています。


恋は盲目というわけです。


この観点は
僕も実に納得できます。



でも、
そこいらの美少女に
リスクを犯して
敵討ちをする理由は
ありますかね?


そこで
僕はこう考えます。


タヌキは山で一人暮らす
山賊くずれのならず者。

ウサギはお爺さんとお婆さんの
娘で、若く美しい美女。


ウサ子は
両親が高齢になって生まれた子で、
とても大切に育てられました。


実の母親を惨殺されて、
黙っているなどできません。


ウサ子はタヌ吉と面識が
無かったため、
タヌ吉に気がある振りを
してタヌ吉に近付きました。


ウサ子にメロメロになった
タヌ吉は警戒心が弛み、
単純な嘘に引っ掛かって
しまったというわけです。



ところで
ウサギの報復は、

背中に火を付ける
薬と偽り唐辛子を
火傷に塗り込む
泥船に乗せて沈める

と続きます。


これは、
恋に身を焦がす
恋の病は薬では治らない
恋に溺れる

ということの
比喩になっているわけです。


悪事を尽くし、
恋に溺れたタヌ吉は
地獄行きでしょうか。


婆さんはもう戻りませんが、
ショックから回復した爺さんが
ウサ子と仲良く暮らしたことを
祈りましょう。


では次回。