ある夕暮れ、あり得ない程昭和な下町に分け入った。

色々な店と住宅と渾然一体、そして喧騒。アジアの裏町のようでもあり、気持ちは浮遊した。


その時、ヨーヨー・マのチェロ曲が一寸聞こえた。


私の耳は24時間耳鳴りがしているから空耳だったのか?

もう少し聞きたいと振りむけど後戻りしても、再びの喧騒にかき消され夕暮れは加速して行く

街も ヨーヨー・マも全部幻??

私には珍しく写真を撮っていない。


016ー縮

首すぢの縮緬皺に春の陽が陰影深め手鏡のなか


017ー詣

葉桜の参道奥に垂る藤 詣でる社は四季の花あり


018ースイッチ
春去りて初夏のスイッチ入るころ欅若葉は浅黃に点り

019ー午
吾子ふたり父となりたる今もなお端午に祈る武運長久

020ー寸

下町のデープな路地の夕暮れに一寸と聞こえたバッハチェロ曲

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