十人程で執り行った息子の葬儀には皆、濃紺やグレーの

服装で参列しました。

 

私の母が「孫(息子の名前)の葬儀に黒い服は着たくない」と

言ったからです。

 

何事につけ古くからのしきたりを重んじてきた母から

「喪服は着たくない」という言葉を聞くとは思っても

みなかったのでとても驚きました

 

思えば、息子は母にとってたった一人の孫です。

 

幼稚園に通っているころは夏休みのあいだずっと

実家に泊まっていた息子。

 

小学校に入ってからも母にはずいぶん面倒を見て

もらいました。

 

一緒に住んではいなかったものの、息子の成長を近くで

ずっと見守っていてくれた母。

 

息子が亡くなってからも、母とは自然に息子のことを話すことができましたし、よく母だけが知っている幼いころの息子との思い出話を聞かせてくれたのです。

 

おばあちゃんと孫の温かいやりとりが伝わってきて、二人の笑顔が目に浮かぶようでした。

 

あるとき、孫(息子の名前)の面倒を見るのは大変じゃ

なかった?と聞いてみたことがあります。

 

「一度も大変だと思ったことはなかったよ」というのが母の答えでした。

 

時が過ぎてからは、遠くを見るような目で噛み締めるように「(息子の名前)二十三年間、楽しませてもらったよ」と。

 

そんな母の言葉に、ありがたさを覚えると同時にとても申し訳ない気持ちにもなったのを覚えています。

まだ、息子を死に導いてしまったのは私だと思っていたころでしたから。

 

一昨年、母は一ヶ月たらず入院した後に他界しました。

 

コロナの影響で入院中に面会ができなかったのは心残りでしたが、母ののぞみ通り身内だけで静かに見送ることができました。

 

寂しかったけれど「ありがとう。お疲れ様でした。」と言うことができましたし、最後まで娘の私を気づかってくれていたことに感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

あれから二年、今になって母の言葉一つ一つを思い返しています。

 

そしてあのときは聞けなかった「喪服は着たくない」と

言った言葉の本当の気持ちを聞いてみたい、そう思ってしまうのです。

 

 

 

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「自死遺族の集い 夕なぎ」2024年の予定

 

開催日:     2024年6月16日 (日)※第3日曜日

PM:         12:30~2:30

 

場所:        パレット柏  ミーティングルーム A

              (Day Oneタワー3階)

                JR柏駅南口より3分

 

対象の方:   自死でお子さんを喪った方

 

参加方法:   予約不要です。

            お気持ちが向いたら直接ご参加ください。

 

会費:         300円(会場費・お菓子代)

       (お飲み物は各自ご持参ください)

 

8月の予定

2024年8月18日(日)ミーティングルーム A

※8月も3週目の日曜日になります。

 

(今のところ隔月としておりますが、皆さんの意向に従い変更になることがあります)

 

 

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