人の疎らな学校近くの公園。

 

 

走りに走って、少し落ち着いた私は、

 

 

ブランコに力なく腰を下ろす。

 

 

とんでもない疲労感と

 

 

共に押し寄せるのは罪悪感というやつで、

 

 

彼女を突き放してしまったこと、

 

 

彼女のあの心配そうな表情が

 

 

何度振り払おうとしても頭から消えてはくれない。

 

 

そんな複雑な感情が私の中で混ざり合う。

 

 

彼女はただ私を守ろうとしていただけなのに

 

 

大人になりきれない自分がひょっこりと顔を出したりして、、、

 

 

物事をサッと割り切れる、

 

 

聞き分けの良い性格だったならどんなに良かっただろうか、

 

 

そう思うには思うけれど

 

 

だけどどうしたってこれだけは譲れない

 

 

だって、、、

 

 

ゆ「だってなぁちゃんは、、

 

あんなに素敵な人だもん」

 

 

な「ありがとう、ゆうちゃん」

 

 

そして振り向く、優しいあの声がした方へと。

 

 

ゆ「な、なぁちゃん?、、、」

 

 

予想に反して彼女の顔はすごく穏やかで

 

 

あぁ、これはたぶん

 

 

全部を受け入れようって、腹を決めた

 

 

私が大好きな表情であって

 

 

たった一週間の間なのに

 

 

好きな表情も、嫌いな表情も

 

 

見つけてしまうくらいになぁちゃんを見てたから、

 

 

分かるよ、もう逃げないって顔してることくらい。

 

 

な「ゆうちゃん、、まずは傷つけてごめんね」

 

 

私の目の前にゆっくりとしゃがみこんで、

 

 

しっかりと捕まえられる彼女の瞳で。

 

 

膝に置いた手をギュッと包んでくれた時、

 

 

感じる熱いくらいの彼女の体温が手から伝わって、

 

 

おかしくなりそうだった。

 

 

ゆ「ううん、私の方こそごめん、、、」

 

 

な「いや、全然

 

ゆうちゃんは私を守ってくれた

 

なのに私はゆうちゃんを守れなくて、

 

私が臆病なだけなのに

 

ゆうちゃんを傷つけた、ごめんなさい」

 

 

謝ってくれてるこの状況に

 

 

不釣り合いな私の心臓。

 

 

な「茂木さんに言われたの

 

全員に好かれることは無理だって」

 

 

私の手を握る手が強くなる。

 

 

一度俯いて、私を見る。

 

 

な「だから色んな人に好かれる人間にはなれないけど

 

もしかしたら嫌われることだってあるかもしれないけど

 

ゆうちゃんには嫌われたくない

 

ほんとは好かれてたいんです」

 

 

瞬きさえも遅く感じるような

 

 

彼女の言葉が余すことなく私の耳に入ってくる

 

 

それは昼下がりの公園。

 

 

私たちを包む甘酸っぱい青春の風が

 

 

私の頬を伝い、彼女の芳香と共に私の鼻腔を掠める。

 

 

ゆ「私もなぁちゃんに嫌われたくないよ、、

 

好かれてたいよ、、」

 

 

な「絶対もう傷つけたりしないから、

 

逃げたりしないから

 

だから私の友達になってください」

 

 

そう言った彼女に溢してしまいそうになる。

 

 

透き通った目に気づかれてるんじゃないかって

 

 

怖くなる。

 

 

実際は好かれてたいなんて生ぬるいものじゅなくて、

 

 

私の好きを愛してほしいこと。

 

 

嫌われたくないんじゃなくて、

 

 

嫌われたとして離れられないこと。

 

 

それは少しだけ切ない、

 

 

涙と共に愛情を落とした友人との会話。