どうしよう、、、

 

 

私が1人で買い出しになんて行かせたばかりに、、

 

 

どうしよう、、

 

 

あの時、私が海外に飛び立つ彼女を止めたばかりに、、

 

 

膝立ちのまま、私はその場から動けずにいる。

 

 

そんな折、

 

 

も「なぁちゃん!!」

 

 

お「大丈夫!?」

 

 

絶望の海の中を溺れる私を

 

 

既の所で引き上げてくれたのは、

 

 

茂木さん達の叫び声で、

 

 

おんちゃんに支えられて

 

 

立ち上がった私を見た茂木さんは

 

 

も「こりゃただ事じゃねぇって感じだな」

 

 

と冷静に私の顔を見ていた。

 

 

も「何があったか話してみな」

 

 

もう喋る気力もないに等しい私に

 

 

周りの状況からほとんど察しているであろう彼女は

 

 

も「しっかりしろ!!、、

 

1秒でも早くゆいりちゃん助けなくちゃだろ」

 

 

私の背中を一度思いっきり叩いて、

 

 

きっと一般人であればその一撃でお陀仏であろう

 

 

茂木さんの喝を受け止め、

 

 

私はようやく気をしっかり取り戻す。

 

 

な「追いかけてきた時にはもう居なくて、、」

 

 

も「なるほどね、、まぁ幸い、

 

攫われてから長い時間経ったわけでもない

 

ここら辺にまだ潜んでるかもってのが有力だな」

 

 

な「はい、見る限り、

 

買い出しを終えた後に攫われた様子なので

 

家を出て20分位の時かと」

 

 

お「それだけ分かれば充分でしょ。

 

茂木さんはここら一帯の監視カメラハッキングして

 

私は一応、神7に収集かけとくから

 

なぁは、、、」

 

 

な「...」

 

 

も「なぁ、ちゃん?」

 

 

な「多分、難波組だよ」

 

 

も「え?」

 

 

な「ゆうちゃんの実家と難波組は古くからの繋がりで

 

表で金を稼ぐ代わりに

 

裏の汚れ仕事は全部ヤクザに投げる

 

村山家としては全部揉み消せるし、

 

難波組はいいお小遣いって感じで」

 

 

お「あぁ、そうだった、死角だわ」

 

 

も「えぇ、そんなことあったっけ?」

 

 

な「ゆうちゃんの旦那さん暗殺依頼がきた時、

 

そこら辺の情報、送られてきてましたよ」

 

 

茂木さんが呼んでないのが悪いんでしょ?

 

 

なんておんちゃんにどやされ、

 

 

小さくなっている茂木さんを呼ぶ。

 

 

いつもの声とは違う私のそれに

 

 

茂木さんは一瞬でスイッチを切り替え

 

 

な「行きましょうか」

 

 

も「久しぶりに腕がなるな」

 

 

おんちゃんはその状況を察して、

 

 

もうほんと呆れた、と全身で言うようにため息をつくけれど、

 

 

数分すれば、移動用バンを

 

 

私たちの目の前に用意してしまうのだからすごいもの。

 

 

も「死ぬなよ」

 

 

な「まさか私が死ぬとでも?」

 

 

も「いや、ただの冷やかし」

 

 

お「2人とも暴れ過ぎないでよ?」

 

 

相棒と社長の莫大な信頼を感じながら、

 

 

『うちの姫は誰にも渡しはしない』

 

 

私は黒いバンに乗り込んだ。