ベットから起き上がり、何か食べようと冷蔵庫の中を見るも何も入っていなかった


ちょうど雨が上がり
少し気分転換をしようと、家から少し離れたコンビニに向かう

『はぁ…』

コンビニからの帰り道、また空が暗くなり始めたと思えばポツポツ雨が降り始めた。

天気予報ではもう降らない予定だったのに…

走って家に向かう気力もなく、トボトボ下を向いて歩く

『寒、…』

冷たい雨に冷たい風が体にあたる

「あの、大丈夫ですか?」

『あ、はい、大丈夫なので気にしないでください』

「え、なぁちゃん…?」

さっきまで下を向いていて気づかなかったが顔を上げるとそこには傘を持ったゆうちゃんがいた

「今日もう雨降らない予定だったのにね、
ゆうの家ここからすぐだから行こ」

『え、でも…』  

「ほら、いいから、早く」

ゆうちゃんに言われるがまま3分ぐらい歩くとゆうちゃんの家に着いた

『おじゃま、します…』

「どうぞ〜」

綺麗に整頓されていて、ソファーにはベイマックスとスティッチがいる

「はい!これ、着替え
えーっと、タオルとかドライヤーは左側の棚にあるから」

着替えを渡され、「早くシャワー浴びて来て」と背中を押される


『あ、ゆうちゃんまだこのシャンプー使ってるんだ』

前と変わらないシャンプーを見て少し嬉しくなる

急いでシャワーを浴びてゆうちゃんのところに行くと「なぁちゃん、コーヒー飲む?
それとも、ハーブティー?」

『あ、ゆうちゃんと同じものでいいですよ』

「わかった!
あ、好きなとこ座ってて〜」

『はい、』

少しするとゆうちゃんが両手にマグカップを持って隣に座る

『すいません、コーヒーまで…』

「んーん、全然!
むしろ、会えて良かった」

マグカップを両手で持ってフーフーしながら熱そうに少しづつコーヒーを飲んでいる


前と変わらない…。
付き合っている時もこうして隣でコーヒーを飲んだ

「ん?何?」

『あ、いや、なんでもないですよ』

「ふーん、そっか」

少し沈黙の時間が続きゆうちゃんが口を開く

「ねぇ、なぁちゃん
最近彼氏さんとはどうなの?」

『…え?』

「この前、おんちゃんから聞いてさ
今度結婚するんでしょ?」

『1ヶ月前に別れましたよ』

「え?」

『フラれました…笑』

「そう、なんだ
ごめんね…」

『なんで、ゆうちゃんが謝るんですか?
それに、フラれる原因は私にあるので…』

「そうなの?」

『はい、彼のことが本当に好きなのか分からなくなってしまって、なんで結婚するのかもわかんなくなって…
きっと、それが態度とか表情に出ていたんでしょうね…』

「そうなんだね…、
でも、好きか分からない人と結婚しても
結果は今と同じだったんじゃないかな?」

『そうなんですかね…?』

「そうだよ!
それに、無理に今結婚とかしなくてもいいんじゃない?」

『ダメなんです!
今すぐにしないと…』

急に声を荒らげた私に、ゆうちゃんは驚いた

「なんで?
なんで、そんなに急ぐの?」

『ゆうちゃんを、…早く忘れないといけないからですよ…』

なぁちゃんは悲しそうな目で私を見つめる

「私を忘れたいの?」

『はい…、』

「なんで?
なぁちゃんにとって私との思い出は嫌な思い出なの…?」

『違います、
これ以上はないってくらい幸せでした』

「じゃa…」

『でも、苦しいんです…
何をしててもゆうちゃんが頭の中に出てきて、全てゆうちゃんと比べちゃうんです』

「…、」

『すいません、私もう帰りますね…
着替えたいので、洗面所借ります』

「…、」

なぁちゃんは、雨に濡れた服に着替えて家を出て行った。





             
                                                             to be continued