世の中の人の心は花染めのうつろひやすき色にぞありける
古今和歌集 巻十五 恋歌五 795
古今和歌集 巻十五 恋歌五 795
~ 題知らず
~ 詠み人知らず
句切れ・・・ 句切れなし。
世の中・・・ 「よ-の-なか」【名詞】
① 人の一生。
② 現世。この世。
③ 世間。社会。
④~⑩ その他
人・・・この歌では、男性とみる。
( 恋歌五が女性の嘆きを詠む歌が多いことから、男性とみる )
花染め・・・ つゆ草の花の汁を用いて染めること。また、それで染めた衣。
( 色が褪めやすいことから、移ろいやすいことにも例える )
うつろい・・・ 「うつろ-ふ」移ろふ
① (色が) 褪せる。褪める。なくなる。
② 心変わりする。心移りする。
③~⑦ その他
にぞ~ありける・・・ 【連語】
変化すると、「に-ざり-ける」
・ ~であったのだなあ。
・ そのことに初めて気付いたという「詠嘆」を表す。
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2021年6月14日投稿、【 (紅の) はつ花染め 】
紅の 初花染めの 色深く 思ひし心 我忘れめや
読み・・・ くれなゐ(い)の はつはなそ(ぞ)めの いろふかく おもひ(い)しこころ われわすれめや
簡単現代語訳・・・ 紅花の初花で染めた布は色が深く濃いように、あなたを深く思い始めた時の(恋ひ)心を私が忘れることが出来るでしょうか・・・いいえ、忘れることなど出来ません。