君待つとわが恋ひをればわが屋戸の簾動かし秋の風吹く
額田王 (ぬかたのおほきみ) の近江天皇 (あふみすめらめみこと) を思 (しの) ひて作れる歌一首。
( 額田王が天智天皇を恋慕って作った歌一首 )
【 原文 】君待登 我戀居者 我屋戸之 簾動之 秋風吹
読み・・・ きみまつと わがこひ(い)をれば わがやどの すだれうごかし あきのかぜふく
簡単現代語訳・・・ 貴方を待って、わたしくしが恋しく思っていますと、家の戸口の簾を動かし秋の風が吹いて(揺れて)います。
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やーど ・・・屋戸、宿
① 家、家屋。
② 戸。戸口。入り口。万葉集 488、「君待つとわが恋ひをれば・・・」→ こちらの意味。
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額田王・・・ ( ぬかたのおほ(お)きみ )
* 生 年・・・ 637年 頃
* 死没年・・・ 690年 頃
* 父・・・ 鏡王 ( かがみのおう )
* 母・・・ 不明
* 飛鳥時代、女流歌人。
* 「万葉集第一期」
* 初めに、大海人皇子(おおあまのおうじ) (天武天皇) の妻となり、十市皇女が生まれた。
その後、大海人皇子 (天武天皇) の兄である、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ) (天智天皇) の寵愛を受けたとされるが確証はない。
「万葉集」に収められた歌2首が、証拠というが果たして・・・?
・ 茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る(巻1、20 → 額田王)
・ 紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも(巻1、21 → 大海人皇子(天武天皇))
額田王をめぐっての天武天皇と天智天皇の確執が、「 壬申の乱 」(672年) の遠因という説もある。