【泡恋りんご -episode5-】
嘘でしょ……。
あの時、私に告白してきた神崎先輩は緑色のヘッドフォンをしていた。さっきの話しによると私に「付き合ってもいい。」と言ってくれた先輩は…………。
“千春”先輩だった。
私がその事実をしり赤くなりながら固まっていた時、食べ終わった由美は友達に呼ばれ窓のところで喋りながらサッカーをする先輩を見ていた。
さっきの話を想像するとご飯を食べる気もなくなった。箸をしまい、蓋をすると由美のところよりも少し離れた場所で外を見ていた。
先輩たちは、噂通り運動神経がいいみたいで素早く動いていた。そんな先輩たちを見ながらも私が1番に見ていたのは千春先輩だった。
そんな感じで昼休みは終わりを告げるチャイムが鳴った。
チャイムが鳴ると共に先輩たちは各自グラウンドを去ろうとしていた。すると
「遥せーんーぱーいーっ!」
突然、由美が先輩の名を叫んだ。多分、友達に煽られた結果なのだろうか?顔を真っ赤にしながら下を向いていた。
先輩たちもそれに気づいたのだろう。呼ばれた本人は、他の先輩たちに冷やかされながらも照れながら由美に笑顔で手を振っていた。こんなに初々しいような恋人を目の前で見たのは初めてで目をそらしたくなった。
そんな中、誰かからの視線を感じ、目を向けると千春先輩が私を見ていた。視線を向けた瞬間、先輩と目が合った気がして逃げようとした時、由美と同じように叫ぶ声が私を呼び止めた。
「椎名さぁーーーーん!俺は諦めないからーーー!!
」
ーーードキッ
胸が大きく飛び跳ねた。呼ばれたせいなのか、それとも呼ばれた瞬間の皆の視線のせいなのか分からないが顔が熱くなった。いつもは、頬だけが林檎みたいに真っ赤だが今回は、顔全体が真っ赤に染まっていくのが自分でも分かった。
そして、また先輩が叫んだ。
「今日の6時に、あの海で待ってるからーー!!!」
その言葉を先輩が言い終わると同時に授業開始のチャイムが学校に響き渡った。私は、足早にさっき居た窓の外から少し身を出し、先輩に向かって首を縦に振った。先輩は、嬉しそうに笑っていた。そんな先輩をみて、私は急いで席へと戻った。
クラスの女の子たちが私の元へと来ようとした瞬間、先生が来てしまい、結局何も聞かれなかった。
5時限目は数学。相変わらず進むのが早い先生のせいでノートまとめるのに必死だった。でも、今日は少しいつもより集中出来なかった。多分先輩のせいだかな。
さっきのことを思い出すと胸が煩くて、イヤホンで音楽を聴いて聞こえないようにしたくなった。
その後6・7時限続いた。休み時間は、予想していた通り質問攻めにあった。転校生になったような気分だった。"先輩とどんな関係!?"・"どこで知り合ったの!"などなど…。
いつもは、話しかけることさえもしないはずなのに、こういう時だけやって来るんだよね。
まぁ、全部苦笑いしかできなかったけどね笑
「では、これでHR終わります。気をつけて帰れよー。」
そして、あっという間にHRが終わり先生がそう言って教室を出た。クラスのそれぞれは部活へ向かう。
だが、千春先輩のファンはづかづかと話を聞きにやってくる。
その中でも困るのは、千春先輩を好きだと言う女子たち。
廊下の真ん中を歩き、私の目の前で止まった。
その人たちは、睨みながら話しかけてきた。
「ねぇ、あんたさ。どうやって先輩を堕としたの?」
「………。」
「ねぇ?話し聞いてんの?」
「………。」
「おいぶす‼︎どーやって堕としたんだって!」
もーいいや。こういうのが嫌なんだ。
こっちだって、まだ好きかどうかも分かんないのに。
よけて帰ろ。
そう思い、私は目の前にいる女子たちをよけ抜けようとした時。
「おい!ちゃんと答えろよっ…!」
その女子の1人がいきなり私の髪をひっぱって私を止めようとした時。その女子の手をあの人が止めた。
「すごいドロドロした内容だねw椎名さんw」
そう笑いながら話しかけてきたけど
目が笑ってない千春先輩がやってきました。
To be continued…
