2人のコンビネーション…音夜と唯香
ライバルからそして…⑯完
「君達の愛はこのドラマと交差して、そしてその続きだな。ドラマはリングでの誓いの区切りで一度終わるが、君達はこれからだ。羽の生えた気の早いベビーも来てくれたからな」
監督にそう言われて、蓮もキョーコも自分達を祝福してくれる気持ちが嬉しくて、でも少し切なそうに見つめ合った。
「先程は監督が声を掛けて下さったのに走って行ってしまって、申し訳ありませんでした。嬉しい申し出でしたが、キョーコを早めに休ませてやりたいと思いまして…」
その矢先にキョーコが走って行ってしまい、蓮が追い掛け、一番に心配したのはその身体だった。
「そうだろうな」
「ハッキリしてきたのが1ヶ月程前で、キョーコはドラマは最後までと言ってきかなくて、うちの社長に相談し、早めに診察も受けられました。お陰で手帳も先週出してもらえた程なんです」
「この世に生を受ける為の最初の手帳だな」
「はい。しかし俺には、自分自身に起こっていることではないので、逆に落ち着かなくて…」
常に格好いい男の代名詞のように言われている男が、嬉しそうな気恥ずかしくて落ち着かない顔で、愛おしく妻を見つめた。
「頑張り屋のキョーコだから、無理はしないで欲しい。俺からのお願いだ。走って行ってしまった姿を見て焦ったよ。わからないことばかりだけど、『子育て親育て』2人でやっていこう。どこまで手伝えるのかわからないけどね」
「蓮の忙しさはよく分かってます。私の仕事は、社さんにも事務所にもご迷惑をかけることになったけど、何とかお願い出来たみたいで良かった。蓮も無理はしないでね」
最初はセットの中での人前式と思った。キョーコの体調もあるが、今の二人には用意したウェディングドレスも必要ないと分かる。
予想より早く舞い降りてきた天使の祝福で幸せすぎる2人を見守る周りも関係ない。互いの心が誓いを立てて歩き出していた。
「では、敦賀君、そして京子さん。気の早い天使も舞い降りて、2人から3人のこれから幸せになっていく姿を、此処に集まる仲間達と共により祝福を受けんことを祈りゆくであろう。敦賀君、京子さん、そして生まれ来る天使に幸あらんことを…」
イスに腰掛けたまま、2人で手を重ねて監督の祝福を受けた。
周りの仲間達は「おめでとう」と声をあげた。
そんなキョーコの背中を蓮が心配で優しく擦って体調を見ていたが、監督もそんな姿を見ていて、帰りを促した。
「無理をしないで帰って休んだ方が良さそうだな」と、監督は声を掛けた。
「ありがとうございます。収録が終わってホッとしたせいか、キョーコも気のせいでなく疲れが出てきたようなので…」
「うん。その方がいい。しかし、君にしては京子さんしか見えなくなるらしいな…」
いずれ結婚するにしても、仕事に掛かってしまうタイミングの子供は、キョーコの仕事に大きな影響が出てしまう。働くのは蓮1人で充分に養うことは出来るが、キョーコの予定の仕事の何割かは出来ないだろう。
「そうですね。ただ、まだ暫くは仕事を優先にと思って気を付けていたんですが…」
蓮は気恥ずかしくとも嬉しそうだ。
「かと言って授かった命を疎かにする為に…2人でいたいと思っている訳でもありません。予定より少し早めに授かったと思っています。幸いこちらの撮影の後は、キョーコの予定は多少空いていましたし、あとはマネージャーを中心に頑張ってくれました」
「君達の気持ちは決まっているんだね?」
「はい。正直早くて戸惑いました。でも授かった命を素直に嬉しいと思えたら、答えはひとつしかありません」
蓮が仕事よりも1人の人間、そして父親として感じた最初の心の内を言葉にした。キョーコもこのドラマに最後まで出られたことが、嬉しいと同時に安心した。
「本当は、一番にご迷惑をお掛けする事になるかも知れなかった…このドラマに関わる皆さんにお伝えしたかったんですが、逆にご心配を掛けてしまうと思うと、お伝え出来なくて申し訳ありませんでした」
キョーコがイスから立ち上がり、少しだけ頭を上げかけた処で蓮が慌てて止めた。
「キョーコ、ストップ!」
「えっ? あっ…」
蓮が止めるまで、キョーコはいつもなら当たり前のようなお辞儀をしかけたが、蓮の声で慌てて止めた。
「今の君にお辞儀は禁物。それも君の場合は深くするから、後で苦しくなる。お腹を圧迫するしね。頭も大きく下げるとふらつく事があるんだろ?」
蓮がキョーコの両腕を掴んでイスに座らせた。
「はい」
「暫くは、キョーコの身体とお腹の子供と相談しながら無理はしないこと。尤も、それをやろうとするのがキョーコの性格だと思うから、余計に心配なんだけどね」
「……ごめんなさい」
「謝らなくてもいいよ。責任の半分は俺だからね。いつか…とは思っていたけど、俺達の天使はせっかちだね。少しばかり周りには迷惑をかけるけど、嬉しい宝物だからちゃんと受け止めてあげたい。2人の子供なんだから、キョーコと俺と2人で育てていければいい。ただ、キョーコの負担が心配なんだ」
体力はあるといつも言うが、その細い身体では心配にもなる。早かったと思いながらも、その姿を早く見たいと、既に子煩悩で、妻に惚れきった言葉が蓮から零れた。
「蓮が忙しいのは仕方がないわ。時々でいいから話しかけてあげてくれれば、お腹の中でも訊いているって訊いたわ。声を聞かせてあげたり、動くようになったら撫でてあげてもいいの。私もちゃんとお母さんになれるか…心配になったら、少しだけ愚痴を聞いてね」
キョーコの心が不意に不安な涙で目元が潤んだ。
蓮はキョーコを抱き締めて、繰り返し呟いた。
「大丈夫。君は愛することを知ってる。初めての子育ては誰でも不安になるって訊いただろ?不安があったら俺にも教えて。2人の子供だからね」
まるで新婚の2人に予定より早い子供が恵まれ、不安を夫が慰めているように見えるが、訊いているだけで歯の浮くようなセリフも、今の蓮には周りさえ見えていない。
「あの…監督…」
「なんだね?」
「もう2人きりにしてあげませんか? と言いますか、見てられない、訊いていられないラブラブすぎて堪えられません。周りが…」
その言葉に周りが笑みを見せつつ頷いた。近くにいたメンバー達も、2人のラブラブな遣り取りに少し距離を取っていた。顔を赤らめ気恥ずかしそうだ。
今の2人を見ていてふと振り返れば、恋人同士だったとはいえ収録中は幾分自粛していたと思えば、この状態で収録中もいたのなら、皆がげんなりしていたか?
監督は溜息を零しながら社を呼び、2人の今日の予定がこれで最後なら送っていって欲しいと頼んだ。
「仲良きことも、周りにはちと迷惑なレベルだな…」
「すみません。なはは…」と監督の言葉に社は苦笑いを浮かべた。
「蓮。車の用意出来たから。キョーコちゃん動けそうなら行こう」
社が出入りの目立たない場所に車を用意して2人を呼びに来た。
「キョーコ。帰りの用意出来たって。監督。ありがとうございました。またご挨拶に伺わせて頂きます」
蓮が深々と挨拶をすると、キョーコの腰に手を添えて支えるように帰って行った。
これからの2人が寄り添い歩いて行くように、まだ姿は見えなくとも2人の子供達と一緒に幸せを掴まえながら………。
社の運転はゆっくりと、一息吐く2人を気にしながら走った。
「さて帰ろうか。疲れただろう…」
「うん、流石に少し。でも、撮影が最後まで出来て良かった…」
「その前に、キョーコとお腹の子に何も無くてよかっただろ?」
キョーコの任された仕事をやり遂げる姿に、蓮はいつもの事だとしても、溜息を吐いて呆れた。
「だって…頂いたお仕事を最後まで出来なかったら、イヤだもの。それも主役よ。それに最後の最後だし…」
「そこが君らしいところだけど、1人の身体じゃないのだから、無
理はしないって事も頭に入れておいてくれないか? 奥さん」
「はい。ん…でも、お式挙げていないのに奥さんなの?」
「2人の子供が君の中にいるなら、君はお母さんで、俺は父さんだろ?」
「そうですね…」
「本音を言えば、もう少しキョーコと2人きりの時間も欲しかったけどね」
蓮の目線が上を向いて溜息を吐いていた。2人きりの甘い時間が、もう少し欲しかったという呟きだ。
「父さんになる気…本当にあるんですか?」
まるでまだ見ぬ子供に嫉妬しているようで、キョーコは形だけ大きな子犬に見えて、苦笑した。
「あるよ。君との子供ならどんなに可愛いか、どんなに愛おしいかは想像するだけでも楽しみだ。だから君が感じたことも教えてね。そして色々2人で学んでいこう。君の方が断然大変だけど。勿論俺も、出来るだけ手伝うよ。少し予定が変わっただけだから、よろしくね」
「ふふふ…。はい、旦那様…なんちゃって///」
「何しろ生んだ後もキョーコは大変だからな…。今もつわりは辛そうだし」
先程キョーコの声が、まだ蓮の耳に残っていた。
「つわりは時期がくれば納まる筈だから大丈夫」
「それならいいけど…。命は不思議なモノだね」
蓮がそっとキョーコの手を握り微笑みかけてくれる。その温もりが身体の中へと流れ込んでくる気がして、この自分の手に寄り添ってくれる人でしか感じられないものだと、そっとお腹に手を当てた。
「キョーコ? お腹が痛いのか? 気持ち悪い?」
キョーコはクスッと笑って、心配性の旦那様ねと心の中で呟いた。
「ううん、大丈夫。それよりも…まだ私が一人前になってないのに、この子にとって私がお母さんで大丈夫かな…って、そんな不安…」
『若いお母さん』…そう思うと、何も知識がないことや、形が形であった為に自分の存在さえ法律という真面目さがあって生まれたような自分を感じてしまう。そして子供の時の仮親と言っていい松太郎の両親は、優しくはあったが旅館を継いで欲しい気持ちも大きかっただろう。キョーコは居場所が欲しくて小さな女将として働く姿は、本物の女将となって旅館をもり立ててくれると当たり前のように思っていたはずだ。
だから無条件に蓮のように抱き締めてくれる人達とはまた違った。
それとはまた別に…血は繋がらなくとも『父さんだ』と言ってくれる人もいる。親子は血の繋がりだけではないと、教えてくれた温かい人も…。
「それを言うなら俺だって不安もいっぱいだ。女性じゃないからわからないと言うよりも、人として子供をもつ事、育てる大変さは真っ白で分からない。嬉しい気持ちが一番大きいけど、順番からいくと結婚式を挙げて、少しして…だったからね。でもキョーコとの子供なら少しの順番は良いさ。歓迎するから元気に出ておいで。キョーコも、俺も、この子も、一緒に家族になっていけばいい。笑ってケンカして泣いてまた笑って…幸せになろう」
「はい。笑って家族になりましょう」
蓮の包み込む笑顔は本物だとキョーコも感じた。
「元気にでておいで。そして元気な笑い声を聞かせてね」
そして、キョーコが安定期に入り落ち着いて来た頃に、SPドラマの制作記者会見の席で、主役2人の入籍と駆け足で飛び降りてきたベビーのことも発表され、僅かに膨らみを見せてきたお腹に手を当てるキョーコの穏やかな笑顔が…今までと違う表情を見せていた。そして何より…蓮との身長差を考えれば履くヒールのある靴もローヒールで、もしもを考えればキョーコの身体を気遣うものになっていた。
「順調なお付き合いが続いてらっしゃるとは知っておりましたが、少し早いステップではないでしょうか、敦賀さん?」
インタビューのトップに掛けられた声は、苦笑しながら蓮に少しばかりの皮肉を混ぜただけで、意地悪なモノではなかった。
『……それは言われるとは思っていましたが…』蓮が苦笑しながら少しだけ視線を反らしたが、『ですが順番が少し変わっただけで、羽を生やした分だけ早くなったのだと思いますね』
にこやかに蓮がそう答えれば、キョーコとの入籍会見だけではなく、キョーコの懐妊も本当だと答えたようなものだ。
「それでは、京子さんのご懐妊も本当なんですね?」
そう問い掛ける声は2人を祝福する嬉しさを感じさせていた。
『はい。本来なら入籍の前の結婚式、披露宴と順番を踏む予定でした。その前の恋人の時間ももう少し欲しかったのも本当のところですが、羽を生やした天使になって勢いよく飛んできたようです』
「天使ですか?それでは追い返せませんね?」
若い女性のリポーターが、ジョークを混ぜて返せば笑い声が漏れた。
『追い返したら、神様に雷でも落とされそうですよね』
両肩を上げてジョークのジェスチャーを付け、それはゴメンですからと蓮の笑みは堪えることなく、時折キョーコの顔を振り返った。
『まあ…何より俺にとってキョーコだけだという気持ちがなければ、こうやって記者会見をする事もなかった事ですが、キョーコだからこそ変な憶測が飛び交う前に、皆さんに正式なお知らせをしたいと思いました。付き合いだした時も、順調に交際が出来ている事も、俺にはキョーコという人生のパートナーしか考えられない事をハッキリする事も、彼女を守る意味でも必要だと思っていました』
自らの人気に奢る訳ではないが、横入りの邪魔はされたくはない。
直ぐ横でわかってはいた事だが、キョーコは恥ずかしいやらこそばゆいやら、蓮の言葉を頬を染めながら俯き加減で聞いていた。出来るなら止めたいところだが、蓮にまともに口で勝てる訳は無い。程々な処で自分の伝えたい事を話して、終わらせる方がいいと思っていたが……嬉しいけど恥ずかしい…///
『俺も芸能界という場所に身を置いて、自分なりの夢を追い掛け役者としてやってきましたが、それ以外にも掴まえられる夢があったと…共に生きていく現実の幸せがあるのだと教えてくれたのがキョーコでした。ですからその先の幸せまでは…正直やっと実感してきたと言ってもいい、予想の先の幸せを感じてきた処です。彼女だから感じられる幸せは、何物にも代えがたいからこそ、万人の前でも誓える本気だと言えます』
蓮はキョーコの方を向くと、上着のポケットからビロードのケースをだし、指輪をキョーコの左手に何も言わずに填めた。
『………えっ!?』
驚きすぎたキョーコには、それ以上に声が出なかった。
『バタバタして渡しそびれた指輪だけど、要らないなんて事はないよね?』
『な、な、な…』
キョーコの指には特大の石が光り輝いていたが、余りの大きさ故にキョーコの手は震えていた。
『何?』
『こんな勿体ない! こんな、こんな…』
そう言いながらもキョーコの目に涙が溢れて頬を伝った。
いつでもそうだ。勿体ないと言いながらも、嬉しくない訳はない。蓮の育ち故に少しばかり買い物もスケールが違うとわかっている。でもそれは、いつも自分自身ではなくキョーコに降り注ぐ愛情を形にした物。多すぎると文句は言うが、そこまで愛される自分かという思いも重なって、「勿体ないです」と言葉にする。
でもこの指輪は、素人目にも大きさだけでも桁の違う指輪の石に、感動とは違う比重でドキドキしていた。
(こ、これって…ダイヤでもピンク色じゃない?またこの人は…)
キョーコの中では嬉しいのと怒りたいの気持ちのせめぎ合いで、こんな人目のある所では…と気持ちを落ち着けようとした。
キョーコも詳しい訳ではないが、ピンクダイヤで大きさを考えると…0の桁が何処まで行くのか想像できない……。
「あの…もしかして、ピンクダイヤではありませんか?それにサイズも…」
結婚の記者会見に慣れたレポーターが流石に気付いた。他の記者達もその大きさだけでも驚いたが、ピンクダイヤとなれば、また桁が違うのではと、驚きの声を上げた。
『こんな凄い指輪なんて、勿体ないっていつも言ってるじゃないですか…』
『でも君にはこれが一番似合うと思ったんだけどな…。メルヘンの国が好きで、可愛いモノが好きで、でも締まり屋さんだけど…俺の中のハートも暖めてくれる可愛いキョーコにはね』
レポーターも聞いた事もある…キョーコに惚れきった敦賀蓮の甘い言葉のオンパレード!しかもピンクダイヤという大きな本命を、周りに見せびらかすかのように蕩ける笑顔も付いていた。
特等席と言える真正面に陣取ったレポーター…特に女性達は、逆に返り討ちになって腰砕け状態になってしまった。
暫くはピンクダイヤの大きさを目測し、ネットを使って値段を調べて勝手に盛り上がる記者達もいた。キョーコは「また無駄な買い物を」と思いながら溜息を吐きながらも、込み上げる嬉しさに蓮がハンカチを差し出した。
左薬指に光るピンクがかったダイヤは、蓮にすれば使わなかった仕事代の貯金が幾らか減る程度で、キョーコにしたら悲鳴モノだと想像できると怖くて聞くのは止めてみた。
「ありがとうございます。ステキですが、私の意見も取り入れてのプレゼントの方が嬉しいです」
「言うと思った。でもね、こういう幸せな記念の物は、俺の気持ちを上乗せして派手なくらいステキな物にさせて。普段にはキョーコの勿体ないとか言うのにも貢献するから、お祝いはケチったら寂しいよ」
「……わかりました」
「ただでさえ少し順番が変わったから、結婚式は少し延びた分だけ…今出来るお祝いをしたいんだ。君の指に光る指輪も全て引っくるめて、俺達の新しいスタートとして華やかにね」
「はい。ありがとう…ございます」
「あの…お二人のお話は、終わりましたでしょうか?」
控えめにレポーターの1人が聞いてきて、記者会見として話が戻った。
ピンクダイヤでレポーター達も勝手に盛り上がりかけた処で、蓮とキョーコも話し出してしまい、割り込めなかったのだ。
そして最後に、キョーコがこの会見に至った事への言葉を述べた。キョーコとしては、婚約、結婚式と…順番に進みたかった処で、いささか恥ずかしい部分もあったが、素直に言葉にしてみた。
『敦賀さんとのお付き合いが、いつか家族という形になればいいと思っていましたが、少しだけ気が早いベビーが、私達の所に舞い降りてきてしまいまして、お騒がせしています。そして嬉しさと少しばかりの戸惑いが、幸せを実感させてくれています。これからご迷惑をお掛けすることがまた増えるかも知れませんが、温かく見守って頂けると嬉しいです』
まだ若いキョーコではあるが、年齢よりも落ち着いた様子で蓮よりも若いと忘れさせる程…穏やかな母を感じさせる言葉だった。
「京子さん。そして敦賀さん。元気なお子様がお生まれになることを祈っております」
『ありがとうございます』
最後には記者達からの盛大な拍手が送られて記者会見は終わった。
イスを立ちゆっくりと歩くキョーコと、その手を取って支える蓮の姿は、年を重ねた本物の夫婦の繋がりにも見えた。
「若くてもステキなご夫婦ね。重ねた手が本物。京子さんもステキなお母さんになるんでしょうね」
ため息交じりに呟く同僚の声に、「よし!OKする!」と隣から声が聞こえた。
「何が?」
「プロポーズの返事」
「まだ答えてなかったの?気の長い彼ね~」
「そうね。でもさっきの二人見ていたら、結婚もいいなって思わせるじゃない?」
「そうね。今年は結婚ラッシュになったりして?」
「幸せにあやかりたくなるわよね」
「リアルはなかなか厳しいけどね」
「……脅かさないでよ」
「それは二人次第でしょ?」
コンビネーション…ライバルから、
そして…人生のパートナーへと…
《FIN》
長々とお付き合い頂きました方、ありがとうございましたと、お疲れ様でした<(_ _)>
多分久し振りに私味が濃かったかと(^▽^;)
気のせいかもですが、本誌この先は勢い付けて行きそうな?(2月末に書いてますがどかな?)
あと、たいしたことないけど反省会とか、おしゃべりかい?っていうのやるかもですが、どうにも落ち着きかけた体調がれロれロですので、予定は未定です(^▽^;)でも刑事もの&推理ものはなんかおしゃべりしたいかも(^◇^) 掘り起こさなくてもざっくりあるネタ。