すみません。8話、落ちました(>_<) 22時頃まではありましたが。

飛ばしても大丈夫なつくりにはしていましたが、

話の流れ上は本当は欲しかったのですが、

久し振りで調子に乗ったのかしら…再アップについては検討します。<(_ _)>イマイチ体調と根気が…

 

 

2人のコンビネーション…音夜と唯香
     ライバルからそして…⑨

 

 

「とうとうこのシーンなのね///」
 本日のメインスタジオに入ると、キョーコは握り拳を作るものの、力の入りようが違うと深い溜息と同時に、ボボッと音をがしたかのように真っ赤に染まった。

 

 放映時間は長くは無い。だが収録には時間が掛かるのが「濡れ場」というシーンの大変さだと蓮にも聞いていた。
 初めてで大変なシーン。まだ相手が蓮だから…本物の恋人だから気持ちの上では楽だけど///
 ドラマを見る側には恋人の2人の姿、シーツ一枚で求め合う2人…音夜の背中ぐらいしか見えない愛し合う場面だが、唯香も恋人を求める声ぐらいは出さなければならない。それに、恋人達が愛し合うシーンなら、唯香も貼り付けるブラぐらいで上半身を覆うモノは無い!元々ないもん!///

 

 そ、それは私と蓮さんだって、忙しい合間にシてるけど。でもでも…2人だけだからだし…///
 逆に本当の恋人だから恥ずかしい事には変わりなくて…2人の本当のシーンを見られてるみたいなのぉ~~///
 そんな風に思うのって私だけかしら?

 

 頭を唯香に切り換えようとしても、唯香も免疫がないタイプでその性格は似ていて、だからこそたった1人の人との時間も大切に睦み合い、キョーコ達が愛し合うのと同じだと感じれば、余計に恥ずかしい。
 「はぁ~~」と吐く溜息と染める首筋に、スタッフ達もその色香に顔を染めていた。

 

* * * 


ドラマ
 2人は久し振りの逢瀬に、唯香も積極的に求めて愛し合う。
「音夜、おと…や、あっ!」
 恋人を求めて唯香の腕が音夜の首へと伸びて抱き締めた。
「俺も…全て欲しい!」
「音夜、音夜!」
 互いの汗もわからなくなる程に、躰を重ねて唯香は気を失うように眠ってしまった。安心して恋人の腕の中で、そんな唯香が音夜は愛しくて…頬に優しくキスした。

 

 音夜は唯香の寝顔を見ながら、もう少しでこの愛しい時間が離れて行くのを感じていた。
 …そろそろタイムリミットが迫っていると。
 離れたら…暫くはひとつ処に居られない。数年は年に何回会えるかわからない。
 そうすれば、唯香を1人きりにさせてしまう。

 

 だが彼女は弱い女性じゃない。それでも1人の時間を、誰にも見えないところで涙を零していそうで心配にもなる。誰にも気付かれずに俺だけの胸で泣くのならまだいい。彼女の良さを理解して、馬の骨が抱き締めやしないかと嫉妬するのは、俺の弱さだ。
 電話だっていい、仕事の合間だって、半日の時間でもいいから彼女に俺を忘れさせないように努力しよう。1人きりじゃないことをいつも伝えよう。
 そして彼女の指にリングを贈ろう。千秋の想いで待たせる事が無いように、離れる距離よりもリングで俺のたった1人のコンビだと、いつでも繋がる証で安心出来るように。どんな言葉が、どんな絆が唯香の心を一番強く繋げるのかわからないくても、唯香の隣には俺だけだと忘れないで欲しい。俺しかいないと心に刻んで欲しい。
 喩え離れても…2人はひとつなのだと……。指に光るリングで、いつでも2人は一つなのだと感じられるように。

 

* * *


『う~ん、ユイは思ったよりスタイルもいいし、メイクも少し慣れれば良いモノを持ってるのに。俺に乗り換えないか?』
『えっ!? それ、本気で言ってるの?』
 唯香はジョンの言葉を真に受けていないのか、驚いた後は笑っていた。まだ諦めていない様だ。
『おあいにく様、私には…音夜さんしか見えていないから。貴方相手じゃあ、直ぐにケンカ別れがいいとこでしょうね。見境無く手が早いもの』
 ジョンの言葉にも、唯香は本気に受け取らずに笑い飛ばしていた。外回りのジョンからは、実際目が離せない。
『服は仕事用とはいえ、少し地味目なところがセンスとしてはイマイチだが、外回り用ならこの前のように直ぐに磨ける。オシャレ以外も俺の方がユイを色々磨いて気持ちよくもさせて…』
『ちょっと、何処でそんな事を言い出すのよ!』
 見回りからの帰り道、会話はジョンに合わせて英語ではあるが、周りはビジネス街。優秀なビジネスマンなら分かる者もいるだろう。
 唯香は大きな溜息を吐きながら顔に手をやって、ジョンに向き直って顔を見た。いつもと違う本気の顔をしていた。
『ジョン。貴方の今の言葉が本気だとしても、貴方の処には行かないわ。私の目に見えるのは、音夜さんだけ。私の耳に聞こえるのは音夜さんの声だけ。触れて欲しいのも音夜さんだけ。貴方じゃないの』
『……音夜も同じか? アイツは口数が少ないだろ? それに、先月受けた試験結果、もう直ぐ分かるんじゃないのか?』

 

 ビクッ!…と唯香の肩が固まり、初めて動揺が見えた。
 目を開き、口元がきゅっと締まると、ジョンを睨むような視線から動揺を見られたくなくて、横を向いて逃げた。

 

『ユイと音夜はタイプ違いの昇級試験だったんだろ? それに受かればユイは暫くは1人だ。寂しくは無いのか? 俺が暖めてやろうか?』
 ジョンの言葉に唯香はキッと睨み付けて思い切り頬を打った。
 唯香の目には、零れ落ちそうで堪える涙があった。
『いい加減にして! 寂しいだけで暖かい場所を探すのは、間違いよ。後でもっと寂しくなる。本当に一緒にいたい人でなければ、意味はないの。心から全て暖め合える人じゃないと、後悔する』
『俺ではユイを暖められないのか?』
『私が貴方を一欠片も求めてないから…。一時しのぎのような温もりは、後で虚しくもなるわ』
『それは経験か?』
『違うけど…本当の温もりを音夜さんに教えてもらって、心まで温かくなれるって…えっ?…私、何を!』

 

 ジョンを相手に何を話していたのかと気付いて、唯香は赤くなり、顔に手をやり目を塞ぐが、失敗したと思った。音夜との付き合いはジョンにもわかっていたが、2人がどの程度の付き合いかまでは話していなかったのに、愛し合っている事まで言ってしまった事になる。
『そこで赤くなるのか? いい年した男女なら、そういう関係の方が普通だろ?』
『そ、そうかも知れないけど、日本の方がそういう事は、オープンじゃないのよ…』
 唯香は火照る頬に手を当てて隠そうとする。
『いい大人なら、肌を合わせて溶けるように愛し合えばいい。お互いしかいらないぐらいに溶ければ、最高に幸せな時間。但し、そんな相手は一生に1人いるかどうかだ』
『そうでしょうけど…』
『ユイは免疫がなさ過ぎだな。音夜ぐらいの男なら、本気なら次の日は仕事が出来ないぐらいに、足腰立たなくされてもおかしくないぞ』
『えっ!?』
『体力もテクもありそうだし』
 唯香は『テク?』と理解が出来ずにキョトンとした。
 ガクッとしたジョンは言葉が出ない。
『お前さんみたいなお嬢さんじゃ、音夜も苦労してるだろうな』
 唯香はジョンが本気で同情しているのがわかると、今までの夜の営みも音夜が同じように感じてくれているのかショックを受けた。
『神が分けた一つの魂に戻って溶けて愛し合えばいい。アイツもそんな唯香を探してた1人だと思うがな』

 

 ジョンに言われて唯香も不安を感じ、頬を染めながら夜に音夜に聞いてみた。
「アイツ!余計な事を」と言いながらも、答えはストレートだった。
「唯香を大切にしてるけど、手加減してる訳じゃないぞ」
 音夜は話ながら、ベッドの上で何故か誤魔化すように唯香の服を脱がしていた。
「君が色恋に疎いのは組む前から感じてたから、ゆっくり階段を上ればいいと思ってる。まず受け身だし、初めてのキスでも真っ赤だ。何処まで君の全てを抱き締めていいか、何処まで溶け合っても大丈夫か様子を見てたけど、そろそろレベルアップするからね」
「レベルアップ?」
 音夜がニヤッと笑って言った言葉を唯香は繰り返すと、ドキッとした。
「もう少し本気で行くからよろしく」
「本気…って?」唯香には音夜の言う意味を掴み損ねた。
「俺だけだって、唯香の躰が欲しがるレベルアップ」
「はい?」
「結構やりがい在りそうだな」
「な?」
「感じやすいとやりがいがある♪」
 音夜がニヤリと笑う。
「えー!ん? えっ? い、いつの間に!?」
 唯香は音夜の話を考えながら気もそぞろで聞いていたせいか、気付けば服を脱がされ下着姿で慌てて自分を抱き締めた。
「俺だけの唯香に染めるからね。今夜から…レベルアップしようか」
「レ、レベルって?」ジリっと唯香がベッドの上を後ずさる。
「唯香の恥ずかしさが少し上がるくらいだな。まずは」
「まずはって、次のレベル…レベルって幾つ…あるの?」
「知りたい?」音夜の似非紳士な笑顔に、唯香は首を振った。
 知ったが最後という思いと、いつかは知る最後のレベルに恋人の新たな顔を見て、逃げる道はあるのかと考えてみた。
(ど、ど、どうなっちゃうの、私~~)
「先ずは、ココ。ココ…」
 音夜がピンポイントで唯香の感じやすい処をいつもよりも連続で刺激してきた。
「あん!あっあっあっ!」
「君は自分で思ってるよりも、躰はHだから感じてね」
 唯香は音夜の言葉に顔を引き攣らせ、その後は……今までのどの夜よりも甘い嬌声をあげ続けて意識を手放した。

 

 

 

≪つづく≫

 

 

ドラマの中でもちょっぴりラブラブでした( *´艸`)

 

 

 

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