結構いくつもお話を書いてきましたが、二人のこのタイミングを書いたことなかったかも?と思いつつ、でも…この形メインで楽しく読んで貰えるのかな?前半は特に、インタビュー記事とほぼ会話形式です(^_^;)…ってまたなんです(ホントはこれの方が先に書きかけてました)~つまんなかったらご免なさい。チェレンジしてみる!と言う方どうぞ。
あと、長いです。会話系メインなので早く読めると思いますが。

ですので前後編に分けてます。でも長めです(^-^;

 


プロポーズリング~

       二人で生涯のリングを選ばない? 前編

 

 

 今日は蓮が出演中の、ドラマ宣伝の為の雑誌インタビュー。
 この雑誌社でのドラマ宣伝担当は、水沢スタッフの担当であり、蓮も何度か顔を合わせたことのあるインタビューに、緊張らしいものも殆ど無かった。
 水沢のいつも明るく気持ちのいい声が響いて、嫌みのない直球のインタビューは、聞かれることについ本音が漏れる聞き出し上手なところも向いているのだろう。

 

 掲載される雑誌社で、いつもインタビューの時に使われる部屋に、落ち着いたテーブルとソファーが置かれ、水沢が蓮にソファーを勧めて腰掛けると、録音の為のICレコーダーが置かれた。

 

「それでは敦賀さん。レコーダーをセットさせて頂きますね」

 

水沢(以下は水)”では、担当変わらず、代わり映えがなくて敦賀さんには申し訳ありませんが、インタビューよろしくお願いします。

 

敦賀(以下は敦)ーーいえいえ、こちらこそ。インタビューの相手が俺ばかりでは、水沢さんも飽きてきませんか?(ニッコリ)

 

水”そんな事はございません。こちらは目にも麗しい敦賀蓮さん、目の保養にもなりますので、同僚からは羨ましがられておりますので(ニッコリ)

 

敦ーーそうなんですか?

 

水”そうなんです!(思いっきり断言) コホッ。つい力が入ってしまいまして、失礼しました(苦笑)

 

敦ーーそこまで力説ですか?(クスクス)

 

水”同じ方でも敦賀さんも飽きさせて下さいません! 私も楽しませて頂いてます! 目も、耳も!(指差ししながら力説)

 

敦ーー耳も?

 

水”読者の方には申し訳ありませんが、ステキなお声も堪能しております!(ふふふ)

 

敦ーー堪能ですか?(クスクス)

 

水”テノールの響きと言いますか、低く響くお声も敦賀さんのステキな魅力、そして演技力の一つだと言われていますので。

 

敦ーー俺の声が演技にも役立っているなら、嬉しい特徴ですね。

 

水”ええ、勿論です。では本筋のインタビューに(苦笑)
この度のドラマでは、敦賀さんが好きになった女性へとアプローチしていくシーンが女性の方に注目ですが?

 

敦ーーそこがポイントですので、そう言って頂けると嬉しいですね。

 

水”なかなか気付いて貰えない女性に、何度もアプローチしながら近付いていく姿は、本気の思いが込められていて、経験からではないかとのお声も聞こえますが?”

 

敦ーーおや…。そういう目線もありなんですね。(クスクス)確かに経験に勝る親はなし…という言葉はありますが、ドラマの中と現実はまた違いますからね。でもそれ程…俺の目線で楽しんで貰えているなら、役者冥利に尽きますね。

 

水”今までにないコミカルさで、でも上手くいかない時もめげないと言いますか、可愛らしい敦賀さんと言われていますけど、いかがですか?

 

敦ーー可愛いですか? 男で身長も190ありますけど?(クスクス)

 

水”男性でも背が高くても、時折見せる違う面の落差もいいですね。

 

敦ーー落差ですか?(クスクス)

 

水”『こんな顔もするのね♡』という感想も、今までの敦賀さんのイメージを変えるという意味では、女性もですが男性も興味を引かれて、恋人同士で見てみえる方も多いようですよ?

 

敦ーーそういう感想も嬉しいですね。時々俺なら何でも出来るのではないかと、偶に完璧なように言われますが、そんな訳はありませんからね。好きになった女性と、それほど簡単に恋愛も全て進んでいれば、今頃はその彼女とデートぐらいしていますけどね…。

 

水”いらっしゃらないんですか? 本当に?(つい本気で、インタビュアーの水沢が身体を乗り出した)

 

敦ーー俺もそれなりにいい年の男ですからね? 幸せそうに付き合っている仲間を見れば、羨ましくなりますから…。でもその女性が好きという訳ではなく、俺に似合ったステキな女性と、俺と一緒に居ても飾らずにいてくれる人が良いですね。

 

水”あら、それでは着飾る女性はお好きではないと?

 

敦ーーいえ、そういう訳ではありませんが…自然体でもステキな女性っているじゃないですか? そんな人は自分で努力することを知っています。最近は流行廃りが激しくて、でもそれに流されることなく自分の良さを伸ばす女性は、輝いて見えると思います。

 

水”それはありますね…。流行を追うのも良いですけど、自分がないと寂しいと言いますか…。

 

敦ーーええ、そこですね。上手く自分の中で受け止めて良さを取り入れるなら良いですが、マネだけで似合わないことをすれば、その人の良さも隠れて見えないかも知れない。

 

水”ああ、分かります。それは男性も女性も関係ないですが、自分らしさ…自分の良さを持っている人って背筋が伸びていて素敵ですもの。

 

敦ーーええ。1本背筋に芯が通ったような…、立ち居振る舞いにもその人の良さが出て来ますからね。

 

水”……先程から、気のせいでなく敦賀さんはどなたかを思い出しながら…お答えになっていらっしゃいませんか? ですから答えに迷いがない…と。

 

敦ーー……う~ん、さてどうでしょう?(苦笑)

 

水”あら、この交わし方は初めてですね? 信憑性がありそうですね?(笑)

 

敦ーーどういうことにしましょうね?(笑)

 

水”だんだん本当っぽくなっていませんか?(笑)

 

敦ーーノーコメントでダメですか?(苦笑)

 

水”インタビューですので、それは無しですね(笑)

 

敦ーーこれは困ったな…(苦笑)
(でもそう言いながらも目元が嬉しそう。水)

 

水”困ったと言いながら、敦賀さん…とっても嬉しそうなので白状して下さい!(笑)

 

敦ーーう~ん、バレてますか?(クスクス)

 

水”はい。とっても幸せそうに見えますから!

 

敦ーー……ドラマの途中で出て来た…『プロポーズリング』ってありましたけど…。

 

水”先頃放映されたシーンですね。

 

敦ーーはい。婚約指輪も結婚指輪も、一生に一度…と普通は思うものですよね?

 

水”そうですね。愛多き方で、何度も買う方もいらっしゃいますが(苦笑)

 

敦ーーですから、二人で一生に一つのリングを、お互いに見つめ合いながら一緒に買うきっかけに…という意味で、『プロポーズリング』を買う人も増えてきたそうです。俺も今回のドラマで知ったのですが、こんなきっかけもいいな…と思いました。

 

水”そうですね。拝見していて、女性がビックリしながら、でも嬉しそうに指輪を見ているところがじんわりと温かく伝わってきました。このお二人は、幸せになる為のリングを選ばれるのでしょうね。

 

敦ーーありがとうございます。伝わってよかったです。あの時の俺のリアクションそのままで、プロポーズする男に『高い無駄遣いはしないで下さい!』って返されたら、男としてはどうしたらいいと思います?

 

水”えっ!? それは困りますと言うより、『何故?』ってなりますね。プロポーズリングならそこまでお高い物ではないでしょうし…。かと言って、プロポーズにあまり安物では一世一代の思いが伝わらないからと、以前はプロポーズの時の指輪は月給何ヶ月分とかって言いましたけど…。

 

敦ーーそこですよね。しっかり者の女性で、でも少し天然なところがあって、プロポーズリングと気付かずに『指輪=高いモノだから無駄遣いになるなら、私には要りません!』…っとなった時、断られたのか、男の無駄遣いを指摘されたのか、どちらか判別着かなくて戸惑うと思いませんか?

 

水”そういうのは、お相手の女性の価値観にも寄りますよね。恋人から貰ったプレゼントだから、あるいはお強請りして貰ったモノは、自分が愛されている証拠でもあると自慢も出来る方もいます。貰えるプレゼントは嬉しいけど、無理したり、過剰なプレゼントはいらないという堅実で相手の男性を思う女性もいます。

 

敦ーーそういう処がしっかりした人なら、男性側の誠実さや本気の思いを、例えば俺のように芸能人だからと見掛けだけで判断はしないで、1人の男として真正面に見てくれる事が嬉しいのではないでしょうかね?

 

水”……という事は、敦賀さんを真正面に見て、たった1人の男性として見つめて欲しい方がいらっしゃるんですね?

 

敦ーー……俺もそろそろ…な年齢になってきましたから、アピールはしているんですが、なかなか手強いモノで(苦笑)

 

水”手強いんですか? 敦賀さんでも? 落ちない方なんですか? どなたなんですが? 最近噂でお聞きしているKさんですか?

 

敦ーー……おや? そこまでバレてるんですか?(クスクス)

 

水”えっ!! 本当なんですか!?(バサバサと資料の束を落とすほど慌てる) 失礼しました(苦笑) その方でしたら、お知り合いになられてから5年近く経ってらっしゃいませんか? 後輩の方で、「敦賀さんに懐いている」と言われてらっしゃった時期もありましたが、バラエティーから、お料理、役者としてもメインの役を幾つもこなして、七色の役者さんとも言われておりますが、素のお人柄は控えめで綺麗なお辞儀もその所作が出ていらっしゃる方ですよね。

 

敦ーー……なんか…かなり詳しいですね。というか、その資料の中にも、もっと入ってます?(苦笑)

 

水”……(ニッコリ)インタビューは下準備も命ですから。その方についても、ドラマについても、結婚というテーマが同じですので、敦賀さんからその方へのアピールでも宜しいですよ(ニッコリ)

 

敦ーーそんな事をしたら、職権乱用って言われませんかね?(クスクス)

 

水”かまいません!!(ごほっ)失礼しました。

 

敦ーーそこでも力説ですか?(クスクス)

 

水”ダメですか?(興味津々)

 

敦ーー俺はいいですが……。

 

水”お相手の方…ですか?

 

敦ーーう~~ん。先程言いましたけど、口説いてる最中なんですよ。ホントに…。

 

水”えっ!? 敦賀さんが本気で口説いてらっしゃるのに、OKがまだなんですか?

 

敦ーー……俺が口説くと全員OKなんですか?(クスクス)

 

水”あ…失礼しました(苦笑)

 

敦ーー俺…そんなに女性を口説いているように見えるんでしょうか?

 

水”いえいえ。敦賀さんとそのKさんが、先輩後輩としても長くお付き合いのある方なら、敦賀さんの事をよくご存じでお嫌いでないのなら、世の女性の方でしたら10人中9人は即OKされると私は思ったものですから…。

 

敦ーー…それは…援護射撃をありがとうございます(苦笑)

 

水”援護射撃ではございません。ホントの本気ですから!(ばさっ)失礼(資料がまた…)

 

敦ーーいえいえ(クスクス)…う~~なんというのか、俺の事を知っていてくれるせいでもあるんでしょうね。付き合いも長いとお互いに余り知られたくない面というのも、逆に見えてしまう事ってありませんか?

 

水”良しに付け、悪しきにつけ…ですか? 敦賀さんにもですか? ありますか?(首を捻って)

 

敦ーー(クスクス)俺も聖人君子ではありませんし、本当の事ではない事も尾ヒレが付いたりして、時間差で過去の事を聞く事もありますから。

 

水”ああ、なる程。例えばどんな事が(興味津々)

 

敦ーー……何故か、水沢さんの方が知りたそうですね?(クスクス)

 

水”ああ、すみません。インタビューの筈が、敦賀蓮のいちファンになってしまいました。(苦笑)

 

敦ーー俺のファンなんですか?ありがとうございます(クスクス)

 

水”ファンです。ですから敦賀さんのインタビューは、本当に嬉しいお仕事なんです!

 

敦ーーお仕事になってますか? 趣味じゃなくて?(クスクス)

 

水”半分趣味です(苦笑) それぐらい嬉しいお仕事です!

 

敦ーー力説ありがとうございます(クスクス)

 

水”あら、話が逸れてしまいそうですが、敦賀さんの話術ですか?

 

敦ーーさあ、どうでしょうか?(クスクス)

 

水”では、話を戻しまして。

 

敦ーーえ?戻すんですか?

 

水”戻します!(強調)

 

敦ーーえ~と(困ったフリで視線を反らすが、目が楽しそう)

 

水”敦賀さんがどなたも口説いてみえる…というのは、どなたのご意見ですが?(ニッコリ)

 

敦ーーそこに戻るんですね?(苦笑)

 

水”はい、戻らせて頂きます。いかがでしょうか?(ニッコリ)

 

敦ーー……出来ればここはオフでお願いしたいですが、目の前の彼女だけに告白しているのに『タラシ、コマシ、詐欺師です!』と言われたら、男としてはどうなんでしょうか?

 

水”えっ?敦賀さんが、『タラシ、コマシ、詐欺師』…なんですか?

 

敦ーードラマでの演技まで本気で口説いていたと言われたら、役者なんて仕事には出来ませんよね?

 

水”え~~と。

 

敦ーーあの…水沢さん? 何故そこで『そうですよね』と同意してもらえないんでしょうか?(苦笑)

 

水”敦賀さんの場合、『詐欺師』はわかりませんが、役者としての敦賀さんは、充分に『(オンナ)タラシ、(スケ)コマシ』だと思いますが。

 

敦ーー…そうなんですか?(苦笑)

 

水”ドラマを拝見していて、相手役の女優さんが魂を持って行かれる時は、私も同じ気持ちで拝見していますので(ふふふ)

 

敦ーー魂ですか?(クスクス)死神かなんかみたいですね。それはお褒めの言葉と思っていいでしょうか?

 

水”勿論ですとも。自分が口説かれていると思ってしまいますので。(ドラマ、回想中)…ああそうですね。やっぱり画面を通じてですが、充分に『タラシ、コマシ』な役者さんですね!(力説)

 

敦ーーあ…そうきてしまうんですね(苦笑)

 

水”そうきてしまいます(苦笑) 敦賀さんの女性を口説く時の壮絶な色気は、男性ではなかなかいらっしゃらないですので、女優さんも楽しみにしていらっしゃいません?

 

敦ーー壮絶な色気…とは? そんなモノ出してますか、俺?(苦笑)

 

水”出てます。出してらっしゃいます!!(力説)

 

敦ーーそこでも力説ですか?(クスクス)

 

水”敦賀さんのファンの方なら、皆さん頷いて下さると思いますよ。

 

敦ーー男でもアリなんですか? 壮絶な色気(クスクス)

 

水”『水も滴るいい男』という言葉もありますので、いいのでは無いでしょうか?

 

敦ーーそう言えばそんな言葉もありましたね(クスクス)

 

水”色気というのは女性だけのモノでなく、男性もあっていいと思いますよ。

 

敦ーー女性も歓びますか?(クスクス)

 

水”とっても歓びます! 但し、好きな男性に限りますけど(苦笑)

 

敦ーー男でもそうだと思いますよ。好きだからこそ魅力に見える。

 

水”では、敦賀さんもその方に色気を感じられてますか?

 

敦ーーん? そこに返ってきましたか?(苦笑)

 

水”返ってきました。(苦笑)お忙しい敦賀さんのインタビューは外せませんので、じっくり伺っておかないと後悔しますので!

 

敦ーーそこまでのモノでしょうか?(クスクス)

 

水”ファン代表としても聞き逃せないお話ですので、是非!(バサバサとまたもや資料が)すみません(苦笑)

 

敦ーー……本当に好きな人なら、たった1人の人になら感じる事ですから、俺だけが特別に彼女に感じている事ではないと思います。

 

水”…敦賀さんでも、ドラマで何度も恋を演じていらっしゃってもですか?

 

敦ーードラマの中での恋は、俺自身ではありませんから…。ドラマの男は、その話の人生の中で…恋をして、人を愛して、結ばれたり、別れたりして生きていきます。俺と似たところはあるでしょうが、俺が思う恋愛とも違うモノを掴んで幸せになっていきます。人は誰かと同じ人生を歩きませんから……。

 

水”…そうですね…。憧れる事はあっても、同じ人生を生きるなんて、それはあり得ませんものね…。

 

敦ーー同じように生きてきたとしても、今の俺になった環境があって、出会えた人達に会って…敦賀蓮としての今の俺が居ます。そこに彼女との再会も重なれば、俺には今こうやって役者としてやってきた意味が何倍にもなるんです。

 

水”あの…今、再会とおっしゃいましたが、以前にも会っていて、再会の約束をされていたのでしょうか?

 

敦ーー…いえ。再会の約束はしていませんでした。再会出来るとも思っていなかったほど、多くを自由に決められない…まだ子供の頃の話です。

 

水”子供の頃ですか? あの、それでは、本当に偶然に出会われたのですか? 約束も無しに?

 

敦ーー偶然ではなく、必然だと思っています。

 

水”必然…ですか?

 

敦ーー子供の頃の彼女に出会う事で、優しく暖かな思い出がありました。再会する事で、俺は彼女から多くの事を教えてもらい、助けられました。彼女がいなければ、今も俺がこうやって仕事が出来ていたか…怪しい部分もあるんです。

 

水”えっ? そんな事があったんですか? 敦賀さんに何かしらのトラブルがあったというお話は、お聞きした事がありませんが…?

 

敦ーーなんとか…準備段階とか、ドラマで言えば部外者の方には知られない形ですみましたが、そこで助けてくれたのはいつも彼女でした。再会した時にも直ぐにはわからなかったのに、彼女が別れた時の印を大切に持っていてくれました。不思議でしたが、偶然ではなく必然だと…俺の隣には彼女だと思える事ばかりでした。

 

水”その方は? それ程魅力的であれば、ライバルとかも…。

 

敦ーー色々といますので、周りの一掃よりも彼女を落とす方が先として…今行動してます(クスクス)

 

水”難航していらっしゃるんですか? 本当に?(じー)

 

敦ーーしていますが、俺には京子さんだけですので、落とします。(ニッコリ)

 

水”宣言されていますが…お名前お出しても宜しいですか?

 

敦ーーこのインタビューが雑誌に載る前に、口説き落としますから。(ニッコリ)

 

水”了解しました。お二人のご婚約インタビューとさせて頂きますね(ニッコリ)

 

敦ーー……それは…少し待ってもらえませんか?(苦笑)

 

水”それは有言実行の敦賀さんなら大丈夫なのでは?(ニッコリ)

 

敦ーー水沢さんには負けますね(クスクス)

 

水”では京子さんについてのアプローチのお話など、少し頂けると嬉しいですが?

 

敦ーーそうですね…本名の名字で呼んでいたところを、名前で呼んで意識してもらおうとしましたが、『何故ですか?////』と言われて止めてほしいと言われてしまいまして…。

 

水”何故でしょうか? 親しければ名前で呼び合う事もあるでしょうし、京子さんの場合、本名のお名前とほぼ同じでしょうから…。

 

敦ーーそれもあるみたいですね。俺が彼女と再会した時はまだ芸名もなくて、社長に付けてもらったのですが、彼女的にはもう一つ納得した芸名ではなかったようですから(クスクス)

 

水”そのせいなんですか?

 

敦ーーいえ。本名で俺に呼ばれるのが、何かを思い出して顔を赤らめたりしてしまうのがイヤらしいので…。

 

水”以前に、敦賀さんが何かされたとか?『コマシ、タラシ、詐欺師』の時とか?

 

敦ーー……水沢さんも俺がそういう事をやっていると?(溜息)

 

水”……だってですよ? 公衆の面前で敦賀さんがドラマと同じ事をされたら、同じように女性に声を掛けたら、女性としては嬉しくとも恥ずかしいという事もあり得ますので。

 

敦ーー…俺が普通にアプローチをしてもですか?

 

水”それは既に、敦賀さんの存在が普通のシチュエーションではありませんので、人前ではなくお二人の場所でされる方がいいかと…。

 

敦ーー俺の存在がですか?(苦笑)

 

水”何しろ海外ブランドのモデルとしてもご活躍です。洗練された動きや、日本人離れしたポーズも様になっていらっしゃいますので、嬉しいよりも周りの視線が気になる方もあるかと…。京子さんも恥じらいを感じやすいお方と覗っておりますから、アプローチの場所も重要ではないのでしょうか?

 

敦ーー呼び名にしても、俺としても彼女に…急に態度を変えたようでは周りにも変かと考えたんですよ?

 

水”はいはい、考えられたんですね。敦賀さんも!(クスクス)

 

敦ーー考えて、芸名の『京子』と呼んでみたんですよ。先輩からなら、近い間柄なら周りも納得するかと思ったんです。

 

水”まあ…無くはないですが、本名から芸名ですか。逆にような気もしますが…。

 

敦ーーそれも、一時期は『京子さん』でしたが、それは彼女が『後輩をさん付けは…』と言うので『京子』になったのに、さらにそれが嫌だと言われたら、なんと呼べばいいのかわからなくて、そのままなんですよ。

 

水”え~と、もう一度順番にお願い出来ますか?(敦賀さんの人生相談? アプローチ相談? 何なの?)

 

敦ーー本名、最上キョーコさんで、『最上さん』から『京子さん』そして『京子』となったわけです。

 

水”その…言葉の響きで言えば、本名の方のお名前を呼ばれて聞こえるのではないでしょうか?

 

敦ーー…やっぱりそう思われますか?

 

水”そうですね。お名前を敬称も何もなく、それも異性に呼ばれるというのは、かなり親しい方に限られて来ると思います。兄妹や幼馴染み、あとは恋人ではないでしょうか?

 

敦ーー……(幼馴染み?)

 

水”……あの?敦賀さんの…お顔が……?(ドキドキ)

 

敦ーーすみません、少し嫌なことを思い出したものですから。では、水沢さんからみて…俺が選外になっているわけじゃないと思われますか?

 

水”そうですね、敦賀さんを何も思ってみえないなら、これ程のお時間を…5年近くですよね?…先輩として慕っていらっしゃるとは思えません。男性としてダメというなら、先輩としてもご一緒の時間を過ごせると思えません。

 

敦ーーそうですか?

 

水”これはファンとしての気持ちではなく、素晴らしい先輩である前に、人として、男性としても魅力がなければ、尊敬をもって女性としての一番の成長の時間を、周りから羨ましいと言われたとしても、同じ時間を過ごすことはありません。それにもっと魅力のある異性が現れれば、今も敦賀さんと同じ時間を過ごしてはいない筈です。

 

敦ーーその場合は、つまりフラれたらってことですか?(苦笑)

 

水”そうなりますね。でも今も敦賀さんを先輩と慕い、敦賀さんからのアプローチを少し逃げ腰ながらも否定はされていないのですよね?

 

敦ーー…それも資料にあるんですか?かなり詳しいですけど…(苦笑)

 

水”ございます(クスクス)そこに答えが出ているのではないですか?敦賀さんも、後輩とはいえ本気で嫌とおっしゃる方に…アプローチをずっと本気で続ける方ではないです。周りの方にもアピールしたいでしょうが、お二人でごゆっくり話されれば…コロリと…(苦笑)

 

敦ーーえっ? コロリと…いきますか?(クスクス)

 

水”敦賀さんなら大丈夫です! ダメ元なんて考えていらっしゃらないでしょうから、そのお声で、邪魔が入らないようにして、耳元で口説かれたら、コロリ…です(ニッコリ)

 

敦ーー(クスクス)わかりました、声も武器にしてやってみます(苦笑)

 

水”女性の多いところで口説かれますと、皆さんが赤面されることもありますので、お気を付け下さいね。

 

敦ーー……その情報の出所は?

 

水”(ニッコリ)

 

敦ーーボスですか?

 

水”(ニッコリ)

 

敦ーー……では、ドラマのように…今度はプロポーズリングを渡して、二人で一緒に結婚指輪を探します。生涯を共に過ごす為に。

 

水”いいお知らせをお待ちしています。

 

敦ーーありがとうございました(苦笑)

 

水”こちらこそありがとうございました。

 

 


「敦賀さん、お疲れ様でした。ありがとうございました」

 

 水沢は充分なインタビュー内容に納得して、蓮に頭を下げた。
 テーブルのインタビュー用のICレコーダーを仕舞うと、ソファーから立ち上がって丁寧なお辞儀をした。

 

「いえ、こちらこそ、ありがとうございました」

 

 蓮は水沢に挨拶をしてインタビューを受けた部屋を出た。
 次にインタビューのバックに載るグラビアの撮影に向かうと、水沢も同じ方向に歩く為に声を掛けた。
「水沢さんはこの後は?」
 撮影を見学する事もある水沢に、蓮は声を掛けてみた。
「この後、もうお一人インタビューをさせて頂くんです。その方をお迎えに」
「忙しそうですね」
 水沢は蓮の言葉にニッコリと笑みを浮かべるが、声のない笑みが逆に蓮には意味あり気な視線に見えて、問い掛けてみた。
「俺の知ってる人ですか?」
「ふふ…」
 水沢の笑い声に、気にはなったがこれ以上聞くのも躊躇って話を変えた。

 

「俺のグラビア撮影は、いつもの部屋でいいですか?」
「はい。今度は読者の目を喜ばせて頂けますか?」
「(クスッ)頑張ります」

 

 水沢が蓮と共に来る為、軽い世間話をしながら辿り着いたのは、水沢のインタビュー相手が撮影中だった。

 

 その姿が目に入れば、蓮の瞳は僅かに大きくなり、近付けば呼吸する音さえ聞こえたかも知れない。
 蓮には少しくらい離れていても見間違うはずのない…キョーコを撮影していた。

 

♡つづく♡

 

続きは明日アップ予定なり♡

 

 

 

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