かばぷー様企画 【ぎょっ!?アンタ何したの??】

かばぷー様「無邪気な君のせいだから」 がベースのお話です。
彼は一体、どんな事をやらかしたのか?
どんなシチュエーションだったのか?
とにかく無邪気なキョコさんのせいにして、何かをしでかしてしまう蓮さんを書いてください。

 

* * * * * * * * * * * * * * *

そんな企画に参加させて頂きました!

どんな無邪気なキョコなのか、

何をしちゃった蓮様なのかは、

書かれる方、読まれる方によっても、妄想…うふふ♡も違うかと。

楽しく参加させて頂きましたが、これいかに?( *´艸`)

 

王様の耳はカバの耳~小説置き場~

 

 

【匂いも好きなんだ】

 

 

「あれ? 敦賀さん? 敦賀さんの匂い?」

 キョーコは覚えのある匂いに、キョロキョロと周りを見回した。

 

「よく分かったね。後ろに目があるのかな?」
 蓮はキョーコの声が聞こえてクスクスと笑いながら声を掛けた。
 本人にしてはゆっくりと歩いて来た蓮だったが、その長いコンパスはあっという間にキョーコの真後ろにいた。

 

「敦賀さん! 真後ろにいらっしゃったんですか? どうりでお姿が見えなかったんですね」
「偶々ね…」

 

 似非紳士が吐くと、その後ろにいた社は「どこがだ?」という目線で、白々しい奴だと小さく溜息を吐いた。
(そっと近付いて何か企んでたみたいだけど、キョーコちゃんの鼻の方が凄いかも…。これだけ人がいて、よく蓮のコロンが分かったな)

 

 今日はLME社長主催のパーティーとあって、LMEの芸能人だけでなく、いつもお世話になっている出版社やTV局、監督、プロデューサーなど、懇意になっている方々まで招いての大きなパーティーとなっていた。
 日頃の感謝を込めての招待は、蒼々たる顔ぶれが揃っていた。

 

 それ故に、LMEに所属する者は、短い時間でも出席をするように通達がされていた。普段直接のご挨拶が叶わないお世話になっている方や、これからのご挨拶をしたい方への面通しをすることも出来る。

 

 蓮も看板と言われる存在であれば、顔を出すのもひとつの役目と足を運んだ。……但し、それは表面上の理由である。本当の目的は…?

 

 蓮はパーティーという場所であれば、装いもアルマンディの新作スーツで、にこやかに微笑めば女性達は嬉しそうに頬を染めた。

 

「最上さん。前に…『骨格』『パーツ』とか言って、変装も出来ないってわかってたけど、俺用にセンサーでも付けてるの?」
「もう、違いますよ! 敦賀さんの…コロンの匂いがしたんです」
「そこまで匂うほど付けてる? 強いのかな?」

 

 蓮はキョーコに確認して欲しそうに、自分の首筋をキョーコの顔先に近付けた。
 キョーコからは見えないながら、社には楽しそうな蓮の笑みが見えると、またもや先程の似非紳士と同様に、横を向いて溜息を漏らす。

 

「そっそこまでして確認しなくても、大丈夫です!」
「大丈夫なの?」
「大丈夫です! ……その…敦賀さんの匂い…好き…ですから…わかったんです…////」

 

 頬を染めて『俺の匂いが好き』なんて言われたら、俺でなくても男なら皆勘違いするセリフだよ。その『好き』は、『俺を好き』と思わなかったら何だろうね?

 

 言われた蓮も微かに頬を染めたが、キョーコからは見えないように口元に手を当てて、幾分上を向いてしまった。背丈のある蓮であれば、キョーコからは微かに変わってしまった頬は見えない。
 そして蓮はひと呼吸すると、再びキョーコに寄り添った。

 

「俺の匂い? 好きなの?」
 もう一度訊いてみる。それは念には念を入れて訊いてみないと、君は逃げそうだから。

 

「ふふ…敦賀テラピーは、私の癒やしなんです。……なんて…////」

 

 そう言いながら…少しだけ照れくさそうにちょっとだけ横を向いてしまったキョーコに、蓮の心の箍は簡単に緩むものだ。

 

 敦賀テラピー? 前にも訊いたけど、それは俺専用なんだね?
 俺だけなら嬉しいけど………。

 

 そう思いながら視線を横にやれば、キョーコがまだ首や耳などを赤く染めていた。

 

 これで勘違いじゃないと、確認OK…かな?

 

「じゃあその癒やしが、ずっと手に入る方法があるとしたら…欲しい?」
「えっ? どういう意味ですか? どうやってですか?」
 天然乙女のキョーコは、素直に言葉にしてしまった。
「ん?簡単な事。俺と結婚するっていうのは?」

 

「はぁ?」
 キョーコは顎が外れそうなほどに驚くと、目を見開いて蓮を見た。

 

「俺の匂い…好きなんだよね?」
「は…い…好き…ですが……」
「それならいいね?」
「はい? 何がですか?」

 

 テンポよく出てくる蓮の言葉と、驚きすぎてしまって思考停止してしまったキョーコの頭は、蓮の『いいね』の意味がわからない。

 

 するとそんなキョーコの隙を突いて、蓮はキョーコを引き寄せて肩を抱き、パーティー会場の中心に向かって声を張り上げた。

 

「本日のパーティーにお集まりの皆様。パーティー中ですが、俺と京子さんの婚約と結婚を発表します!」

 

 蓮は、パーティーに集まった客人達に、キョーコとの既成事実として、俳優として鍛えた声を響かせた。

 

 社長主催のパーティーなら、早足で情報が広まってくれるだろう。充分に馬の骨は片付けられる。
 芸能人の集まるパーティーなら、芸能記者も紛れ込んでいる。
 そんな似非紳士の笑顔で、キョーコをさり気なく自分のモノとして抱き締めて周りを見た。

 

「はっ!?」
 当人である筈のキョーコが再び驚きの声を上げた。
「俺が欲しいって事は、そういう事だろ?」
「なななな~~~~!!!」
 キョーコはそれはあり得ないと、千切れそうなほどに首を振るが、蓮の似非紳士の笑みがニッコリと笑ってしまえば、拒否権は与えられず……。

 


 パーティー中の結婚発表なら………
 周り中から「おめでとう!」と声を掛けられた。
 それでも蓮を狙っていた女性陣からは、キョーコを睨んだり溜息を吐いたりしていた。そしてヤケ酒をあおるのは、女性だけでなく男性も多くいた。それは京子を狙っていた馬の骨達……。

 


 そして祝いの言葉に、キョーコが反論しようとすれば、
「ちが「ありがとうございます。キョーコは照れ屋ですので」

 蓮は赤くなっているキョーコの顔を胸に抱きよせ話せなくしてしまう。

 そして「頬を染める照れ屋なキョーコ」にキスをして、驚かせて黙らせる…を繰り返した。
 それも時には長~~いキスでキョーコの思考を黙らせるという手腕も発揮!
 大ぴらにキスも出来て、抱き締めて、何か否定しようとしてもキスで口を塞いでしまう…。
 似非紳士が堂々とパーティー中に、キョーコの身柄を確保してしまった。

 


☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 


 そしてパーティーも終わり、その日の仕事も終わった夜のこと。
 蓮のマンションで、蓮はキョーコをじっと見つめてパーティーの続きを始めた。

 

「これで君は俺のモノ。俺は君のモノ。反論は却下」
「う、嘘です! う~~そ~~はぐ………………………………

……………はっ…はっ…なっ何をするんですか!」
「ん?キスだよ。恋人ならいいよね? パーティーでは婚約も結婚も発表したし」
「いつの間に恋人なんですか!?」
「俺の匂いが好きなら、俺の事も好きだよね?」
「…き…嫌いではありませんが…に…匂い…が…敦賀セラピーで…」
「うん、大丈夫。俺が君を愛してるから、幸せにするからね」
「そっそれは…ふぐ…………………………………はっ…はっはっ、わっ私を窒息させる…むぐっ……………………………

………………はっはっ、い、息が……………はぁ~~~(コテ…)」

 

 キョーコは蓮のキス攻めに、思考と気力を奪われて蓮の腕の中に倒れ込んだ。

 

 もがいてる君を抱き締めて、まずは匂いで気持ちよくなったら……、キスでもう少し酔わせてみて、もう少し君をもらってもいいかな?
 う~~ん。でも、今夜全部…は、急ぎ足だろうから、それは明日にしておこうか?(キュラン!)

 

 

《ふふふ…FIN(*´艸`)》

 

 

敦賀テラピーを好きなキョコさんを、似非紳士の蓮様が、キスで誤魔化しながら、勝手に結婚発表してしまいました!
キョコの酸欠にはご注意くださいね、似非紳士の蓮様(*´艸`)

 

 

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年明け辺りににSSSをもうおひとつアップ予定?(だといいな)