長めなので、お時間の余裕と、回りの視線を気を付けた方がいいかも…(>_<)
厄介な共演者?
TVドラマは季節と同じように、1年を4クールと呼ばれる区切りで切り替わるのが、今の定番となっている。
昔は半年、1年と長丁場の作品もあり、人気が出過ぎて視聴者のリクエストに応えるにしても、主役のヒロインには次の仕事が決まっていた為、いわゆる主役のすげ替えとなってしまったことで、すぐにその人気は下火になるという陳腐な話もあったほどだ。(リアル、ホントです)
それが、若手が多く出演するトレンディードラマが流行る頃には1クールが定着して、気の変わりやすい若者にも馴染みやすいドラマの作りも定着した。
お陰で主役クラスの若い役者達も、早いサイクルでの交代もおきてきた。だが、実力さえあれば主役を食う脇役も、更に多彩な役柄に変化して実力を発揮し続ける役者が最後には残る…生存競争の激しさを感じる入れ替わりの早さは、華やかなだけではない世界もかいま見える。
そんな世界でもドラマ以外にもモデルやCMと活躍し続ければ、その活躍からもドラマにも指名がかかるのは、注目度で言えば若手の中で敦賀蓮は抜きん出た存在になる。
そして、次期クールの蓮の主演連続ドラマが決まり、そのドラマの1話ごとの主役と言えるヒロインに京子の指名が来た。
ドラマの舞台は病院での今の医療や医者、そのスッタフ達の連携や、入院してくる患者や家族なども大きくは1話毎を中心に描かれていく形になっていた。
「病院の先生役の方達、看護師さんも、凄い役者さんが揃ってますね」
キョーコは蓮のマンションで、自分の台本に目を通しつつ、資料になる出演者の並んだ蓮の分にも視線を走らせていた。
「俺もそう思う。手術シーンも緊迫するほど見せてくれるけど、その動かす手元にも本物に見える技術も必要だからね。ただの知識だけじゃない『本物』が見えるように演じたい。マネじゃないその拘りも出来そうな本物が多いと思うよ」
蓮はその病院に海外から引き抜かれたホープとして腕を振るう医者の役で、技術を認められながら仲間になっていくところも見所にされている。
蓮は病院に緊急搬送された患者も、手抜きのない診察と検査で正確な手術をする事の判断力も評価される腕の良さに、「経験値の差だ」と言葉少なく端的に言って、一部の医者からは反発を買うが、蓮演じるホープのまともな検査の機械もない町での苦労を知れば、共感と同時に「経験に勝るものなし」と信頼を得て医療チームの中で腕を振るい患者を助ける。
「手術のシーン、他のお医者さんとの衝突、ゲストの患者さんとの絡みがあって……幾つもの対話がある難しい役ですね」
大きなテーマは全体にある流れとなるが、今の医療への姿勢や、ゲスト患者ごとの課題もある流れは、専門知識も含めて大変なのはキョーコにも分かった。
「そうだね。だから初回のゲストさんにもお手柔らかにお願いしたところだね」
蓮がキョーコとの共演は嬉しいと思いながらも、キョーコ演じるゲストとの難しい絡みに、半分本気でそう言った。
「それは蓮のお医者様次第じゃないですか? 私は私の役を頑張るだけです」
芝居については蓮の方がシビアである筈なのに、蓮の言葉に蓮自身から「役者であるなら」と聞かされた言葉で返した。
その答えに蓮は満足そうな笑みを浮かべて言った。
「キョーコならそう言うと思った…」
「だって、演じる事に関しては、敦賀蓮というお方がお手本ですからね。間違っていませんよね?」
にっこりと笑みを浮かべるキョーコは、自分と同じ舞台に立ちライバルになる女優だ。
「違わないけど…君が役に入った時はどうバケてくれるか、怖い時があるからね…」
「それは…お褒めの言葉と取っていいんでしょうか? バケるって言葉は少し痛いんですけど…」
嬉しいと思っていいのか、キョーコの笑みは複雑になった。
「誉めてるよ。『京子』ではあるけど、『最上キョーコ』とは違う別の人だからね。手強いライバルになったから…嬉しいと同時に、少し複雑でもある」
「ライバルになんてまだまだですよ…」
そんなことは烏滸がましいと、キョーコは軽く否定した。
「それは俺からの視点だからね。キョーコの成長が大きいという意味で、この先も楽しみだから…」
未だにキョーコの口から零れ出る謙遜さも、蓮にはその自覚を促しはしても、直ぐには変わらないキョーコの本質も見え隠れするところだと思っていた。
育った環境で身に付いた事は、自覚が無くとも簡単に変えることの出来ない原点になりやすい。
キョーコにとっては旅館で育ったことが、お客という相手を立てて一歩引いた場所に立つことで、もてなす姿勢から謙遜して相手の話にも一歩引いた立場で接してきたことが、良くも悪くも育ててきたのだろう。
丁寧なお辞儀や姿勢の良さは、キョーコの性格の良さも現す鏡になるが、競争の激しい芸能界では正しいだけでは生き残れないのも、夢を見せる場所でありながら…厳しくシビアな激しい世界だからだ。
「厳しい先輩には、これからもご指導お願いします」
キョーコは先輩と言いながら、でもその表情は少しおどけた感じの笑顔で小首を傾げて蓮を見た。
「先輩だけ? 恋人の俺はないの?」
蓮が少しだけ意地悪なようで、本音の言葉をキョーコに向けた。
「それは…今日は共演できるお仕事の事できたので、でも……蓮のプライベート空間に入れるのは、私だけの…恋人としての私…でしょう?」
「…うん、そうだね。君だけが居て欲しい場所だから、正直に言えば仕事抜きの方が嬉しいけどね……」
蓮にもキョーコの性格を考えれば、遣るべき事があれば頑張ってしまう生真面目さが、キョーコたる所以であり、その芝居に関しての取り組み方を教えたのが自分だと思えば、キョーコの頑張る姿は嬉しくもあり、自分の言葉が恨めしくも思えるのは歯がゆいところだ。
「その…時々は……恋人として来てますけど…」
話しながら自分の言葉で頬を染めていく可愛い恋人に、蓮は目を細めれば、その目元にキョーコも恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
「役者としての心得は、俺が君に言ったことだけどね…。恋人の時間は、俺の方が欲しいと思ってるから、少々情けないね…先輩としては…」
自嘲混じりに蓮が言葉にすれば、キョーコは首を振った。
「そんなことは…ないです。嬉しい…です。それに、蓮には沢山教えて貰って、今の私があるって、分かってます。だから…蓮との恋人の時間も大切にしたいです」
「そうだね。今はその言葉で我慢しておくよ」
「……我慢…ですか?」
その言葉に、キョーコは首を傾げていぶかしんだ。
「意味…知りたい?」
蓮が確信の笑みで言えば、キョーコは蓮の顔をチラッと見て首を振った。
「…今は……止めておきます…」
「その方が得策だね」
蓮は笑みを見せているものの、似非紳士の笑みはキョーコに突き刺さっていた。
キョーコは小さく溜息を吐くと、先輩としてはこれ以上無いほどに尊敬できるのに、恋人になった少し前から感じた…大切にされながらも独占欲の思いが……ある意味、厄介な男性とは思わなかった。
…めんどくさいって思ったら、……回り中から否定されそうだけど、それは蓮の程々な距離で人と接する術での、外面が良いともいえる距離の人は否定するでしょうね。
私も蓮のことは変わらず好きだけど、でも…でも…蓮は……厄介で、めんどくさい……人だと思う。
キョーコは心の中で盛大な溜息を吐いた。
《FIN》 or 《next》?( ´艸`)
ここまでを「読んでも全然平気」&
「もっと蓮君痛くても平気」な方のみお進み下さい。
どんな痛さかと言えば、
「蓮君」と呼んでる私の感覚、さじ加減です。( ´艸`)
(そのまま読んで頂いて大丈夫です)何が?
2話? or? 気を持ち直してもう一度?(^^;)
「共演したことのない方もいらっしゃいますけど、噂だけでも素敵な役者の方ばかりですね。1話のゲストで終わりたくないぐらい…」
「俺も君となら、もう少し一緒に共演したかったけどね」
「でも、1話ごとのゲストだと、スポットの当たった形でお話も進みますから、それだけでも大役ですね…」
キョーコがメインの出演者と、その中でのヒロインの重さを改めて感じて溜息を吐いた。
「そうだね。その回の中での中心だから、ヒロインとしての重心はいる。それと、ドラマの初回で視聴者はこの先も見るか決める人もいる」
「やっぱり…そういうことですよね……」
キョーコとしてもドラマの最初に泥を塗ることなどしたくないと、重責に深い溜息も出た。
「医療モノは医者同士もあるけど、看護師とのやり取りもある。そこに回ごとのヒロインや中心人物が埋もれては魅力が少なくなる」
「初回のヒロインの責任は、重大ですね…」
「キョーコが一人で背負うものではないけど、中心の軸の近くで…そのドラマを見る人達が何かを感じないと、次の回でTVを見る気持ちになるかは難しくなる」
「ですよね…。でも、いえ…だからこそ頑張りたいです。せっかく指名して下さった役ですから。亡くなってしまう役というのは、ちょっと残念ですけど…」
キョーコ演じる女性は、病気で折角の手術も転移した場所が悪くて、亡くなるという設定になっていた。
「リベンジも出来ないからね。死んじゃうと」
「そうですよね…」
キョーコは苦笑しつつも、難しい役へのチャレンジに全力で頑張りたいと思った。
「難しい役ではあるけど、俺は…キョーコがいつものように頑張れば、それほど心配はしていないよ」
「そうですか?」
「今回は君への直接の指名だよね?」
「はい。そうですが…」
「君を指名してきたプロデューサーは、君だから出来るとわかって選んだんだ。出来るからこそ…初回のヒロインになれると、成功すると思っての指名なら、それほど君の実力を知っているという後押しだから、自分を信じればいい」
「はい。わかりました」
「キョーコは医療系のドラマは初めて?」
「初めてです。子供頃のお医者さんごっこは…、いえいえ子供のごっこ遊びは入りませんね」
「お医者さんごっこ?」
流そうとした子供の遊びに、蓮の声が何故か反応してきた。
「やったことありません?」
蓮は想像してみるが、思い出せるのは……。
「やったことはない…な…子供の頃は」
「そうなんですか? ごっこ遊びの中で患者さんと先生と、看護師さんになったりしましたけど…」
キョーコに言われて、それに近いことを思い出そうとして、キョーコには言いたくない記憶は思い出していた。
子供と少年の狭間の時期、両親や自分の見かけだけに寄ってきた女性達に、遊ばれたような…?
蓮はキョーコに気付かれないように溜息を吐いた。
「…少し思い出したけど、男の子だとあまりないかもしれないね。キョーコはどんな感じだった?」
「聴診器のおもちゃで心臓の音を聞いているふりをしたり、包帯を巻いたり…でしょうか」
「聴診器?」
子供の頃とはいえ、キョーコのことであればと知りたくて聞き返した。
「小学校に上がるかどうかの頃ですから、男の子も女の子もない頃ですよ?」
「そう…。キョーコは何の役をやったの?」
「患者さんも、先生も、看護師さんも、順番でやりましたよ」
「……患者も…?」
そう言った蓮の言葉が聞こえる前に、キョーコの怨キョレーダーが反応して、その目が恐る恐る蓮を見上げていた。
「……あの…、蓮?」
「ん? 何かな?」
キュラン…!と、蓮のイタい笑顔がキョーコに見えた。
「あの……何に…怒ってらっしゃい…ます…っか!?」
キョーコは蓮が笑顔の時に反応する怨キョレーダほど面倒なことは無いと経験済みで、キョーコの頬が引き吊ってきた。
蓮の笑顔が何かを隠していればいるほど、その笑顔が痛くて突き刺さってくる。
「ん? 別に怒ってないよ。だって子供の時のことなんだろ? キョーコが患者さんになって遊んだのも、お医者さんが男の子だったのも…」
何故か気付いたら…医者が男の子限定で、キョーコは患者の設定に決められていた。
普通の目で見れば笑顔の『抱かれたい男No.1』だが、キョーコには痛くて眩しい厄介な男。
「その……隠せていると…思ってますか?」
「何を?」
キョーコは盛大な溜息を心の中で吐いてから、困ったように蓮を見上げながら言った。
「今の蓮は、似非紳士の笑顔で…とってもイタい人になってますよ…」
「…何処が?」
「……その笑顔が…すでに詐欺師級に嘘くさいです。騙される人もいるでしょうけど、私には通用しません。敦賀蓮という人を、よく知っていますので意味はありませんからね」
「……成る程…ね」
蓮の笑顔が、キョーコの言葉がカチンコの合図のように表情が変わった。
「君には隠し事はさせてもらえないね…。過去の君のことに嫉妬しても仕方がないのに、子供の頃の君まで欲しいと思うのは、みっともないと思うけど…情けないと思うけど、それでも君の全てが欲しいのも俺の本音だ…」
「過去の…子供の頃の…私も?」
「一緒に遊んでいた男の子に嫉妬したなんて…情けないよね? だから誤魔化そうとしたけど、本当の俺を知っている君には簡単に…見抜かれていた訳だ…」
蓮は、本音として漏らしながら苦笑いを浮かべていた。
その表情に、キョーコは呆れながらもうっすらと頬を染めて、蓮へと視線を巡らせた。
「『抱かれたい男No.1』のお方の言葉とは思えませんね……」
「その称号は、今の俺にはどうでもいいから関係ない。キョーコを抱き締めるだけでいいから、俺には要らない冠だ。他の誰かは要らないからね」
「……私だけでいいんですか?」
「そう。だから…今度のインタビューでもそう言うつもりだけど、いいかな?」
キョーコには蓮の言葉の意味が、何を指すのか一瞬わから無くとも、蓮の表情が真剣になったことで意味が分かった。
蓮が自分の事だけの答えをキョーコに聞くことはないのに、そしてその表情に込められた真剣さは、キョーコへの気持ちへの問いかけとして伝わった。
「その…二人のことをオープンにする…の…?」
「もうそろそろいいというか、俺も待ちきれなくなった。それに君が大切な人だと、君だけだから…君にも俺だけだと馬の骨も片付けたいしね…。そしてその先の…婚約と結婚も、キョーコの頭の中に忘れずに加えておいてね」
「…私で…いいですか?」
キョーコも真剣な目で蓮に問いかけた。
敦賀蓮の隣に立てるだけ実力を持っているのかを…蓮に先輩の目で答えて欲しかった。
「キョーコの実力は、このドラマの初回ゲストとして指名が来たことで、充分説明できる。さっき言ったけど、ドラマの大切なスタートを任されるのは、演れる人でなければ注目度も少なくなる。勿論、内容が伴っての実力のゲストだから、お飾りの人をトップゲストにはしないと思う」
「役者としての先輩の言葉ですか?」
キョーコは、嬉しいけれど…くすぐったいと思える蓮の言葉が、どの顏の中から出た言葉か聞いてみた。
「…それもある。俺が芝居に関しては厳しいって事を知ってるキョーコなら、愚問だよ」
「そうですけど…恋人になっても厳しいかは、まだ知らなかったので…」
先輩後輩の時間はたっぷりとあったのに、恋人になった時間はまだ短い。
それ故に、恋人という言葉を使うだけで、キョーコは頬をさっきよりも染めて言った。
「キョーコに対して甘いところがあっても、芝居を疎かにするなら言葉にする。でも、アドバイスすることはあっても、頑張ることを止めないキョーコには厳しくする必要が無い。君の頑張る姿は俺にもプラスになる程だからね」
「…追い掛けてるのに、頑張りすぎないで下さい…。追い付けないじゃないですか?」
キョーコの冗談めかした言葉に、二人とも苦笑した。
「君に追いつかれるのは…イヤじゃない。でも…君の前を行きたいと思う。キョーコの目標で、見えるところで君と刺激し合うのは、俺には嬉しい誤算だからね」
日本に来た時には予想も出来なかった嬉しい誤算は、蓮を凍り付くような孤独から引き上げて…本当の恋と本物の愛…そしてかけがえのない恋人となったキョーコとの時間をくれた。
「わかりました。これからも、蓮と一緒がいいですから、気持ちの準備もしておきます」
「よろしくお願いね。ただね、芸能人としての対処については、キョーコも知った方が良いこともあるから、事務所との相談もいる。オープンにはするけど、その辺りは予習しておいて欲しい」
「…それは……、はっきりは分かりませんけど、その…何となくは分かりますが…」
いつまで経っても謙遜からくる腰の低さは、キョーコの行動にも出て、周りでは驚くことも何度もあった。
「キョーコの場合は、芸能人としても目立たないと思っていたり、自覚の問題もあるし、自分に対しての色眼鏡は取って、事務所のアドバイスを貰うように」
蓮の言葉は、先輩なのか恋人なのか…恋人の目は真剣だからこそ、キョーコの中でどちらか分からなくなる言葉になった。
それでも、どちらとも取れる言葉には、蓮がキョーコを守りたい気持ちが込められていた。
「……はい…」
「それで…今夜は泊まっていく?」
蓮の笑みはキョーコへと手を差し出している言葉になった。
「……………はい…」
キョーコが頬を染めて頷くと、あとは恋人たちの時間……。
《FIN》
ここで、終わっちゃいます!(^^;)
ここまで読まれた方、ありがとうございます!
勇者です!(何の?(^^;))
イメージ崩したらごめんなさい。m(_ _)m
又もや、出だしと別になったり戻ったりしてます。
本当は1話のつもりが、書いていて分裂して…イタさ2倍?(^^;)
『抱かれたい男』が、厄介で、めんどくさい男になりました!(しかも2回。いいのか?(^^;))…っていうか、一部、笑いに走ってる!? もしかしなくても某様に楽しませて貰ってる影響のお陰か?(^_^)/~ (下駄投げた~)私…好きだと思うと影響受けやすい、吸収形タイプです。
あと、遊ばれる蓮くん(久遠くん)…変にリアルに想像できそうなので、読まれた方のご想像範囲が程々かと…(^^;)
内容的には、え~と、「今度もそこで終わるんかい!」の、ご意見来そうだけど、終わるんです!!(^^;)
(その先好きという方知ってるから言い訳)
二人のイチャコラは好きですが、書かれる方のお得意、分担作業と言うことで、逃げる ((((((ノ゚⊿゚)ノ ←逃げるんかい( ´艸`)
次こそワナワナ~もうちょっと~お待ち下さいSさま