まじ―ん様の【リク罠200】 より
「知らぬは彼女ばかりな近頃の噂(仮)」

 

数社の人気ブランドと化粧品メーカーがコラボしたイベント,

「PREMIUM PARTY AWARDS」。これは、主催ブランドの衣装とメ

イク用品で完璧にドレスアップした人気の役者やモデルたちがパーティーに参加と言う設定で行われるファッションショー。企画サイドが『敦賀蓮と京子』をペアとして指名してきた。お似合いの二人だと噂されるようになってきた二人だが?

(大まか罠内容です)

 

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知らぬは彼女ばかりの噂  1

 

「PREMIUM PARTY AWARDS」

 

 封筒に書かれた差出人、主催パーティー兼ファッションショーの名前がこれでもかとキョーコの目の前に差し出された。

 勿論、宛名として『京子 様』とパーティー名の下にははっきりとキョーコの名前も入っていた。

 

 真っ赤な封筒に黒い文字で書かれたその名は…。

 

 先頃発表された大々的なパーティーと言う名のファッションショーの名前であれば、芸能人としてどころか数社のブランドから化粧品業界までがコラボしての華やかなパーティーでもある大企画だ。

 

「あの…これは……」

 

 呼び出されて招待状を差し出され、封筒にも名前が記載されているにも関わらず、キョーコはこのコラボ企画にはどう考えても該当する訳がないと信じられないでいた。

 

 信じられないと言うより、あり得ない……と。

 

「最上君もこの大々的なコラボ企画は知っているだろう?」

 

 知らないはずはないだろうと言葉を発するのは、我がLME芸能の社長ローリィ宝田。いつもの如くど派手な衣装には、キョーコも驚かなくなっていた。

 

「知ってはおりますが、私にどのような関係が?」

 

 目の前に差し出されたカードを呆然と見ていたキョーコだが、やっとそろりと顔を上げて社長を見た。

 

「そんなもん決まっとろうが。『京子』にこの企画パーティーでありファッションショーの招待状が届いた。名前が入っとるだろ! これも仕事だぞ。メイクはテンに頼むから行ってこい」

 

「ですが…このパーティーって、ファッションショーにもなっていて男女のペアで参加するとか聞きましたが?」

 

 まだキョーコには信じられないとばかりに石橋を叩いているような質問ばかり。

 

「それは最上君、蓮の奴がいるだろう。アイツには仕事の加減で一緒には手渡せなかったが、やる気満々だったぞ。その企画」

 

「私と敦賀さんでペアなんですか!? あの、その企画間違ってませんか? ペアって、私と敦賀さんでなんて、釣り合ってません!」

 

 思い切り否定するキョーコに、ローリィも心中、蓮に同情した。

 少しは殻が破けたと思っても、キョーコの殻は分厚すぎて透き間しか空いてなさそうだ。

 

 このパーティーで、もうちっと最上君の心に割り込むぐらい出来ねぇと、一生どうにもならんぞ蓮…。

 

「釣り合うかどうかは招待状の企画先、「PREMIUM PARTY AWARDS」が決めたこだ。それに、仕事でもある。LMEのトップペアがどんなものか見せてこい!」

 


 社長のその一言に、キョーコはノーとは言えるはずもなく、偉大なる先輩へも迷惑この上ないことになるのではと、社長室を出たところで盛大なる溜息を吐いた。

 

 キョーコは自分には関係ないことだとしてしっかりとした情報はない。それでも業界にいればそこかしこから、「このパーティーに出たい!」と言う声が聞こえていたのは知っている。

 


「PREMIUM PARTY AWARDS」

 


 それこそ芸能界、モデルのプロも目を光らせて狙う本気のステージだからだ。伝があればそれを使ってでもと言いたいところだが、本当のプロの場所にそんな姑息な手では入り込めても

恥を掻くのが関の山。

 

 

 本物でなければ出られないと言われるパーティーに、よりによって大先輩にしてプロのモデルの敦賀蓮と出ろって、恥を掻いてこいと言うことですか?

 

 先輩はモデルもプロだからいいですよ?
 でも私はモデルもどきはやったことはあっても、本物のモデルじゃありません! 先輩に恥を掻かせるしかできないですってば! 女優としてもまだまだ少しは役に立つようになったぐらいなのにぃ~。

 

 なんかパーティーもファッションショーとしてのモデルとしての舞台があるとか? 舞台の上でパーティー? それを楽しみに見に来る目の肥えた方達がいて、その上で華やかなパーティーを繰り広げるのは私には無理ではないですか?
 そんな目立つことしたって、私には失敗の文字しか浮かびませんってば!

 

 ……気持ちの上ではですね、そんなパーティーを覗けるものなら見てみたい。そんな華やかなパーティーなんて、そんなに見られるチャンスはないじゃないですか?

 それでも敦賀蓮というモデルでもトップクラスの人の横に、素うどんが居てもいいんでしょうか?

 それに、敦賀さんに恥を掻かせる訳にはいかない。LMEと言う芸能事務所にもそれは言えることだけど、敦賀さんが呆れるような姿ではいたくない。

 

 ドレスは主催を通して事務所としても用意はして、メイク一式は美容界の魔術師と言われるミューズが魔法をかけてくれると言われて少しだけ心は不安を払拭できたけど、ペアである以上…横に並ぶ敦賀蓮その人に釣り合いがとれた姿を要求されているわけで、そこだけはどうにも無理だと思ってしまう。

 


 キョーコの盛大な溜息が何度もでてしまうのは致し方がない不安の現れ。

 


 自分だけの失態ならそれは自分の未熟さ故のこと。
 でもその失態に…モデルとしても光り輝く敦賀蓮という大先輩、神と崇拝してもいい人を巻き込む訳にはいかない。

 それだけは絶対に自分でも後悔しきれない。
 海外ブランドのアルマンディのモデルの中でも、群を抜いて華やかで、役者としても同年代ではライバル視される人はいても、役者としての技量でトップを譲らない人。

 私が足を引っ張ることは許されないのに……。

 

 私としても…役者そして、その役柄に沿って華やかな装いはできなくはない。その背景を掴んで同じ華やかでも陰のある美しさも、お嬢様の持つ無邪気な笑顔も、役だと思えばそこに入り込めるのに、…今度は私の素顔で勝負しろと言うのは、社長の選択、そしてこのファッションショーの主催者の人選を恨みさえ感じそうになる。

 


 本当は…敦賀さんにとって横にいて欲しい人は『キョーコちゃん』ただ一人のはずなのに……。

 


 そう思うと、胸の奥は痛くて自分が居てはいけない場所にいると思えてしまう。

 ……でも少しだけ、公の場所で、敦賀さんの横に居ることが許されることが……嬉しいと思える心に、困ってしまう気持ちだけは許してください。


 後輩ではないささやかな…追いかける気持ち……。

 

 

 ≪つづく≫

 

 

蓮誕逃しましたがやっとできました(^o^;)

でもってちょっと長めですが、お付き合いくださいませm(_ _ )m