こちらからもよろしくね 「私からでいいですか?」蓮sid
「大好きな敦賀さん」
彼女の言葉に、またいつもの後輩としての好きの意味なのかと見つめてみた。
でも違った。
真剣な目で、でも恥ずかしいのか真っ赤な顔で俺を見つめていた。
「俺も好きだ」
俺は彼女に出遅れた告白をした。
こんなことだから社さんや社長にも「ヘタレ」と言われてしまうのだろうけど、本気の思いだから振られたら生きていけないほど怖かった。
こんな俺に、目の前の彼女は勇気を振り絞って言ってくれた言葉だろう。疑うことなど露ほども思いもしないで本心を告げた。
「じゃあ、お付き合いをしよう」
ここで彼女が驚いたのには、彼女らしくて小さく吹いてしまった。
告白して思いが重なれば、それが交際の始まりとは気が付かないなんて、彼女の恋心はどこまで深く眠っていたのだろう?
「大丈夫。俺がゆっくりエスコートするから」
そんなことを言ってみたが、俺も男女の付き合いは知っている。気持ちは本当の恋ではなかったとはいえ、男女のいろはは早い時期から通ってきた。
だが俺の初恋は君で、君は初めてのお付き合いで、ある意味似たもの同士の初心者の恋かもしれない。
「ゆっくり君の恋も、俺の恋も育ててゆこう。そしてもっと近づけたら、二人で愛し合って結婚できると最高なんだけどね」
「け、結婚!?」
君の目はまん丸になって、驚きすぎたのか口まで開いているけど気づかない。
「恋が愛になっていけば普通だと思うけど? それとも俺は本気じゃないの?」
少し意地悪くいってみると、彼女の表情が微妙な表情になった。
(敦賀さんが、また子犬の目になってる…)
「ほ、本気です! 好きでもない人に、一生懸命になったりしません! 好きになってくれた人に、好きな人に、……嘘を吐いたりしません! …でも……」
「でも?」
「け、結婚というのは、は…早すぎて考えられません!」
キョーコがそれこそこれ以上は赤くなれないと言わんばかりに真っ赤になって叫んだ。
「では付き合いながらゆっくり考えてくれればいいよ」
「でも、敦賀さんが他に好きな人が出来るとは考えないんですか?」
「考えていない。考えられない。君だけだから、これからもよろしくね」
【FIN】
反省会の予定でしたが、なんか浮かんできたのは攻めの蓮様(^▽^;)
負けたままではいられなくて、ヘタれ返上の蓮様のオマケ?でした?