昼間の息子の部屋には、掃除のために何度か入っているけど
夜の息子部屋は悲し過ぎた。
一昨日の夜、寝る前に取りに行くものがあってうっかり入ってしまった。
真っ暗な部屋。
電気を点けると、小上がりの上にテレビと息子の冬服の入った段ボール箱、
孫ちゃんの置いて行ったぬいぐるみが数個。
いつも布団が敷いてあって、ベッド代わりに使っていた小上がり。
そこでお昼寝したり、絵本を読んだり、ゲームをしたりする
家族の様子が思い浮かんだ。
大きな息子と小さな孫ちゃん、
同じ寝相でお昼寝してる写真、お嫁ちゃんがくれたなぁ。
息子が5歳の時に建てたこの家のこの部屋は
息子のリクエストでポケモンのカーテンを付けた。
それがいつの間にか無地のブルーのカーテンになり、
結婚してからはお嫁ちゃんが選んだグリーンのカーテンになり…
父親にムカついて壁に八つ当たりして開けた穴、
塞いだよね…母が…
いたのはほんの十数秒のあいだ。
息子家族の幸せだった頃の光景が浮かび上がって
でも、我に返ると目の前にあるのは生活感のない部屋。
もう決して戻らない光景が、あの頃確かに存在したのに…
息子の生きてきた軌跡がギュッと詰まった部屋。
たまらなく悲しくなって、布団の中で号泣した。