2023年6月19日。

 

息子が大阪で借りている自室で亡くなっているという連絡が入った。

 

6月8日に電話で話した息子はいつもと変わらない様子だった。

今月いっぱいで仕事を辞めて、実家に帰ってくる息子に

私は引っ越し荷物を詰める新しい段ボールを注文して送った。

 

それが6月8日に届くから、受け取ってねと電話で話した。

「わかった。でも出掛けてるかもしれないから再配達してもらうかも。」

 

そんな会話が最後になってしまった。

 

10日に、掃除した実家の息子の部屋を動画で撮って送った。

あなたの部屋、こんなだよとメッセージを添えて。

 

がらんとした部屋に、また息子が戻ってくる!

その時の私はウキウキした気持ちで掃除をして動画を撮った。

 

その動画とメッセージに、その日は既読が付かなかった。

 

次の日も、その次の日も。

仕事が忙しいのかもしれない、

疲れて寝てるのかもしれない。

 

数日連絡が取れないことは以前にも何回かあった。

 

でも流石に不安になり、不動産屋に安否確認をお願いした。

職場の先輩も立ち会ってくれるとのこと。

(職場の方は今回の件で初めて連絡先を知った)

警察にも立ち合いをお願いし、私は自宅で祈るように連絡を待った。

 

でも、祈りは届かなかった。

 

リビングのドアが目張りされている…

すりガラス越しに人が倒れているようだ…

これから119を呼びます。

 

一度電話を切って待つ時間は、絶望感しかなかった。

主人に連絡したら、すぐに仕事を切り上げて帰ってきた。

 

そして、午後3時過ぎ、再び電話が鳴った。

職場の先輩だった。

「お母さん…アカンですわ」

後は泣き声になって、私も言葉が見つからない。

 

その後は警察とのやり取り。

 

色んな感情が入り乱れて、まるで夢の中のよう。

夢ならどんなにいいだろう。

 

最悪、地獄、かわいそう、悲しい、どうして…

 

その日はとても爽やかに晴れた日。

こんなことがなければ、最高に気持ちのいい日なのに。

 

その日から私の心が晴れることはなく

世界は鉛色になってしまった。