前回、上がる銘柄には出来高があるという話をしました。
同じ銘柄でも地の底を這う様な動きをしている時期には、出来高があまりありません。それが何らかの理由で上昇を開始すると、出来高が増えて来ます。
出来高=人気なので、いままで見向きもされなかった銘柄に人気が出てきたということですね。
じゃ、「なんで人気あるの?」かというと、そこにも色々な理由があるのですが、大きく分けると、「将来を期待させる思惑がある」からと、単純に「業績が良い」からという2つです。
一般的に前者は思惑相場、後者は業績相場と呼ばれます。
思惑相場の銘柄は、四半期成長率がイマイチの銘柄が多いです。思惑だけで上げているので、業績というシッカリとした土台がないからです。
例えば、新薬の開発が二相クリア、秋元康と新会社設立、●●として関係省庁が採用認定、生体認証の独自技術を開発、政府が●●開発予算に●兆円を決定、といった類のものです。
いずれも凄い利益をもたらすだろうというネタに反応して人気が出ます。具体的な数字になっていません。たまに経営者が「この事業で売上●●億円をめざす!」などと、 大法螺 大風呂敷を広げることもありますが、殆んどが単なる煽りで終わります。
思惑相場は打ち上げ花火のようです。短期的に高く上がって最後はバーンと弾けるように終わります。その後は、そのまま終わってしまうか、しばらく休んだ後にもっと本格的な業績相場が始まるかの二択に移ります。
思惑相場が辿る基本的なチャートパターンを図1にまとめておきました。
これは基本形なので、実際には色々な派生形が出て来ますが、概ねこういうパターンで動きます。思惑相場の取り方については、また別の機会に詳しく解説したいと思います。
図1:思惑相場の基本パターン
一方で、業績相場の四半期成長率は、良い値を示すことが多いです。業績が良いので、当然、過去の業績よりも最新の業績の方が勝ります。そうなると必然的に四半期成長率は高くなりますよね。業績相場は上昇する根拠が数字としてちゃんと存在しています。
そういうわけで、四半期成長率は業績相場を見るのに適している、ということになります。特に、業績が成長し続けている企業を調べるのに最適です。
業績相場は、業績が好調な状況である限り続きますが、重要なのは業績の成長性が維持されているかです。好業績でも成長性が止まってしまうと、株価もそこで天井を打ちます。成長性を確認するものは、もちろん四半期成長率です。
もし次の四半期決算で再度、成長性が確認されれば、上昇は継続していきますが、完全に停滞もしくは落ち込んでしまうと、業績の評価はグロースからバリューへと変化し、バリューに相応しい適正価格へ向かって下げて行きます。
業績相場が辿る基本的なチャートパターンを図2にまとめておきました。
図2:業績相場の基本パターン
なお、この思惑と業績ですが、完全に分離していない、混合タイプもあります。
例えば、もともと業績が良いのに、なんらかの思惑が発生したことによって、業績が再評価されつつ思惑と絡みながら上昇していく。
または、業績相場が続く中、次の決算はもっと良くなるだろうという思惑が発生して、本来の業績の伸び以上に株価が買われていく・・・などです。
こういう混合タイプも踏まえた上で、わたくしは思惑と業績、2つの相場を次のように定義しています。
思惑相場…上昇に思惑の要素が半分以上入っている
業績相場…上昇に業績の要素が半分以上入っている
四半期成長率と相性が良いのが業績相場だというのはお分かりいただけたでしょうか。従って、上昇相場をチェックする際には、かならず四半期成長率を使って、思惑か業績かを判断するようにしています。
マイルール③
上昇の理由が思惑か業績かを判断する
もちろん図1、図2の基本パターンから外れた動きをすることもあります。株価には、別のファクターが影響を与える場合があるからです。四半期成長率以外の使えるファクターについては、既に四半期割安率やサプライズ、リビジョンなどを紹介していますが、これらも再度、整理して書いていく予定です。
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