著書『四半期成長率とチャート分析』の447ページに

「時価総額÷経常利益」をPERの代わりに用いると、

割安を、より正確に求めることが出来る…と書いたのですが、

読者の方から質問を頂いたのと、もう少し説明した方が良いかなと思い、

まとめてみました。

 

PER = 株価÷1株当たり純利益

   = 時価総額÷純利益

 

PERは上式で求めますよね。

この純利益には、特別損益と税引きが含まれます。

それ故、PERが割安、割高と判断した場合でも、特別損益のノイズによって

数値が変に大小になった場合は、あまり参考になりません。

 

そういう場合は、経常利益を使って計算すると良い、という話です。

 

PERの代わり = 株価÷1株当たり経常利益

       = 時価総額÷経常利益

 

ただし、これだけだと税金を引いてないので、

通常のPERと比較することは出来ません。

比較するためには、対象となる期で引かれる税金を考慮しなければなりません。

 

とはいっても、前年度で引かれてる税率をそのまま使って調整すれば、

それっぽい数字にはなります。

殆んどの場合、0.6~0.7で割ればそれっぽくなります。

 

ちなみに、本の監修をして頂いたクオンツの北山広京さんは、

毎週作成しているファクター一覧の中に、

全銘柄の「時価総額÷経常利益」を求めたものも含めています。

下の画像はその一部です。

なかなか凄いデータ資料ですよね・・・

 

 

これによって全銘柄の正確な割安の具合を、網羅的に比較できます。

ただ、これは普通の個人投資家が備えられるシステムではないので

再現性がないですよね。

 

そこで、1つの資料として、通常の予想PERの「時価総額÷純利益」と

「時価総額÷経常利益」をそれぞれ5分位分析したもの載せておきます。

対象はプライム市場、期間は直近半年です。

 

時価総額÷純利益(通常の予想PER)

 

時価総額÷経常利益(特別損益を排除したもの)

 

全体では、特別損益による誤差は、それほど極端な違いは出てないように見えます。

 

なので、全体で見る場合にはあまり神経質になる必要もないと思いますが、

ただし、個別株を1つ1つ選定する際には、

その辺りには強く注意した方が良いでしょう。

 

PERが割安だと思って買ったら、

実は、特別利益などの一時的な利益によるものだった・・・なんてのは、

よくありますので。

 

※ブログに「いいね」を押して頂けると嬉しいです。

↓励みになりますのでクリックをお願いします♪


株式ランキング