私は現在、名古屋市西区にあるグループホームと小規模多機能型居宅介護を併設する介護施設にてグループホーム担当の介護士として勤務しています。



グループホームとは、認知症により日常生活が困難となった高齢者の方たちが最大9名で共同で生活をする施設です。施設というよりは一般家庭のような設備と雰囲気がグループホーム最大の特徴です。



グループホームに限らず、介護業界はまったくの異業種から転職してくる人が多い業界ですが、私も例外ではありません。



19歳、大学1年の時に塾講師のアルバイトを始め、大学を中退し名古屋にて塾講師専門の人材派遣会社にてサラリーマンを経験した後、25歳の時に取引先だった学習塾をフランチャイズ展開している会社からお誘いを受け運営管理者(いわゆる教室長)を務め、27歳で退社後、名古屋と東京の新宿歌舞伎町にて水商売をしていました。



7年間でホスト、メンキャバ、メンパブ、キャバクラの店長と、一通り水商売と呼ばれる仕事は経験してきました。



介護とはまったく無関係な世界で生きてきた自分が介護の仕事を始めるきっかけは母親の存在でした。有料老人ホームで10年以上働いている母親の「意外と向いてるかもしれないから試しにやってみれば?」という一言で求人誌をパラパラ眺めて、たまたま近くだったので何となく今の施設に応募したというかんじです。



最初はグループホームって何なのか、認知症って何なのか、見るもの聞くものすべてが初めての世界でわけがわからず言われた通りに業務をこなしていました。



そこからは仕事が終わった後も休みの日もとにかく勉強しました。もちろん今現在も、これからも勉強していきますが、認知症介護に限らず介護というのは「これさえ覚えてやってればOK」というマニュアル的な正解がない仕事だなというのがいろいろなことを知れば知るほど、実際に現場で経験をすればするほど実感します。



それはとにもかくにも相手が人間、しかも認知症の高齢者という点にあるのだと思います。認知症と一言で言っても介護度や症状は十人十色で、百人いれば百通り、千人いれば千通りの個性や症状があり、それぞれの個性や症状に合わせたケアが必要です。



それでも、短期記憶障害や見当識障害など認知症において共通する症状はいくつかあり、基本的な認知症の症状を理解することは認知症介護において最も大切なことだと思います。



このブログでも随時、認知症の基本的な症状や対応について自分自身の現場での実際の経験に基づいて紹介していきたいと思います。