夏だね




真夏だね




晴天だね




白い味気のない天井を眺めるのも飽きたな




窓を開けると熱と生命力漲った空気を感じる




なにこの




あの葉っぱが落ちたら僕死ぬの?的な出だし




まぁ治りかけっていっても夏風邪だからしょうがないけど




最近じゃ昔と環境が少しづつ変わって来てるから




日焼けを気にして




ロボコップみたいなサンバイザーつけてチャリ乗ったおばちゃんや




必死に日焼けしないようにみんな努力してるけど




やっぱり夏はそれなりに焼けていいよね




むしろ僕は最近 




自分が日焼けフェチだということに気がついた




無理からにヒサロとかにいって焼けたあの感じは苦手だけど




もともと色白の人が海とかに行って




水着の跡がなんとも




白と黒のコントラスト




隠したい場所が浮き出るあの感じ




いいじゃないか!




そういうジャンルのAV少なくて困る







AVっていっても




良い意味でね










比較的バンドマンというか




バンギャルというか




ただでさえ白い肌




白い目で見たれがちだけど




海行きたいね~







でもリアルに想像すると・・・




べたべたするし




魚近いし




既に焼けてる組の中に




青白い初陣です みたいな




あの疎外感




清潔感のないシャワー




シャワーで流した後の足にまとわりつく砂




家でシャワー浴びても「え?どこにいた?」という砂




いやもうシャワー自体が苦行な痛み




かちかち山のたぬき状態








かといってジムで泳いでても




季節感ないし




この時期レジャープールに行ったら




子供のおしっこの中で泳ぐようなものだし






泳ぐといえば




僕の実家は小学校が徒歩20秒




二階の部屋からダイブすれば




1秒という立地条件なので




夏休みといえば




皆勤賞な勢いで小学校のプールに行っていたので




「泳ぐ」事に関しては大得意なんです




今もあるのか分からないけれど




当時は学校側が級の設定されていて




黄色帽子(初心者)




テストに合格すると難易度に応じて




帽子に線が一本、二本、三本と増えていき




3本線になると次の級に昇格するテストが受けられる




そんな感じで




帽子の色を見ただけで




その子がどれほど泳げるのかが一目瞭然




しかも




黄(初心者)<白(中級者)<青(上級者)




と三色あるうち




最高クラスの青に限って




ゴム製




なんかプロっぽい感じで




黄色と白は布なの




青は泳げる種類距離に加えタイムも条件に入ってるので




小学校低学年でかぶってる子はまずいないわけですよ




まぁ低学年男子は100%かぶってるわけですが




上級生が




休み時間トイレでむりやりめくって自慢してたなぁ・・・




それを見た同級生が真似して




戻らなくなって




泣きながら保健室に行ってたな・・・




女子にも分かりやすく例えると




火傷とかして水ぶくれになってる皮の部分を切り取って




ピンクの肉がむき出しになったあの感じが




股間にぶら下がる




そんなひりひり感だね




あれ・・・




何の話だっけ・・・








そうそう




級ね




で僕は




小学校2年で白帽子3本線




異例の速さで昇格したの




ただね




青帽に挑戦出来なかった




大きな原因




飛び込み




誰しもが経験する




腹打ち




おれとびこみすきーみたいなドヤ顔してても腹赤いみたいな




あの頭から飛び込むやつ




僕はとにかくあの鼻に水が入ってツーんってする感じが嫌で嫌で




テストを受けるだけ受けたけど




出来なかったわけです




そしてそのテストが行われたタイミングが




15分毎に設けられた休憩時間




その時間を利用して昇格テストが行われることはよくあることなんだけど




なぜかそのときテストを受けたのが僕だけで




みんな日向ぼっこしながら




暇だから見るわけだよね




結局プールにいる全員の前で僕は飛込みが出来なかった




次の日の 




ラジオ体操の時その事を上級生にからかわれ




半べそで帰ってきた僕を父が見て




男のクセに情けね~




普段あまり口を出さない父が僕を引きずるようにして




小学校へ連れて行き




グラウンドで遊んでいた上級生を捕まえて




「お前らからかったのか?」とドスの利いた質問を投げかけた




土建やっていて真っ黒に日焼けしたガタイのいい父ですから




きっと上級生達には




黒い鬼に見えたでしょう




上ずった声で 




「からかいましたごめんなさい」




と非を認め謝っている上級生をみて




鬼の後ろで僕はこれでいじめられずに済むのか




と一安心してると




黒い鬼はこう言い放ちました




「これからプールに行ってユウキが飛び込みするから




二度とからかうな」




と。








こうなると




上級生にとっての




黒い鬼は




僕にとっても




黒い鬼




深澤商店と書かれた作業着を纏った




ラスボス暗黒魔人






いや




水着も着てないし




今日プール開いてないし




え?え?




と考えるまもなく




からかった上級生3人




からかわれた僕




4人は




暗黒魔人の提案を誰一人断ることも出来ず




見たことのない勇者不在のパーティで




グラウンドを行進




刑執行に向かう僕




プールの鍵など




無意味




飛び込み台に立たされる僕




見守る鬼と3人




1分が過ぎ




5分が過ぎ




ただただ




気まずい沈黙が




からかっていた3人の顔は




もう後悔やら反省を通り越し




僕への同情




むしろ応援




なんなら僕にとっての唯一の味方




協力してあの魔人倒せたらいいのに






一応飛び込む姿勢を作り




凍りついた僕を見かね




痺れをきらした父が動く




息子の背中を押す




文字通り




精神的ではなく




押すというよりは




突き落とす




小さい体はそのままダイブ










小学校のプールっていうのはね




きっとどこのプールもそうだとおもうけど




底が斜めになってるんだよね




あれは水捌け良くするためなのかな・・・?




いわば25mのプール片方は深く




もう片方は浅い




そういう作りになっていて




ましてプールの日じゃなかった事もあって




水が浅めだったのね




飛び込んだ後の体のフォローも知らない僕が




ほぼ垂直に水に刺さるんです






思いっきり頭を底にぶつけ




初めて時間が飛びました




その後の記憶があまりありません




結果として




二度とからかわれなりました




と同時にあの日以来




二度と飛び込みをしなくなりました










































そして今でも白帽三本です













あでも




ライブで客席にダイブするのは克服しようとしてる


僕の深層心理なのかな?


バンギャルから心の青帽ください