米国のティラーソン国務長官が解任された。トランプ大統領が ツイッターや その他の言動で、頻繁に世界を驚かせ 危うい中、要の立場で 政権の中では落ち着いた信頼できる人物だと思ったのに。北との関係も対話重視で、危機感が高まった時にも歯止めになっていたと思ったのに。

代わりにトランプ氏が指名したのは、強硬派の自分の考えと合う人とか。大統領の正式就任前から訪米したり、ゴルフ外交で親しさを強調してきた、お友達を重視する我が国の総理と やはり共通点があると思う。自分のイエスマンばかり集めるのは どうなのか。いくら対話の雰囲気が出てきたとはいえ、未だ平和的解決への道は長いのに、結局 金正恩が米国や世界を弄んだとなった時には、もう歯止めとなる人物は居ないかもしれない。気掛かりである。

親しい人物ばかりで固めた政権の行方は、何処の国でも似ている。それは国だけではなく、色々な組織でも同様。チェック機能が働かなければ、良からぬこと 危ういことも見逃されたり、隠されてしまい、時に行き着くところまで行ってしまう。監督責任を問われても、" 信頼回復が重要 " と言って譲らず、返って記者に切り返すなど、その態度からしても反省は感じられない。国会で責められた際に、印象操作だと切り返す総理の態度からも近いものを感じたが、やはり似たもの同士であられるか。

以前から総理に対し、比較的厳しい意見の身内からも " 始まりは総理 "と、公然と指摘がなされた。おかしいことはおかしいと、安倍政権を本当に信頼できる長期のものにしたかったなら、支えたかったのなら、必要な提言は もっとすべきだった。それをせずに、無理にでも総理に合わせようとしてきた結果が、前代未聞の財務省による公文書改ざん。表面は未だ大丈夫に見えた果実の内部で腐敗は進んでいたということになる。

佐川元理財局長の国会での答弁、" 〇〇はありません" を肯定文に、 又 " あります " を否定文に直すと、面白い程に改ざんされる前の文章の内容になるように思う。答弁に合わす様に改ざんを進めたと言われているが、少なくとも改ざんの方向性や内容は、答弁以前から決まっていたのではないかと思う。

他のこれまで追及された問題も、パターンは同じ。知っている人物は皆、事実を明らかにすべきである。ここで大手術をしなければ、生命 (政権) にかかわるであろう。政府 与党野党を挙げ、国民と共に襟を正して仕切り直す時だと思う。