平昌オリンピックが開幕した。ほぼ開会式全体を視聴することができたが、随分と民族や朝鮮半島の歴史、南北の統一を意識した演出となっていたと感じた。北の平昌オリンピック正式参加が決まったのは つい一月前のことであるのに、この様な演出は 随分前から計画され、練習を積み重ねなければできないのではないかと思われた。以前より2つのシナリオが用意されており、北が参加の場合には より歓迎する演出に、不参加の場合は呼びかけを強調する演出に出来るようにして、どちらも練習してきたのではないかと。

何しろ最後の聖火ランナーは、予想されていた様に フィギュアスケートの金妍児であったが、そこにバトンしたのは、つい先日合流したばかりの女子アイスホッケーの南北の若い選手。そんな大役は、もっと深く検討された人物である方が自然な気がして、誰かに取って代わったのではないかと思う程だった。

貴賓席が映し出され、文大統領やペンス副大統領、安倍総理、金与正や北の団長も並ぶその下には五輪のマーク。政治的思惑が交錯する関係者が一堂に会している席の五輪マークは、現時点では、些か不似合いな感じを受けたが、振り返れば これを機に オリンピックの意義に相応しい真の平和の祭典となった、ということになれば良いのだが。どうしても状況をリードし、自らの方に取り込もうとしているのは北なのは明白なのだが。

もう一つ気になるのは、前日のパレードの際に演説した金正恩の姿。以前からではあるが、更に体重を増加させたのではないかと見えた。単純な想像ではストレス太りかと。心臓への負担も増えるはず。強気に見えても、やはり相当のストレスはかなりのものだろうから。年齢に見合わない様な声も、個人的には田中角栄氏に近いものを感じ、金氏を敬愛している国民には力強く感じられているのではないかと思っている。

あまりに政治的思惑が濃い今回のオリンピックだが、選手達には 周りの雑音に惑わされず、最大限の注意はしながら、これまでの努力の成果を出して、悔いなきパフォーマンスをしてもらいたい。