当ブログの読者の多くはプロ野球ファンだと思われる。その中でも自分の贔屓チームである東京ヤクルトスワローズのファンが多い気がするが、スワローズの優勝記念パレードを観た方はどれくらいいるのだろうか。


こうした思いを抱いたのは、現在のスワローズファンの中にはスワローズが優勝記念パレードを1度も開催したことがないと思っている人が一定数いるのではないかと思うからである。


他チームでは日本一は勿論のこと、リーグ優勝時には優勝記念パレードが実施されている。今年は日本シリーズを制したバファローズが御堂筋で優勝記念パレードを実施して、大きな話題となった。バファローズの優勝記念パレードは、かなり前から開催が決まっていたが、26年ぶりに日本一となったことで更に華やいだ雰囲気となったかもしれない。


自分が応援しているスワローズは、1978年にセ・リーグ初優勝・日本一を達成した際に優勝記念パレードを実施している。初優勝時の記憶はリーグ優勝、日本シリーズ制覇、優勝記念パレードといったもので彩られている。


長年にわたり弱小チームと称されたスワローズが、球団創設29年目にセ・リーグで最後に優勝したことは、社会的にもインパクトを与えた。更に日本シリーズでは、対戦相手の(阪急)ブレーブスの上田監督による長時間にわたり抗議した第7戦のテレビ視聴率は47%を超えるプロ野球中継の歴代最高(当時)に達し、スワローズの日本一は大きく注目された。勝てる組織の在り方などで、広岡監督の管理手法は関心を集めた。


1978年の優勝記念パレードは、大手町のサンケイビル前から丸の内の国鉄本社前を経由して、新橋のヤクルト本社までのルートだった。スワローズ(アトムズ)の運営主体だった国鉄、サンケイ、ヤクルトという変遷を辿る流れである。広岡監督の隣に若松選手が乗って沿道の声援に応えている写真は、初優勝時の喜びを改めて感じられるものだった。


だが、初優勝から44年の年月が経過したが、その後はスワローズの優勝記念パレードは1度も開催されていない。もっとも、優勝記念パレードの計画は2011年に浮上したことがある。当時の報道では、本拠地の神宮球場から表参道、新橋を経由してヤクルト本社に向かうルートだった。だが、2011年はドラゴンズに逆転されて優勝のチャンスを逸した。


その後は2015年、2021年〜2022年と優勝しながら、優勝記念パレードを開催するという噂さえ耳にしなくなった。だが、現在のスワローズであれば、村上選手が三冠王を獲得して、多くの野球ファンから関心を集めたこともあり、優勝記念パレードを実施しても多くのファンが沿道に足を運ぶ可能性が高いと思う。その為、2023年にリーグ3連覇を達成した際には、45年ぶりとなる優勝記念パレードを開催しても良いのではないだろうか。


ヤクルト球団は小池百合子東京都知事を2回始球式に呼ぶなど、東京都との繋がりはある。また、歴史的な経緯でフジサンケイグループ(FCG)とは密接な関係がある為、産業経済(産経)新聞社などを介して、警視庁に警備を要請することもできる。


仮に優勝記念パレードを開催する場合には、どのようなルートが良いのだろうか。個人的なイメージは以下のようなものである。


・初優勝時の優勝記念パレードを再現

1つ目は初優勝時のサンケイ、国鉄(JR東日本)、ヤクルト本社というルートである。ヤクルト本社は2020年に新橋から竹芝へ本社を移転しているので、大手町・丸の内・竹芝という流れとなる。新橋、浜松町を経由しても良いだろう。


・フジテレビジョンとヤクルト本社を結ぶ

初優勝時のフジテレビジョン(CX)は、新宿区河田町にあったが、優勝記念パレードのルート外だった。だが、CXが台場に移転し、ヤクルト本社が竹芝に移転したのであれば、台場のCXから竹芝のヤクルト本社というルートでパレードを行っても良い気がする。新交通ゆりかもめの路線を辿る感じだが、途中はレインボーブリッジを通過する流れとする。フジテレビONEに生中継してもらうこともできるのではないだろうか。

・神宮球場とヤクルト球団を経由するルート

2011年の優勝記念パレードは、地元商店街から話が広がったようだ。その為、神宮球場からスタートして、外苑西通りのヤクルト球団の近くを経由して表参道、明治神宮に向かうルートとすることで、地元商店街へ来場者の誘引を狙うことが可能となるのではないだろうか。


・神宮球場から渋谷駅へ向かうルート

渋谷駅界隈では東急百貨店で優勝セールを開催したり、Men's 109でスワローズカフェをコラボした実績もある。2001年のリーグ優勝時にはヤクルトがふるまわれた。その繋がりを活用して、神宮球場から表参道を経由し、石川雅規投手の出身大学である青山学院大学前を通って渋谷駅前に向かうルートも現実離れしていないのではないだろうか。渋谷駅周辺のビジョンを活用して、パレードの様子を映し出す試みなども考えられる。


優勝記念パレードの開催は、スワローズが最もインターバルが長くなった。パレード開催には早めの計画と準備、関係方面への根回しが必要とはなるが、現在のスワローズファン層の中心である90年代以降のファンに対し、ヤクルト球団が優勝記念パレードの実施を検討して欲しい。初優勝時のパレードを遠目から観た自分の中では未だに印象に残っている。優勝記念パレードの実施は、地域に根ざす「東京」ヤクルトスワローズとなる為にも意義があると思う。